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伊藤孝英
院長
ロイヤルメルボルン工科大学健康科学部カイロプラクティック学科日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛から生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジ。鬱や不安障害にも着目したマルチモデルで腰痛ケアを行っています。

クアトロ療法(筋骨格系のマルチモデル療法)

筋骨格系治療もマルチモデルで行われることが世界的に推奨されています。当院で取り組めることを中心に書いていきます。

そのまんまサンシャインが取りくんでいる代替心身医療の取り組みがクアトロ療法です。筋骨格系、特に慢性疼痛のケアには複数のモデルで対応したほうが効果を得やすいです。

クアトロ療法というと、何か非常に効率的な療法が開発されたように聞こえるかもしれませんが、科学的に効果的なことを一つ一つ突き詰めて見えてきたものは、とても人間臭い取りくみになるのだと感じています。

たとえば腰痛ひとつをとってみても、カイロプラクターが背骨の歪みが原因だとか、原因はストレスだ、筋膜だとそれぞれ原因をあげてみても、それらの既存の枠組みは問題の一面しかとらえていません。

各国の腰痛診療ガイドラインをみてみると判りますが、さまざまな治療法の推奨がB,C,Dとなっています。意外と皆さん知らないのが、腰痛治療に推奨度Aの誰にでも効果的な治療法は地球上存在しません。

つまり良くてB,ほとんどがCかDです。

言いかえるとある治療法は、ある人にとっては効果的であっても、全然効果を感じない人も当然いるという事です。

オーストラリアで作られたアニメーションビデオ

さまざまな療法を組み合わせて、総合的なエクスペリエンスを提案しています。他では体験できないソリューション重視の姿勢で業務にあたっています。

病人そのものを診る

『病気を診ずして病人を診よ』という言葉は東京慈恵会医科大学の創立者、高木兼寛氏の言葉ですが、カイロプラクティックの恩師である竹谷内一よし氏も同じ意見でした。

来院者の病気を診るのではなく、その人そのものを診る。さまざま病態がありますが綺麗に線引きできるものは少ないのではないでしょうか。

西洋医学では物事を細分化して整理していきますが、カイロプラクティックは全体を整理していきます。どのような健康状態の方でもグラデーションになっており、はっきりと線引きできないというのが現実です。

効果的な療法を組み合わせ、脳を再教育していく

個人のカイロプラクティック治療院なので総合病院での集学的リハビリテーションとの差はありますが、可能な限りの対応をしています。

限界も勿論ありますが、もともとカイロプラクターは健康全般のジェネラリストとしての教育を受けていますので、さまざまな観点からのケアが可能です。

日本痛み財団の慢性痛への集学的リハビリテーションの解説

カイロプラクティック

カイロプラクティックは腰痛や首痛など筋骨格系に効果がある手技療法です。急性腰痛や亜急性腰痛、慢性腰痛などに確固たるエビデンスがあります。

さらに運動療法を加えることでカイロプラクティックの施術効果は促進していくことも質の高いエビデンスで保証されています。

Lawrence DJ, Meeker W, Branson R, Bronfort G, Cates JR, Haas M, Haneline M, Micozzi M, Updyke W, Mootz R, Triano JJ, Hawk C. Chiropractic management of low back pain and low back-related leg complaints: a literature synthesis. J Manipulative Physiol Ther. 2008 Nov-Dec;31(9):659-74. doi: 10.1016/j.jmpt.2008.10.007. PMID: 19028250.

しかしカイロプラクティックも魔法ではないので、全部の腰痛に対応しきれるものではありません。

これはカイロプラクティックが日常的に行われているアメリカでさえ、腰痛や首痛疾患による支出が増えていることを考えれば判ると思います。

(US Health Care Spending by Payer and Health Condition, 1996-2016)https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2762309

例えばイエローフラッグと呼ばれる心理社会的的ストレス要因が大きいと急性の腰痛が回復にむかいづらい、また慢性痛に移行しやすいというエビデンスがあります。このような心理状態、社会的な状況にある場合は、そのストレス要因に向き合っていくほうが効果的であることも解っています。

