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カイロプラクティックのアイデンティティともいえる用語に「サブラクセーション=subluxation」があります。このサブラクセーションは日本語にすると亜脱臼と訳されます。
現在では非科学的であると医学会から標的にされていますが、1970年代の医学文献には腰痛、下肢痛の原因であると表記されている用語です。
またカイロ業界内でも当初から議論がずっと続いている用語でもあります。理由は難解でわかりづらいからです。
とはいえ、カイロプラクティックの臨床の中心にあるのがサブラクセーションです。なぜならカイロプラクティックという職業の基礎とは、徒手療法で治療される第一病変、すなわちサブラクセーションを取り除くことだとされているからです。
この点はカイロプラクティックが誕生した経緯とも関係しています。
カイロプラクターは症状を治療するのではなく、サブラクセーションを取り除くのをコンセプトとしています。
このページでは
を解説していきます。
サブラクセーションは
狭い意味では「背骨の分節間における、解剖学的、生体力学的 神経生理学的の変調」
広い意味では「環境適応障害」
のことをカイロプラクティックでは言います。
カイロプラクティックに関わりがある方以外は馴染みの無い単語ばかりですから、順を追って丁寧に解説していきます。
このページを読むことで、上記の広義、狭義においてのカイロプラクティックサブラクセーションを理解して頂けると思います。諦めないで読み通していただけると嬉しいです。
このサブラクセーションという言葉は文献に残っており確認されているのは1746年にHieronymiという内科医が使用しており「脊椎のわずかな不整列と可動性の減少」をそう呼んでいる。(Lomax,1975)
また1820年にはイギリス人医師エドワード・ハリソンが「サブラクセーションによって脊髄が圧迫され、その結果その部位の器官に通じている神経が障害を受ける」と記している(Lomax,1975)
先ずサブラクセーションの定義ですが、世界保健機関が定めた「カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイドライン」の中に出てくる定義をご紹介します。
こちらは狭義においてのサブラクセーションの意味になります。
「関節面間の接触は保たれているが、アライメント、動きの統一性、および(あるいは)生理学的機能が変化している、関節あるいは運動分節の障害もしくは機能不全。これは本質として機能的なものであり、生体力学的および神経学的な統合に影響しうる。」
公益社団法人 日本WHO協会 日本語で読めるWHO報告書 カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関する WHOガイドライン(日本カイロプラクターズ協会 )
ちょっと、いや かなり解かりづらいです。私も学生の頃「?」がいくつも並んだのを覚えています。丁寧に解説しますね。
先ず肝になる部分は、太文字にした関節あるいは運動分節の障害もしくは機能不全 です。
原文ですと以下のようになります。
【参考サイト】https://apps.who.int/iris/handle/10665/43352
A lesion or dysfunction in a joint or motion segment in which alignment, movement
integrity and/or physiological function are altered, although contact between joint
surfaces remains intact. It is essentially a functional entity, which may influence
biomechanical and neural integrity.
では一体どんな状態の 関節機能不全 を言っているのか? 最初の文言からみていきましょう。
「関節面間の接触は保たれているが、アライメント、動きの統一性、および(あるいは)生理学的機能が変化している」
写真は背骨の関節を横から見たところですが、この関節は上下の2つの骨の関節突起と呼ばれる部分で出来ています。この接触が保たれているということです。(これと違い、接触が保たれていない状態は脱臼=luxation)
写真で〇で囲んである所が、関節面が接触している部分です。この関節面は接触しているということです。定義では背骨の関節に限ってはいません。肩だったり、膝の関節でも当てはまります。
つまり関節が外れていないのだけど、
アライメントとは:alignment=背骨1個1個を並べて構造上の列になっているもの。図の黄色いラインをつなげた線のことです。
いわゆる背骨をいくつかつなげて見た時の見た目、全体のラインが 変化している、通常ではない ということです。
日本では画像診断は行われないのが通常ですが、カイロプラクターは触診能力に長けていますので、アラインメントのどの部分に変化が起きているのかは直ぐに見当がつきます。
動きの統一性は、例えば図のように(頭頚部を後ろから見たところ)頭を左に倒した時に頚椎の棘突起は連続して矢印のように動きます。
サブラクセーションがあると、この連続した動きに変化がおこります。
その連動性がさまたげられていたり、背骨の動きがちぐはぐになっている状態を言っています。
図では頚椎ですが、胸椎でも腰椎でもおきえますし、肩関節、股関節、足首の関節など、どこでも起きます。足首で有名なのはランナーの方なら聞いたことある「プロネーション」も動きの統一性 の一つです。
カイロプラクティック・テクニック総覧 Thomas F.Bergmann,David H.Peterson,Dana J.Lawrence 監訳 竹谷内宏明・仲野弥和 P218より抜粋
