ランニングをしていると歳のせいか膝が痛く感じることがある。高校の時までは運動をしていたが、おじさん化してから再び運動を始めて張り切って痛めるパターンは良くあるし、私自身もその一人です。
特にマラソン練習なんかで距離を積んでいくと、股関節をしっかり使ったフォーム出なければその分膝に非常に負担がかかりやすく膝の内側とか外側などが痛くなります。
ただ、感覚的には膝の中が痛く感じることも少なくないと思います。これらは私の拙い経験からすると、着地の時の負荷が人によってどこにかかるかわけですが、人によって負担が来る部位が違うのだと思います。
中には膝の軟骨を痛めたのではないか?軟骨がすり減ってしまったのではないか?と膝軟骨に影響がある方もあると思います。
現存する多くの情報、テレビコマーシャル、医学的な言い回しではあるのですけれども、どうも最近の研究では、ランニングによる膝の軟骨組織への負担は一過性でランニング後一時間半ぐらいすると軟骨の厚みは元に戻るっていうMRIでの研究のメタ解析がでました。
ですから50歳過ぎのランナーも基本的にはランニングによる軟骨のダメージは気にしなくても良いと思います。
ランニングと膝軟骨の変化に関するメタ解析
Coburn SL, Crossley KM, Kemp JL, Warden SJ, West TJ, Bruder AM, Mentiplay BF, Culvenor AG. Is running good or bad for your knees? A systematic review and meta-analysis of cartilage morphology and composition changes in the tibiofemoral and patellofemoral joints. Osteoarthritis Cartilage. 2023 Feb;31(2):144-157. doi: 10.1016/j.joca.2022.09.013. Epub 2022 Nov 17. PMID: 36402349.
- 目的:ランニングによる膝軟骨への影響をMRIで評価した研究を系統的に分析する。
- 方法:ランニング前後48時間以内の軟骨変化をMRIで測定した研究24件(膝関節446個)を対象とした。軟骨の厚み、量、T1ρ、T2緩和時間などを指標とした。
- 結果:ランニング直後、軟骨の厚みと量は3.3%~4.9%減少し、T1ρとT2緩和時間も短縮した。脛大腿骨軟骨のT2緩和時間は91分で回復した。既存の軟骨欠損には影響なし。
- 結論:ランニングによる膝軟骨の変化は一過性であり、長期的な損傷はないと考えられる。
言い方を変えれば、ランニングの積み重ねで膝が痛くなるのは別の部位が痛みを出している可能性が高いです。勿論、もともと膝の軟骨高が減っている場合もあるかもしれませんし、筋肉や靭帯、関節包のダメージが続いて痛みを出していることも考えられます。