6か月以上ある慢性の痛みは気分がすぐれなかったり不安傾向があるといった何らかの精神的な症状を抱える状態になっています

その場合は「認知行動療法」を取り入れることで腰痛などの体の痛み、苦痛体験が改善に向かうことも解っています。慢性痛は脳を深くかかわっているため心理療法が有効なわけです。

背骨周囲の痛みは肉体の痛みと精神的な痛みが併存する場所です。人間の体のことは解っていることもあればまだ、解明されていないことも多いです。

また精神的なケアをフィジカル面から行った場合の研究も出てきています。

オステオパシーの研究になりますが、背骨の調整や筋肉操作を続けていくことで精神的にも楽になることがエビデンスとして出てきていますが、心理的な側面からもアプローチしてあげることも一つの方法です。

(International Journal of Osteopathic Medicine Volume 27, March 2018, Pages 23-33) https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S174606891630116X

オーソドックスな薬物療法や心理療法に効果が無い方は、フィジカル面の機能を上げることも一つの方法です。

運動療法で再教育(背骨のリハビリテーション)

運動療法を処方して、すんなり回数をこなしてくださる方は順調に回復に向かいます。リハビリテーションの考えでは毎日1.2時間のリハビリ時間を持つことで、2.3か月経過する中で少しずつ神経が新しい動きを覚えます。

腰痛から解放されていくには、それくらいの心構えで毎日運動療法をしていく必要があるのですが、ご自宅で一人で行うことができない方は快復に向かうことは困難です。

認知行動療法で認知、運動系の再教育

慢性疼痛のある患者さんは多くの場合、間違った痛みの解釈、睡眠の問題、体重管理の問題、食事、栄養素の問題を抱えています。

それらの不健康な習慣を認知行動療法で少しずつ修正をしていきます。

膝を抱える女性
認知行動療法

当初は腰痛に認知行動療法を行っている施設は日本にはなく、認知行動療法を勉強したそのままを腰痛患者さんに行っておりました。欧米で行われているのは「認知行動療法に基づく運動療法」であることを知り適宜改良して現在に至ります。

2019年2月の系統的レビューにおいても理学療法+認知行動療法の方が痛みや生活困難動作の改善、生活の質の改善おいても理学療法のみより優れいてることが明らかになっています

Hajihasani A, Rouhani M, Salavati M, Hedayati R, Kahlaee AH. The Influence of Cognitive Behavioral Therapy on Pain, Quality of Life, and Depression in Patients Receiving Physical Therapy for Chronic Low Back Pain: A Systematic Review. PM R. 2019 Feb;11(2):167-176. doi: 10.1016/j.pmrj.2018.09.029. Epub 2019 Feb 11. PMID: 30266349.

マイオセラピー

マイオセラピーは大学の同僚が取り入れていて、一度施術を受けてみたときに「根本治療だな」と感じ暫くして導入しました。その後時代が「筋膜」にスポットを当てるようになりマイオセラピーを取り入れたことが正解だったと実感します。

背骨まわりの深層筋の筋硬結除去に特効を表します。腰に筋肉の塊がある方はおためし頂きたい療法です。マイオセラピーは医学博士辻井洋一郎により開発された療法です。

回復への道はひとそれぞれ

山歩きをする男性
回復への道はひとそれぞれ

人生を歩む道は人それぞれといいます。なんらかの症状からの回復も人それぞれだと思います。

初めて代替医療をご利用になる場合や急性腰痛など急性の症状ならカイロプラクティックだけで充分でしょう。

数か月単位の慢性症状ならばカイロプラクティックと運動療法を加える必要があります。何年もあるような頑固な症状ならば部分的にでもマイオバイブを使用する方が解りやすいと思います。

精神的苦痛や生活スタイルが極端に乱れている場合、認知行動療法が大きな手助けになるでしょう。

マイオセラピーを選択する方は、世のさまざまな療法を受けて来られて大きな効果を感じなかった方です。万策尽きて困っている方には根本治療としてお勧めしています。

アイデアを出し続けています

ここに書かれていない方法も日々探っています。個々の患者さんと向き合うこと、最新の情報を取り入れることで良いアイデアをいつでも引き出していきます。

他の治療院にはないアイデアを一緒に生み出していきましょう。これまでに豊富なアイデアが生まれています。