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伊藤孝英
院長
ロイヤルメルボルン工科大学健康科学部カイロプラクティック学科日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛から生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジ。鬱や不安障害にも着目したマルチモデルで腰痛ケアを行っています。
換気機能、ウイルス除去機能付きのエアコンを導入しました。常時外気を取り入れ、排気を行いながらの営業でコロナウイルス感染症対策は万全

うつ病– 薬物療法以外の代替案 –

うつ病を多角的にとらえて、ある種の囚われを俯瞰的に見られるようにエビデンスを載せてあります。

カイロプラクティックといえば代替医療(Alternative Medicine)の代表的存在です。多様性が叫ばれる今、鬱病を薬物療法以外の視点で考えることが大切です。

薬物療法を否定するわけではありませんが、科学的な視点で代替案を模索していく必要があります。

目次

鬱という状態の枠組み

まず鬱というと「心の風邪」という言葉を思い出します。これは1990年代に精神医療界が作った言葉です。この心の風邪は誰でも掛かり得る疾患という意味ではキャッチーな言葉で、お薬で何とか緩和できそうだというイメージにも結び付きやすいです。

現在巷で主流の考え方である「脳内のセロトニン不足」が鬱病の原因という説は仮説で、鬱病のなかでも大うつ病と言われる重症患者の血清セロトニンレベルが低下しているのは確かですが、結果なのか原因なのかは不明です。

そして2022年現在精神科のエキスパート達は「単純な脳内セロトニン不足」という仮説を否定して、より複雑な生物心理社会モデルで考えるべきと言っています。

主な誤解は、うつ病は単一の生化学的欠損を伴う単一の疾患であるということです。

今日、うつ病は潜在的に「複数の根本的な原因を伴う不均一な障害」としています。

複数の根本的な原因は人によってそれぞれのようですが、根本的な原因に対応していく必要があると言えます。

「モノアミン仮説」だけに頼らない

このセロトニン仮説は一旦横においておき、さまざまな要因にそれぞれが目を向ける必要があります。

2015年に行われた専門家による高度な文献調査(体系的レビュー)においても、この単純なモノアミン仮説(セロトニン仮説)を破棄する必要があることを支持しています。

Pehrson AL, Sanchez C. Altered γ-aminobutyric acid neurotransmission in major depressive disorder: a critical review of the supporting evidence and the influence of serotonergic antidepressants. Drug Des Devel Ther. 2015 Jan 19;9:603-24. doi: 10.2147/DDDT.S62912. PMID: 25653499; PMCID: PMC4307650.
エビデンス三角
システマティックレビューです。発表されている論文を批判的にレビューアが吟味する最上級の論文において、鬱病のセロトニン不足説を破棄すべきと結論

現行の鬱病モデルが社会通念としてまかり通っていることを知る必要がある

鬱病は1990年代から疾患喧伝(※しっかんけんでん、disease mongering)により「うつ病は、こころの風邪です」「薬を飲めば治ります」という観念が醸成されました。

※製薬会社や医療関係者が、ある病気について大規模な啓発活動を行うこと。様々な弊害を招きうる病気作りの行為として、しばしば批判的に用いられる ~imidasより~

いろいろな可能性
鬱病は薬物療法が唯一の考えかたではない

腰痛と鬱病の共通点

鬱状態も腰痛も生産的でない状態

近年のさまざまな研究により、慢性腰痛と鬱病の共通項が多くあげられています。賛否ありますが、慢性腰痛の処方薬にサインバルタという抗うつ薬が処方されるようになった背景がここにあります。

前頭葉の不活性化や、脳や全身性の微細な炎症です。そして鬱病も慢性腰痛も生物心理社会モデルで考える時代です。

1996年の研究 心理的苦痛と身体症状に強い相関

心理的苦痛に関連する身体症状の国際的な違いを調査。

一般医療における心理的問題に関する世界保健機関(WHO)の共同研究(15か所で5438人の患者)のデータを使用して心理的苦痛に関連する身体症状を調査。

結果:現在の身体症状の数(医学的に説明可能か否かに関係なく)は、現在の心理的苦痛と強く関連

身体症状数と心理的苦痛スコアは相関しており、不安と抑うつ症状は身体症状数とほぼ関連し、特定の身体症状または症状クラスターは不安、抑うつと異なる関連ではない。

これらのデータは身体症状と心理的苦痛とに強い関連があることを示す。

Simon G, Gater R, Kisely S, Piccinelli M. Somatic symptoms of distress: an international primary care study. Psychosom Med. 1996 Sep-Oct;58(5):481-8. doi: 10.1097/00006842-199609000-00010. PMID: 8902899.

