顎の下から後頭部への痛み

顎の下あたりから後頭部にかけて何とも言えない痛みを感じることがあります。頭痛とも言えないし、歯の痛みとも言えない。

多くの場合は心配になり脳ドッグや、歯科に相談することになります。

解決しない場合は、何が原因かを考える必要があります。カイロプラクティックの症例を通して他の要因を探っていくページになります。1部分でも参考になれば幸いです。

目次

10年来の「顎の下から後頭部への痛み」に悩むケース

10年程前から顎の痛み、頭の中の方の痛み、後頭部の奥の痛みが四六時中ある50代女性が来院。

これまでに針やマッサージ、整体、歯科治療、顎の外科手術などありとあらゆる治療を受けて来た。

さまざま医療機関を経てカイロを受診

そのまんま

カイロプラクティックは日本では知らない方も多く、最後の砦になってしまっていることが多いですが、欧米では筋骨格系のスペシャリストとして知られています。

WHO基準のカイロプラクティックの存在を知っている方はまだ少ないのですが、カイロプラクティックの教育基準を満たしたカイロプラクターがおこなうカイロプラクティックです。筋骨格系のあれこれを系統だって教育を受けていますので、一通りの筋骨格系障害はカバーできる知識を有しています。

精神面へのアプローチ:長期にわたる抑鬱傾向と慢性痛の関連

訴え:10年以上の抑鬱傾向がある。3か月以上ストレスがあれば慢性的にストレスにさらされています。

痛みと直接関係のある抑鬱があるので症状と密接に関係しているであろうことがうかがわれる。ただし今回は本人の意向もあり精神的な尺度からの検査はおこなっていない。

そのまんま

3か月以上ある慢性症状は、何等かの精神的影響が出ていることが一般的で、基本的にはストレスのチェックなどを初診時に行うのが望ましいです。

とは言え患者さまは筋骨格系の問題だと認識して来院なさることが多く、プライベートのことを初診時から話しずらいのも分かりますので、無理にはお伺いしません。

片鼻の通りと症状の関連:全身的な複数の訴え

  • 顎~後頭部にかけてのの症状がある時は、右鼻もとおりが悪くスッキリしない。
  • 耳鼻咽喉科でレーザー手術を受けるのだが症状が出る時は何故か出る

この辺りは人によって言うことも違いますし、エビデンスがあるわけではなく、復訴としてメモしておきます。一般的に鬱の方は身体の複数部分に症状を訴える傾向にあります。

検査で見えてきた原因:顎二腹筋と後頭下筋群のトリガーポイント

顎二腹筋の緊張

手動での検査を進めると、まず「顎二腹筋(がくにはくきん)」のトリガーポイントが顕著に確認されました。
この筋肉は喉仏から耳の裏にかけて伸びており、ここにある緊張が後頭部への関連痛を引き起こします。比較的容易に触知できる筋肉であるにもかかわらず、これまでの多くの医療機関やマッサージ等で発見されにくかった背景には、慢性痛特有の複雑さや、身体の代償運動が隠れていたためと考えられます。

カイロプラクティックでは背骨を中心に全身の関連性を評価します。実際に痛みのある後頭下筋群を深部手技で確認すると、その筋肉も症状に深く関与していることが示されました。

このことは文献とも合致しています。
“トリガーポイントの関連痛領域にあらたな筋硬結が生じる。”
(『理学療法』第20巻第6号 383~386頁、1993年)

顎二腹筋のトリガーポイント

触診で、顎二腹筋のトリガーポイントがまず目立った。ノドぼとけから耳の裏に伸びている筋肉で、痛みは後頭部に出ます。

この筋肉は比較的容易に触知できるので今までの医療機関やマッサージ整体などで発見できなかったのが少し不思議という印象です。

状況的に心理的側面からの対応も必要かとかんがえられたが、今回は本人の希望により、身体的なパッシブケア(受動治療)でのアプローチを5回行った。

顎の下の筋肉のトリガーポイントは頭蓋の中、後頭部への関連痛を出したので、まずは15分ほど顎の下の筋肉の施術を行った。

高血圧への配慮:安全性を最優先した頚椎モビリゼーションの選択

高血圧の方への頚椎マニピュレーションは禁忌

後頭下部への筋硬結治療に加えて、上部頚椎のモビライゼーション(関節をゆっくり動かす手技)を行いました。
通常、カイロプラクティックでは脊椎マニピュレーション(矯正音を伴う手技など)が行われることも多いですが、血圧が高めであることがうかがわれたため、今回はマニピュレーションをあえて見送りました。安全性を最優先し、リスクを回避するための判断です。

1.5ヶ月間に計5回の施術を行った結果、相談者からは「鼻の通りも悪い時が少なくなり、日常的にあった顎下から後頭部への痛みも明らかに少なくなっている」との嬉しいお言葉をいただきました。

5回の施術による変化と、良い状態を維持するためのアクティブケア

本人の意向でアクティブケアは殆ど行っていないが、良い状態を維持するために通常生活の中で簡単なエクササイズが不可欠なので、日々おこなう首の運動をお伝えした。

今回は比較的早い段階で結果が出たので相談者の手助けをできたのではないかと思います。

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