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伊藤孝英
院長
ロイヤルメルボルン工科大学健康科学部カイロプラクティック学科日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛から生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジ。鬱や不安障害にも着目したマルチモデルで腰痛ケアを行っています。

運動療法(アクティブケア)– 慢性疼痛管理に必要不可欠 –

運動療法は慢性的な筋骨格系症状(3~6か月以上)をコントロールするのに不可欠な療法です。

今日の社会では、一般的な慢性の病気を予防し治すためには活動することが有効であることは広く知られています。心血管系や運動系疾患、気分障害などの精神的疾患、悪性新生物の予防、代謝系疾患の予防など人間活動において活動は極めて重要な要素です。

アクティブケアの利点は生体力学的、神経生理学的、心理社会的、生化学的根拠においてあります。

腰痛などからの再活動化をケアの中心に置くことの理由は、痛みを持つ患者さんは「痛みの導きに従う」という態度をとりがちで、結果痛みの為に機能低下(ディコンディショニング)が起きるのを避けるためです。

上記のように機能低下(ディコンディショニング)はさまざまな疾患と関連しています。

患者が「腰が壊れている」など「病人」の役割を受け入れてしまうと、痛みが長引くことで活動と痛みの関係において否定的な受け止め方が強まります。

レントゲンやMRIで病変が検知されてしまうと「腰が悪い」、「腰痛と付き合っていくことを覚える必要がある」など患者さんの自己イメージの強化につながってしまいます。その結果ますます機能低下(ディコンディショニング)が進みます。

上記の理由から脊椎障害国際ガイドラインでは、ヘルスケア専門家にレッドフラッグが無い限り、その腰痛が悪性でないこと、徐々に活動を再開することの安全性と価値を患者さんに説明するよう求めています。

急性期、亜急性期、慢性期まで患者さんの活動再開促進が極めて重要な役割を果たすことに強力なエビデンスがあります

目次

慢性痛は自分で管理できるようにする

慢性の痛み(3か月以上)の管理は生物学的な原因だけではなくなるので、痛みをなくすというより「痛みを管理する」という姿勢で臨む必要がある

Hylands-White N, Duarte RV, Raphael JH. An overview of treatment approaches for chronic pain management. Rheumatol Int. 2017 Jan;37(1):29-42. doi: 10.1007/s00296-016-3481-8. Epub 2016 Apr 23. PMID: 27107994.

私は運動療法の専門家ではないので系統だったお話になっていないかもしれませんが、腰痛などの痛みのコントロール、体調を管理するという観点から書いています。

まず運動療法を何故それほど強調しているかというと、慢性的(3か月以上もしくは6カ月以上)の筋骨格系症状は運動療法を抜きにしてケアできません。

受け身の治療から能動的に自ら行う治療に移行していく図
施術をしてもらっても数日や数週間で戻ってしまうのは当然のこと。

とくに難治性の腰痛には、マントゥーマンの集学的リハビリテーションが有効です。

 3 か月以上持続する痛みがある274 人の患者 (平均年齢 42 歳、女性 71%) は慢性的で重度の筋骨格痛 (VAS 中央値 7/10、期間中央値 2.8 年) および中等度の活動障害があった。
 頻繁の介入は、痛み教育、感覚運動トレーニング、身体活動アドバイス、および構造/機能に対する介入 (たとえば手技療法、ストレッチ) で、5 か月間に9 セッション行った。
 過去の治療では難治性の患者のみ集められた研究だが 45% が痛みの臨床的に重要な改善。61% が活動障害改善、50%が退院時の全体的な健康状態の改善、これらの結果は 1 年後も続いた。
 個別化された教育、感覚運動トレーニング、身体活動のアドバイス、および構造/機能への介入を組み合わせた理学療法士主導の1対1のリハビリテーションプログラムは、痛み改善、活動障害改善、健康改善をもたらした。

 1年間のフォローアップで患者の半分。コホートは以前の治療に抵抗性の患者で構成されていたため、これらの結果は、慢性筋骨格痛患者のサブグループを特定するためのさらなる研究が必要。

Trulsson Schouenborg A, Rivano Fischer M, Bondesson E, Jöud A. Physiotherapist-led rehabilitation for patients with chronic musculoskeletal pain: interventions and promising long-term outcomes. BMC Musculoskelet Disord. 2021 Oct 28;22(1):910. doi: 10.1186/s12891-021-04780-x. PMID: 34711194; PMCID: PMC8555237.
そのまんま

理学療法士やカイロプラクターのマンツーマン指導が優れている点は、関節の動く方向を熟知しており、一つ一つの運動の意味、体現して欲しい個々の動きを丁寧に解説できる点にあります。

運動療法は慢性疼痛にどれくらいの効果があるのか

運動をしている方でも身体が痛いということもあると思います。

運動療法も万全ではありませんので、エビデンスを見る上で一番厳しい評価、そうです、あのコクランレビューではどのような事が言われているのか見ていきます。

こちらはマンツーマン指導ではなく、一般的な運動の効果です。

2017年のコクランレビューです。

慢性疼痛は、通常の組織治癒期間を超えて持続する疼痛と定義され、一般に 12 週以上続く痛みとされ活動障害、不安、うつ病、睡眠障害、生活の質の低下、医療費の原因となる。

慢性疼痛の成人の平均有病率は 20% 。長年にわたり、慢性疼痛の治療選択肢には、安静と不活動が推奨されてきたが、運動には慢性疼痛の重症度を軽減する特定の利点があるだけでなく、全体的な身体的および精神的健康と身体機能の改善に関連するより一般的な利点がある。

身体活動と運動プログラムは、さまざまな医療システムでますます促進され、提供されています.さまざまな慢性的な痛みの状態に対応している。

このコクランレビューでは381件のRCTと21件のレビューを通じて、有酸素運動、筋力、柔軟性、可動域、体幹またはバランスのトレーニング プログラム、ヨガ、ピラティス、太極拳の効果について調べた。

結果:慢性疼痛に対する身体活動と運動を調べるエビデンスの質は低い。

これは主に、サンプルサイズが小さく、研究が不十分である可能性があるためです。多くの研究では十分に長い介入が行われましたが、計画されたフォローアップは6件を除くすべてのレビューで1年未満に制限されていました。 低-中程度の効果で、レビュー全体で一貫性はなかった。

しかし心理的機能と生活の質にさまざまな効果があった。利用可能な証拠は、身体活動と運動が、痛みの重症度と身体機能、および結果としての生活の質を改善する可能性があり有害事象がほとんどない介入と示唆。

Geneen LJ, Moore RA, Clarke C, Martin D, Colvin LA, Smith BH. Physical activity and exercise for chronic pain in adults: an overview of Cochrane Reviews. Cochrane Database Syst Rev. 2017 Apr 24;4(4):CD011279. doi: 10.1002/14651858.CD011279.pub3. PMID: 28436583; PMCID: PMC5461882.

これを見る限り、慢性疼痛のある方への運動療法は1年以上の追跡研究はないものの、その1年以内の効果で確実に言えるのは心理的側面と生活の質=QOLの向上です。そして肝心の痛みについてはエビデンスの質は低いものの、低~中程度の効果は望めそうです。

ですから単に慢性痛のコントロールという神経生理学的点からだけでなく、ディコンディショニングによる心理的、社会的な損害、損失を防ぐことが確実に言えるわけです。

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