これは鶏卵問題とも言えますが、どちらが先にあったかは分かりませんが腰痛と鬱病が併存していることは少なくありません。ですから複数要因の一つが腰痛である可能性もあります。

女性医師

ご覧のように、身体の痛みと心理的苦痛は強い関連がありますから、カイロプラクティックのような筋骨格系アプローチは代替医療で手助けができる可能性があります。

最初にこのレビューは抗うつ薬の効果を否定するものではないことを強調します。その上で考えねばならないのは、現在多くの精神科医は生物心理社会モデルを信奉しており、単純な「脳の化学的不均衡」説を信奉する人はほぼ居ない。

「化学的不均衡」によるうつ病の概念は時代遅れでSSRI抗うつ薬が、セロトニンレベルを上昇させるわけではない。SSRIの即時作用は、ニューロンの内側と外側のセロトニン濃度のバランスを変え、結果として後に起こるニューロン機能のより複雑な変化が出る可能性がある。

SSRIは重度の鬱病には効果があるので、その点は重要です。ほとんどの抗うつ薬は少なくとも最初、モノアミン神経伝達物質の機能を標的にしてセロトニンまたはノルアドレナリンの利用可能性を増加させる。(Harmer et al、2017)これらの変化は早期に起こり始めるが臨床的改善と治療効果には数週間かかる場合がある。

初期の生理学的効果と心理的機能のいくつかの側面に影響を及す。抑うつ症状の改善に関連する脳領域の機能の変化を誘発する可能性がある。動物実験では、それらは脳細胞の数と機能、およびそれらの間の接続を増加させることが示されている。薬物投与の数時間以内に感情的な情報の処理に影響を及ぼす。

うつ病は、人が世界を見て情報を処理する方法において「ネガティブバイアス」と関連していることがよくある。認知行動療法は、自動思考に挑戦することで部分的に機能し、うつ病の認知バイアスは抗うつ薬によって改善することもある。

抗うつ薬はうつ病の症状を治療することはできますが、根本的な心理社会的原因に直接対処することはできないことを認識することが重要です。そのため、抗うつ薬の使用は、困難な生活状況に対処する患者の能力を向上させることができる心理療法と組み合わされることがよくある。

JULY 20, 2022
expert reaction to a review paper on the ‘serotonin theory of depression’

背景に発達障害がある場合も

近年メディアでも盛んに取り上げられている「発達障害」。3つに大別するとASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(学習障害)、AD/HD(注意欠陥多動性障害)に分けられます。

背景にこのような傾向がある場合、社会的な立場が脆弱になり結果的に「鬱・不安」が状態化することもあります。

発達障害に関しても各個人、社会との兼ね合いでグラデーションになっているものです。それらの事も加味しながら解決策を模索してく必要があると思います。

私自身は発達障害は病気ではなく、脳の特性、個性の一つだという立場です。

鬱は「人生の危機」での正常反応

うつ病は昔からある疾患概念で自然回復の報告

抑鬱状態という疾患概念は1970年代までのすべての研究で特別な介入をしなくても自然な経過を経てほぼ完全に回復すると報告されています。

つまりもともとは社会生活の中で時間が解決してくれるものであったということです。ただし社会的な背景、教育の変化、価値観の変容など一概に言えない部分もあると思います。

1980年代に何が変わったのか?何がこんなに抑鬱治療を長引かせ、難しくさせているのか?

’’人生の危機’’は薬で乗り越えられない

人生の危機とは大げさに聞こえるかもしれませんが、誰しもが人生で1度や2度は、挫折、ご自身が思い描いていた未来との乖離に悩むことはあります。一つの表現として「人生の危機」があります。

上記のレビューにあるように、薬物療法ではこの根本的な心理社会的原因に直接対処することはできないことを認識することが重要としっかり書いてあります。

薬は根本治療ではない、ということです。

時代がデジタルになり、人間の思考も以前と比較してデジタルになりがちですが、人間社会は複雑で、人間も複雑です。鬱病の考え方が違っていれば当然長引きます。安易に中長期的に薬物を利用していくと依存症になります。

抑うつ症状が”人生の危機”で表れる正常な反応だとしたら、薬物の作用で問題は起こらないだろうか?

