病院で頸椎ヘルニアと診断を受けて2カ月

頚部神経根症状へ保存療法の一例

頚部の神経根症状≒いわゆる腕の痺れ(Cervical radiculopathy )は比較的一般的な神経学的障害であり、これはしばしば機械的圧迫が原因とされています。

頸部神経根障害の年間発生率は10万人あたり83・2人であり、一般人口の50年間で罹患率は増加しています。(Boyles R, Toy P, Mellon J Jr, Hayes M,et al)

基本的に腕の症状が出てから最低でも6週間は保存療法(非手術)を進めることで世界的なコンセンサスが得られています。75%〜90%の患者が非手術的ケアで症状の改善を達成していることが報告されています。(2015;Woods BI, Hilibrand AS)

このページは保存療法の一種、カイロプラクティックによって腕の痺れの症状が改善したという一例です。

整形外科診断後2カ月経過 脇から手のひらへの痺れへ

40代女性 整形外科での診断状況

  • 左の脇の下から左腕 左手にかけて痺れ・・・
  • 整形外科の画像診断で頚椎5番 6番にヘルニアと診断を受ける
  • 整形外科で、牽引治療とビタミン剤を処方されるが、2カ月間通院しても変化が全く無い

初診時の痛みと状態

  • 頚椎周囲の筋肉が硬直したような状態
  • 加工作業時に左腕から手にかけて痺れ
  • ジーンとした痺れ感
  • 日常生活には支障はない
  • バイクに乗る姿勢も症状が出やすい

毎回の確認で明確になってきたのが、仕事での加工作業時とバイクの運転中に症状が目立つ

カイロプラクティックの検査と施術 7回来院で9割回復

カイロテーブル

カイロプラクティックのテーブル

  • サーヴィカルコンプレッションテスト+な為、頚胸部の椎間関節の機能障害をアジャストメント
  • 頚椎から胸椎にかけての筋緊張を取り除く
  • マッケンジーエクササイズなどの運動療法を毎回お伝えするものの日常生活で行うのは無理でした。
  • 能動治療(アクティブケア)は本人が行えず…

2か月経過していると、慢性の症状に移行してきていると考えます。慢性疼痛は取り去るというより「管理をする」という考え方が主流になります。
(Rheumatol Int. 2017 Jan;37(1):29-42)

なんとか慢性疼痛になる前で痛みを極力取り除いておきたいところでしたが、9割の回復にとどまりました。

手あての後のご感想

  • ずっと痛かったのが、来院を重ねると症状が出る日と出ない日がでるようになった
  • 少しずつではあるが回復していくのがわかりました
  • バイクに乗る時だけ少し気になる症状が残っています

院長のコメント…ある程度通院することの重要性 

7回の来院で90%は回復しました。すこし症状が残っていたようですが、ほぼ回復したようで安心しました。5回目くらいの来院の時はどれくらいまで回復するか微妙でしたが、カイロプラクティックによる脊椎マニピュレーション(背骨の矯正)で首の関節動作が少しずつ回復したのだと思います。

カイロプラクティックでは神経根症状(背骨の神経が出ているところ)の動きを回復させることで、神経の流れを回復させるという仮説のもと頚椎の施術を行います。

神経の流れを回復させるというのは、あくまでも理論的な話で、証明されているわけではありません。ここで重要なのは臨床上、脊椎マニピュレーションを行うことで腕の症状(神経根症状)が改善するケースもあるということです。

脊椎マニピュレーションが頚椎神経根症状を改善させる科学的根拠

2016年のシステマティックレビューになります。システマティックレビューは研究の中でも一番信頼度が高い研究となります。

この論文は世界中のデータベースにある頚椎神経根症状への脊椎マニピュレーションの比較対象試験を専門家2人が批判的に吟味して結論を出しています。

結果は、 腕の痺れ(頸部神経根症)の人々の治療における、頚椎マニピュレーション(頸椎矯正)の即時の有効性を支持する中程度のレベルの証拠があると結論しました。

(Zhu L, Wei X, Wang S. Does cervical spine manipulation reduce pain in people with degenerative cervical radiculopathy? A systematic review of the evidence, and a meta-analysis.Clin Rehabil. 2016)

少し解説をすると、中等度レベルの証拠とは絶対的ではないけれどもある程度効果がある、ということです。つまり効果が全くなかったり、あまり効果がない人も居るということです。

また即時効果はある、ということですので、中期的、長期的には不明ということです。

これは腰痛などへのマニピュレーションも同じなのですが、痛みによっては脳が無意識に痛みをつくり出しているケースも多く、脊椎マニピュレーションが絶対的ではないのは、受けての状態にもよるところが大きいと考えられています。

具体的には抑うつ気分や不安感が強すぎる方は、効果が出づらいと言われています。それらの検査も必要な場合は行う必要があります。不安や抑うつ気分が陽性の場合は、その不安や抑うつ気分を鎮めることが第一の治療目標となります。(現実的には不安と痛みは同時に減ってくることが多いです。)

エビデンス三角

体系的レビューです。信頼度の一番高い研究となります。

人間は機械ではないですから、臨床上大切なのは状況に応じて都度見極めて対応することだと思います。

関節や筋肉からの症状は多い

カウンセリングの様子

説明の様子

腕や手の痺れはヘルニアと診断を受けていても関節や筋肉から出ていることが多いです。関連痛と呼ばれるものです。

これは当院で理学検査、手技での確認を受けると実感できると思います。痺れが出る部分と解剖学的な知識を得ることで、どのようにして行けば回復するかご自身で実感するのです。

病院へ行っても回復してこないようであれば1ヶ月くらいを目安に来院するのをおススメします。

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