ぎっくり腰を繰り返し、そのたびに病院で画像診断を行いヘルニアの診断を出されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

2020年にもなると、周囲の治療院や病院でも腰痛治療に画像診断はほぼ必要ないということをお伝えするようになってきました。そのまんまサンシャインでは2010年の開院以来、お伝えしつづけていることです。
当時の患者さんのケースになります。
ヘルニアの診断歴が複数回ある方へのメッセージ
タイトルに敢えてヘルニアの診断歴と記載したのは、「椎間板ヘルニア」という診断名自体に苦しんでいる方が少なくないからです。
私自身は画像診断については、殆ど気にしないようにお勧めしています。




2009年の論文です
腰下肢痛患者に対する早期画像検査(X線・CT・MRI)の有効性に関するRCTを詳細に分析した結果、レッドフラッグのない患者に画像検査を行なっても臨床転帰は改善しないことが判明。医師は腰下肢痛患者の画像検査を控えるべき、なんだって!
画像診断をしても腰痛や足の痛みには意味がないのです。複数回同じ指摘を受けていても気にする必要はありません。そのことを証明していきましょう。
例えばこんな症例があります。30代女性の症例
粘り強く探っていくことで回復
- 10年間何度もヘルニアと診断をうけているので腰が壊れているとおもう
- ずっと腰痛があると不安で外出もできない
- 真面目そうな治療院だとパートナーに勧められて来院
外出もままならない状態ですと活動が制限されてしまいますね。抑鬱状態とも言えます。
痛みと状態
忙しくなると出てくる腰痛
- 3年前からは年度末になると必ず動けなくなるほどの腰痛
- 投薬治療と牽引治療を行ったが効果はなった
- 右脚の膝下外側あたりまで痺れ感もある
- 一生腰痛と付き合っていかなければならないと覚悟はしているが、年度末の忙しい時期にまた腰痛になると思うと会社経営に支障をきたすと心配
牽引は腰痛や神経根症状に対して効果はない(★★★)
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腰痛に牽引治療は効果がありません。三ッ星で牽引には効果がないというこれだけ強い勧告が出されているのですから、そろそろやめませんか?無駄な治療に時間とお金をかけるのはいかがなものでしょう。相談者自身が勉強をして騙されないようにしていくことが何よりも大切です。
また腰痛と一生付き合うだなんて、そんなこと考える必要はありません。しっかり対応していけば腰痛の無い生活を取り戻していけます。大切なのはリラックスする時間を作ることです。カイロ治療の時間、身体が解れることで得られるリラックスした時間。
ヘルニアは痛みとは別で考えた方が良いという理解など一つ一つの要素を積み上げていく必要があります。
椎間板手術を要するほど重度の坐骨神経痛患者30名と健常者46名を対象にMRIで両者の違いを調べたところ、
有痛性椎間板ヘルニア例は同程度の無痛性椎間板ヘルニア例よりリラックスしている時間が短かったことが明らかとなる。
ヘルニアにはヘルニアが飛び出ているけど痛みがない、という無痛性のヘルニアというものが沢山あります(同率)。このことを前提にした上での研究です。
要するに痛いと言っている人はリラックスしている時間が短いということが解った研究です。
検査と施術
手技での確認でわかる圧痛




- 腰仙部に強い圧痛がある。骨盤を矯正する
- コックステーブルによるけん引治療を含めたカイロ治療をおこなう
- 腰部の解剖学的な説明を含む集学的リハビリテーションを繰り返しおこなう
- 腰痛に対して非常に強い恐怖心がある
結果的には痛みの直接の原因は腰仙骨分の筋肉群が痛んでいて、恐怖心が痛みを助長していたのだと考えています。さまざまな研究から心理的要因が腰痛の原因であることが発表されています。
会社経営の負担や不安、腰が壊れているよ言う恐怖など様々な要因です。
椎間板ヘルニアと診断された腰下肢痛患者46名と健常者46名をMRIで比較した結果、症状の有無は職業上の問題(心理的ストレス・集中力・満足度・失業)と心理社会的問題(不安・抑うつ・欲求不満・夫婦関係)の影響が大きい。
一つ一つを見つめなおし、身体の使い方もリハビリしていくという積極的なリハビリテーション方法が一番腰痛には効果的なのです。
私はそれにさらにカイロプラクティックによる手あてを加えています。個人の知要因でできることは、たかが知れているかもしれませんが可能な限り適切な協力をしていこうという姿勢でいます。
慢性の非特異的腰痛に対する心理社会的介入の有効性に関する体系的レビューによると、従来の標準的な治療よりも、積極的なリハビリテーション(認知行動療法に基づく運動療法)の方が活動制限と疼痛の改善に効果的であることが判明。
感想
真剣に取り組めそうな印象でした
- 腰が壊れていなかったのが来院とともに少しずつ実感できた
- 腰痛への恐怖から自粛していた映画鑑賞や音楽ライブに参加できるようになって嬉しい
- 営業で外回りをしても平気になった。
- いつも腰の心配ばかりしていたが、普通に生活できるようになった
院長のコメント
生活の質が低下
長年腰痛があると、生活の質がどんどん低下していきます。ヘルニアと診断を受けても大きな心配をすることはありません。本症例の最大の特徴は、週に1回 計画的に積極的な保存療法に参加された結果だとおもいます。
運動習慣の無い生活から定期的にエクササイズをおこなうライフスタイル変更の必要性も理解してくださったことも重要です。
平均年齢40歳の健常者60名を対象にMRIで胸椎を調べた結果、37%に明らかな椎間板ヘルニアが、53%に椎間板膨隆が、58%に線維輪断裂が、29%に脊髄の変形が認められた。無痛性胸椎ヘルニアはきわめて一般的な所見。
腰痛がない健康な人(健常者)にMRI撮影をするとヘルニアの人が沢山いるのです。ヘルニア=腰痛ではないということが科学的に証明されているのです。
生活が活発になりますよ
合計約20回という来院回数でした。粘りづよく腰痛と向き合えば少しずつ回復していく良い例だとおもいます。腰痛と決別することで一体どれだけ多くの恵みを享受できるのでしょうか。同じように悩んでいる方はお気軽にご相談ください。