年単位で惰性で向精神薬を処方され続けば薬物の副作用によって苦しむ結果になるかもしれません。人間には危機を乗り越えたり、回避したりする能力があります。我々の祖先はそうやって困難を乗り越えてきました。

よく「神様は各個人に乗り越える問題を提示してくれている」といいますが、そのような考え方も生きぬく知恵の一つだと思います。

多くの人が人生の中で一度や二度は経験する「人生の危機」を、脳内物質の不足が原因という捉え方をしていると社会的な状況は改善しようがありません。人間は社会的な動物です。

人間社会というのは良いことばかりではありません。思った通りにならなかったり、目標が高くて達成できなかったり、信用している人に裏切られたりなどなど、残酷な面もあるでしょう。

『人生の危機』を感じた時に、人は不安になり、抑うつになります。それは正常な人間の反応です。

人生の危機を乗り越えてるのは周囲のサポート、環境、体力、栄養など、これまで人類が乗り越えてきたようにコミュニティが大切になります。この不安や抑うつを医学では‘’気分障害‘’と言っているにすぎません。

考え方をあらためる

「薬物治療で何とかしよう、何とかなるだろう」というの考え方そのものが回復を遅らせ、状況を悪化させています。

薬物治療の根拠、モノアミン仮説の崩壊
『統合失調症は脳内のドーパミン過剰で起きる』『鬱はセロトニンの不足で起きる』『ADHDはドーパミンやアドレナリンの不足で起きる』これらの治療薬は、その根拠としてこれらのモノアミン仮説と呼ばれる仮説に従って開発、認可されています。

しかしながら半世紀以上に及ぶ研究を経た現在でも、統合失調症患者のドーパミンが過剰であることも、気分の落ち込み患者のセロトニンが不足であることも、ADHD患者のドーパミンやアドレナリンが不足していることも証明されてはいないのです。

(全国オルタナティブ協議会 減断薬読本より)

薬は病気(disease)を治療するのか?

当院YouTubeの鬱リスト

病気を表す英語diseaseは否定disと安心easyが語源です。つまり安心感が欠如した状態が病気です。では人間社会で生活する上で何が安心感を与えてくれるのでしょうか?

お金や安定した職業も安心感を与えてくれるでしょう。しかしお金や安定そうに見える職業でも心を患っている方もいらっしゃいます。絶対的ではないということです。

鬱病の「生物学的な診断方法」は確立していない

先のモノアミン仮説、つまり脳内物質の不足が鬱病の原因とする考え方でさらに付け足す必要があることは、実は精神疾患の生物学的な診断方法は確立していません。

通常、疾患といいますと炎症マーカーが高い、血糖値が高い、心電図に異常がある、など客観的データがあって初めて疾患であると言えるのですが、鬱病に関してはそれがない。

血液検査のようなはっきりとした数値で精神状態を解釈できるものが一つもありません。ただ最近では炎症性マーカーの関連が可能性として出てきている。

白血球の分画である好中球とリンパ球の比(NLR)の値が、男性のうつ症状と独立して関連しているとする研究結果が報告された。弘前大学大学院医学研究科麻酔科学講座の木下裕貴氏らの研究によるもので、詳細は「Scientific Reports」に6月3日掲載された。同氏らは、NLRが男性のうつ状態の簡便なマーカーになり得るかも。男性のNLRは、うつ症状のない群が中央値1.54、うつ症状のある群が同1.76であり、後者の方が有意に高かった。

Kinoshita H, Takekawa D, Kudo T, Sawada K, Mikami T, Hirota K. Higher neutrophil-lymphocyte ratio is associated with depressive symptoms in Japanese general male population. Sci Rep. 2022 Jun 3;12(1):9268. doi: 10.1038/s41598-022-13562-x. Erratum in: Sci Rep. 2022 Jul 11;12(1):11770. PMID: 35661149; PMCID: PMC9166769.

ただしこれも先述のとおり、いまのところは複合的要因の一つとして解釈しておくべきでしょう。

薬物治療は、あくまで行動や症状に対する対症療法でしかなく、抑うつを感じなくしているだけです。(勿論それで良いという考え方もありますが)

安易な薬使用に警鐘 気分の落ち込み多様化

日本うつ病学会が、多様化する気分の落ち込みを適切に治療するための医師向け指針をまとめた。
次々に開発されている抗うつ薬の有効性や副作用に関する情報を盛り込み、軽症者の安易な薬物療法に警鐘を鳴らしたのが特徴。

急増している患者の多くは軽症か、診断基準以下の「抑うつ状態」と推測される。

軽症者に抗うつ薬の使用を始めるには、焦燥感や不安感の増大などの副作用に注意して、少量から始めることを原則とする。「安易に薬物療法を行うことは厳に慎まなければならない」と強調。

2012年共同通信社 7月27日(金) 配信

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