3ヶ月前から左足外側が痺れる

マネージメントしきれなかった症例になります。失敗から何かを学ぶためにレポートします。

50代男性 自営業 品川区中延在住

立ち仕事が早朝から晩まで、毎日ある職業の方が3か月足の痺れが続くということでご相談にいらっしゃいました。もともと病院の標準治療、針治療をうけていたが変化が無い為に、親族の方が当院をWEBサーチしてサードオピニオンということで来院。

  • 圧迫されるような、熱い、死ぬほどつらい脚の痺れ(痛みの調査票による訴え)
  • 3ヶ月前から全く変化がないので、どうしよう…
  • このままずっと脚の痺れがあるのかもしれない…
そのまんま
そのまんま

痺れのあるままでお仕事は大変です、特に立ち仕事は…。
気になるのは「死ぬほどつらい」という表現です。

詳しく問診 朝は腰、夜は脚の痺れ

  • 耐えがたい痺れ感が左足に出る(死ぬほど辛いと表現)
  • 針治療を1ヶ月間毎日受けたが変化は無かった
  • 朝は腰の痛みだが、夕方になると脚の痺れが出る
  • 整形外科を受診して、レントゲン撮影の結果 腰椎の4番、5番間が潰れている為に神経を圧迫していると指摘を受けている

基本的な疑問ですが、朝は神経を圧迫していないのでしょうか?画像診断に関して、このような強力なエビデンスがあります。

6研究をレビューした結果、重篤疾患のない急性・亜急性腰痛患者に画像検査(X線撮影・CT・MRI)を行なっても臨床転帰は改善しないため、腰痛患者の画像検査はやめるべき

Chou R, Fu R, Carrino JA, Deyo RA. Imaging strategies for low-back pain: systematic review and meta-analysis. Lancet. 2009 Feb 7;373(9662):463-72. doi: 10.1016/S0140-6736(09)60172-0. PMID: 19200918.

あのランセットで発表されている極めて質の高い研究です。画像診断はやめるべきだという強い警告がなされています

腰痛に画像診断を行っても治るのがはやくなるどころか悪くなることがわかってきたからです。

検査と施術

歩けるが痛い

  • 歩行は可能
  • 神経学的な検査では、触覚、運動、反射に異常は無いので一般的なカイロ治療を行う。来院時に症状は無いために、症状の変化の確認は不可能。 初めての来院時に2週間に計4回の来院で、症状の半減を計画しました。
  • 2回目の来院時、側臥位で腰部筋を手技での確認すると脚の痺れが完全に誘発されることから、腰部筋のトリガーポイントと判断
    筋操作を中心にトリガーポイント治療を行う 。

手あての後のご感想

  • 腰の筋肉を押された時は、飛び上るほど痛く、足の痺れも誘発
  • 2回の来院では、あまり変化なかった。自己判断にて来院を終了

院長コメント

残念なが「死ぬほどつらい痛み」を2回の施術では…難しい

残念ながら回復しなかった症例の一つです。今回のようなケースでもレッドフラッグ(命に関わりのある症状)がないため、レントゲン検査は不必要であると考えています。(レ線撮影は症状回復を遅らせることが疫学調査で明らかな為)。

結果として無駄な画像診断が回復を遅らせていると言えなくもない。馬尾障害がなければ、できれば画像診断をしないことをお勧めします。

そのまんま
そのまんま

やっとはっきりとした原因が見つかったところで、自己判断で来院を辞めるのは不可解ですが、「死ぬほどつらい」という痛みを魔法のほうに痛みを取り去ることは不可能です。

もちろん原因が判ったので、より経済的に負担の少ない療法に切り替えられて、言いづらかったという可能性は勿論あります。

筋肉の手技での確認で筋肉が痛みをだしている

今回のような、本人の訴える症状が重大である場合は改善には時間がかかります。私の判断では3か月間の脚の痺れは、腰部の筋肉を触ると症状が誘発されるので、明らかに筋肉からの関連症状であると疑われましたがセッションは2回で打ち切られました。

このやり取りの中で、「ご本人の中に神経根圧迫折が離れない」という印象はありました。

言葉を理解する能力が必要

神経根症状で、もし神経をつぶしているようならば、3か月間の脚の痺れはお休みの日でも生活をしていれば同じように症状が出ているはずだからです。解剖学的な図の説明、手技での確認での症状誘発など身体を通しての判断が必要ですが、どうしても神経根圧迫の指摘が頭を離れなかったのだとおもいます。

脚の痺れがある方は、1.2回の治療で劇的な効果を期待しないこと

とにかく早く症状を取りたいご要望に添えなかったと思います。もう少しお時間を頂けたり、能動的な治療、例えば家で運動や呼吸法をしっかりしていただく構えがあれば、違った方向に行ったのではないかを考えています。

しかし本症例のように「死ぬほどつらい」症状を訴える場合は、3.4日での判断は少し早すぎるように思います。

今回のような下肢症状(脚の痺れ)もカイロプラクティックケアは有効ですが、効果の有無の判断には1ヶ月間くらいの経過観察が必要だと考えてください。(ガイドライン参照)

特に予後の悪い患者の傾向として2010年に挙げられた4点です

腰痛は有害なものである、もしくは重い障害を招く危険性があるという思い込み
・恐怖回避行動(痛みを恐れて動作や活動を避ける)と活動レベルの低下
・抑うつ状態や引きこもり傾向
自ら積極的に治そうというより、むしろ受身的な治療が役立つという考え               

(ACC, 急性腰痛と危険因子ガイド, 2010)

こえらの全てが当てはまっていたとも言えますし、3か月間の脚の痺れの原因を、もう少ししっかりとお話しをするべきだったと考えます。

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