および は同格で 主に名詞相互をつなぎ、それらの指すものに一括して言及する意を表しますから
「ならびに。かつ。…も…もみな。」と同じ意味になります。
ですから、およびを選択した場合、
背骨の何らかの変化 かつ からだの働きの変化もある となります。
あるいは(或いは)は →同種の事柄のうちどれか一つを指す ので
或いはを選択した場合、
背骨のラインや動きの統一性 は保たれているが、からだの働きが変化している となります。例えば背骨の全体的な柔軟性、可動域が低下傾向の時に睡眠の質が落ちたりするなど。
生理学は生体またはその器官、細胞などの機能を研究する学問。
広辞苑
生理学は範囲が広いです。からだの働きすべてを研究するものです。
からだの働きの変化は大きいものから小さいものまで様々です。大きなものでは眠れないとか、内臓の働きが良くない、痛みもそうですし、感覚異常や、力が入りづらい、小さなものですと目の瞳孔反射のスピードが遅い、筋肉反射の低下など、生理学で説明できることすべての変化です。
肝の部分です。言葉の意味を明確にしてから、4つの文章をつくります。
関節は大丈夫ですね。
黄色の線に囲われた部分を、背骨の運動分節と言います。この場合は腰椎3番.4番で構成されています。骨と椎間板と、模型にはない靭帯や、関節包、場合によっては多裂筋、脊髄硬膜、交感神経神経節などをも含みます。
運動分節は運動の機能単位です。(脊椎モーション・セグメント:2つの隣接した椎体と、それをつなぐ結合組織からなる機能単位)
以上のことから、以下の4パターンが肝の部分の解説です。
何で関節だけでなく、もしくは運動分節と分けて書いているかというと、ひとつは運動分節だけだと背骨だけになってしまうから。
また症状や生理学的変化をおこしうる背骨の構造は当然関節だけでなく、周囲の構造も含むからです。背骨の中にも血管がありますし細かい神経の走行もあります。
本質はあるものを成り立たせているそのものの独自の性質。サブラクセーションはそのものとして成り立たせているものが 「役割、はたらき」 であると言っているわけです。
機能的の対義語は形態上(形、ありさま=解剖学上)になります。
機能は、はたらき、相互に関連しあって全体を構成している各要素や部分がゆうする固有な役割。また、その役割を果たすこと。
だからサブラクセーションを主語にした場合、サブラクセーションの働きは運動分節の動き、自律神経症状を出すこと、痛み、不快感を出します、などと言えるわけです。
ですから解剖学的に「ズレてる」ということではないのです。
生体力学的:人間や動物のからだは常に力学的環境下におかれており,その運動は体内の運動を含むすべてが力学の法則に従ってなされる。生体力学とは,このような生体の運動と運動に関係する生体の構造を,主として力学的な視点に立って研究する学問領域
および:は同格で 主に名詞相互をつなぎ、それらの指すものに一括して言及する意を表す。
「ならびに。かつ。…も…もみな。」と同じ意味
神経学的な統合とありますが、原文ではneural integrity となっているので、神経系の完全な状態に影響しうる、つまり絶対に影響するわけではないが… というほうがいいかもしれません。
神経学:neurologyで:神経および神経系の科学、特にそれらに影響を与える疾患の科学 です。
「サブラクセーションと呼ばれる障害」は形態上(解剖学上)のものでなく、性質は役割り的なもので、人間が動く時の正常な関節運動に影響するし、神経系の完全な状態に影響するかもしれない、影響する可能性がある
と言っているわけです。
ふー。
この非常に解りづらい、場合によって条件が変わってくる(および、または、あるいはを使うので=後述します) 関節あるいは運動分節の障害 に 特に注目しているのがカイロプラクティックです。
これを踏まえてもう一度、定義を記します。
サブラクセーションにとは「関節面間の接触は保たれているが、アライメント、動きの統一性、および(あるいは)生理学的機能が変化している、関節あるいは運動分節の障害もしくは機能不全。これは本質として機能的なものであり、生体力学的および神経学的な統合に影響しうる。」
公益社団法人 日本WHO協会 日本語で読めるWHO報告書 カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関する WHOガイドライン(日本カイロプラクターズ協会 )
お疲れさまです。
このサブラクセーションという概念を無くせばいいという考えも歴史上ありましたが、そうするとカイロプラクティックという職業はなくても良くなります。だってオステオパスや理学療法士の先生方も、脊椎マニピュレーションをおこないます。
カイロプラクティックという職業を維持していく上でsublxationが重要なことが以下の論文からも伺えます。
脊椎亜脱臼に焦点を当ててカイロプラクティックの専門職を特定することは、他の医療専門職によって複製されない専門職の独自性を与え、したがって、医療専門職としてのカイロプラクティックの存在を正当化する可能性があります。
椎骨の亜脱臼に焦点を当てているアイデンティティは、カイロプラクティック専門職の創設の当初の意図とも一致します。
Analysis and Adjustment of Vertebral Subluxation as a Separate and Distinct Identity for the Chiropractic Profession: A Commentary,JohnHartDC, MHSc
しかしこのサブラクセーションという概念がどれだけカイロプラクターを苦しめ、嘲笑の的にされてきたことか…
さて次に「昔は整形外科医がサブラクセーションが腰痛の原因と言っていた」「サブラクセーションの定義が変わる!?」と続けてお送りします。
さて難解なサブラクセーション解説のあとは、すっきりいきましょう!
メリデル・ガッターマン原著 「サブラクセーション」に興味深い一説があります。
医学の世界でも X 線写真の出現以前はカイロプラクターの言うマニピュレーション反応性病変にサブラクセーションと言う用語が出ていたし、現在でも使っている(少なくとも1977年までは)。
次はその例である
仙腸関節サブラクセーションとは靭帯の過度の伸長によって腸骨が仙骨上で滑る状態を指す。
両関節表面の隆起は互いに噛み合わなくなり、靭帯の緊張、強度の反射性けいれん及び持続的な激痛が効果的な整復が施されるまで続く。
変位はごくわずかなので X 線上では確認し難い…サブラクセーションによる疼痛は、マニュピレーションによって劇的かつ一瞬のうちに改善することが多い
Orthopaedic principles and their application, 3rd Edn Lippincott SL Turek – 1977 – Philadelphia
アメリカでは、いまX線撮影で確認できないと、サブラクセーションとしてはいけないという括りになっているみたいですけど…
ここからは翻訳機での翻訳ですので、意味合いが違っているかもしれませんので、ご了承ください。
サブラクセーションは各国、各州の政策や法律で文書化されており、それをを支える強力な科学的証拠があると考えられ、今後の研究の優先度が高いと考えられています。(以下のPDFを参照)
https://spinalresearch.com.au/wp-content/uploads/2017/06/The-Vertebral-Subluxation.pdf
しかし、カイロプラクティックの専門家の間では次のことが言われています。
哲学的に整合性があり、実際に使用可能で、研究で検証可能なモデルである椎体脱臼(サブラクセーション)を適切に定義する必要性が明らかであると言われています。
事実と理論が合っていないとしたら、捨てるのは理論の方。
アガサ・クリスティー
2017年2月、財団の理事会は、”亜脱臼の明確な理解 “というビジョンに一歩近づくために、今後5年間の戦略計画を発表。財団の研究課題の最初の部分は、研究で使用可能であり、実践に翻訳可能な椎骨亜脱臼の概念的な定義を開発すること。
ここにテこの文言を読むと、2022年中には新しい椎骨サブラクセーションの概念的定義が発表されることになります。
専門家に相談する中で、財団は、椎体亜脱臼の過去の定義は、次のいずれかのために適していないと助言された
a)椎体亜脱臼の検証可能なモデルを許可していない、および/または/あるいは/もしくは
b)それらが反映されている科学はもはや現在ではない、および/または/あるいは/もしくは
c)それらは実践に翻訳可能ではない。
この部分はこのページでさんざん解説して皆さんもお感じになったところです。皆さんが一読されて何とも難解であったように、科学的に実験するのに適していないということです。
椎体亜脱臼の概念的な定義を最善のものにするために、当財団は、定義の要件として以下を考慮すべきであると助言された。
この様子ですと 再定義されそうですね。- 運用上の定義ではなく より全体的な影響を含む-とされています。
– それ自体が人のバイタリスティックな性質(自己認識、自己組織化、自己治癒の性質)への影響を指定するべきではありません。と注意もされています。
古今東西世界中のカイロプラクターを悩ませ、論争を引き起こし、医学からは嘲笑の的にされてきたカイロプラクティック・サブラクセーションが、全く新しい方向から光が向けられるのかもしれません。
1. 人の全体的な状態
2. エネルギーシステムの表現と効率 – またはコヒーレンス。
コヒアランスは心理学でも使うと思います。心理学では首尾一貫性は抗鬱・不安に必要な要素だと言われています。
[sense of coherence]【心】ストレス要因をポジティブ(肯定的)に解釈して適応・対処するパーソナリティー(人格)特性のこと.首尾一貫感覚ともいう.
imidasより
研究課題の目的のために、オーストラリア脊椎研究財団は、現在このように仮定義している。
“椎骨亜脱臼(サブラクセーション)とは、コヒアレンスの低下、生体力学的機能の変化、神経学的機能の変化、適応性の変化からなる、存在感の低下した状態のことである。
ほほう、存在感の低下とは面白くなってきましたね!!
しかもその要素の一つに一貫性のなさ、適応性の変化が含まれているのは非常に興味深い。どのように検査し、どのようにアウトカムを出すのか?
私が鬱病をキッカケにカイロプラクティックを学んできたことが、しっくり繋がるような雰囲気さえ漂っています。これは期待します。
続報が入り次第、改訂していきますのでご期待ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。