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急性腰痛(ぎっくり腰)の場合の対処法をお伝えしていきます。
いきなり結論ですが、タイトル通りぎっくり腰の時にストレッチはしない方がいいです。
理由は、ぎっくり腰を発症して1か月以内は統計的にストレッチしても効果がないことが判っているからです。
ぎっくり腰の時は、無理なストレッチをして悪化や再発もあり得ますからストレッチはしないことをお勧めします。
もっとも歩けない程のぎっくり腰の時はストレッチを含めた運動なんてする気にもなりませんけど…
ただし体幹、背骨の使い方を教育するということには少しだけ意味があります。
回復を早めることは無いのですが、体幹の使い方を意識することで、腰の筋肉が引っ張られて「痛い」と感じるシーンを劇的に減らすことができます。
2020年のシステマティックレビュー(最高級の研究)でも運動全般はぎっくり腰の時には全く意味がない可能性を指摘。
成人の急性腰痛患者において、運動療法が他の介入と比較して、腰の痛みまたは活動障害にほとんど、または全く重要な違いをもたらさない可能性がある。
Karlsson M, Bergenheim A, Larsson MEH, Nordeman L, van Tulder M, Bernhardsson S. Effects of exercise therapy in patients with acute low back pain: a systematic review of systematic reviews. Syst Rev. 2020 Aug 14;9(1):182. doi: 10.1186/s13643-020-01412-8. PMID: 32795336; PMCID: PMC7427286.
研究ではっきり指摘されているので信頼したほうが良さそうね。
通常のぎっくり腰である場合、われわれカイロプラクターや医師が最初に説明しなければならないのは日常生活の維持。
痛みが許す範囲内で活動を継続し、通常の活動を継続し、安静を避け、障害の減少に関連する早期の仕事に戻るよう患者にアドバイスする
Bach SM, Holten KB. Guideline update: what’s the best approach to acute low back pain? J Fam Pract. 2009 Dec;58(12):E1. PMID: 19961812.
患者からすると意外に思うでしょうが、腰は痛みを出しているだけで、壊れているわけではないからです。
レントゲンやMRIを撮影して身体の故障を指摘するモデルは失敗だったと世界中で認めているわけです。
どうしても腰が痛くて立ちあがるのも苦労するようなときは、2日間ほど痛み止めに助けてもらいましょう。
後に述べる「ぎっくり腰の原因」の種類にもよりますが、基本的にはストレッチをしてもぎっくり腰が改善しないと思っておいていいでしょう。
米国のAcute Low Back Problems in Adults
急性腰痛に対してストレッチが有効だという証拠は存在しない(確証度D)。
運動中に疼痛が増強したからといって運動を中断するよりも、痛みの程度に応じて徐々に運動量を増やすほうがはるかに効果的である(確証度C)
確証度がDランクと低いのは、筋骨格系が固まるタイプのぎっくり腰には有効なケースもあるからです。
逆に悪化する状況は、筋軟化や関節がロックした状態、浮腫んで痛み神経が過敏になっている状態などさまざまです。無難にストレッチしないほうがいいでしょう。
フィンランドの研究
急性腰痛患者186名を対象に2日間の安静臥床群、ストレッチ群、日常生活群に割り付けたRCT(ランダム化比較試験)を行った。
結果:ストレッチ群は安静臥床群より欠勤日数が少ないものの日常生活群には及ばないことが判明。急性腰痛の特効薬は日常生活の維持。
要するにぎっくり腰になる前に行っていた日常生活を維持することが一番大切なことです。
ただし日本の場合はワーカホリックと呼ばれるくらい労働時間が長いことが背景にある事も多く、一概に海外の研究を鵜呑みにするのも良くありません。
明らかに過労の場合は、1日2日は身体全体を休めてあげても良いのではないか?というのが私の個人的な意見です。
まとめ:ぎっくり腰(急性腰痛)状態でもストレッチが有効なケースも稀にありますが、統計的にみても多くの急性腰痛はストレッチが有効とは言えません。
ストレッチが有効な腰痛は「亜急性期か慢性期の腰痛」つまり発症から1か月以上経過した腰痛です。
ぎっくり腰になったらすぐにやること。
答えから言うと「とくになにもしなくていい、心配するな」です。
とは言え、初めてのぎっくり腰の時、とくに動けないほどの痛みがある方は物凄く心配になります。そのような不安を解消するために一度医療機関やカイロプラクティックを受診するといいでしょう。
でも基本的には大きな心配はいりません。
ガイドラインに沿った対応をしてくれる病院なりの医療機関、カイロプラクティックなどを少し時間をかけて探して受診されるといいでしょう。
そんな流暢なことを言っている暇はない!というくらい痛い場合は市販の痛み止めを飲んで、腰を温めてあげると少し痛みが和らぎます。
ぎっくり腰の時は上記のとおり日常生活の維持が鍵になってきます。安静に横になっていると慢性化へ移行するリスクが上がります。
腰痛を数日以内に一気に楽にする可能性があるカイロプラクティック治療。
統計上では、ぎっぐり腰発症からできれば1週間以内にカイロプラクティック治療を受けると、急速に痛みが減ってくることが解っています。
※心理的不安要素が大きいと改善しづらい
18~40歳の急性腰痛患者を4週間追跡 (ランダム化比較試験)
モビリゼーション群とマニピュレーション群の改善率は4週間後には差がなくなるものの、マニピュレーション群は最初の1週間で急速に改善することが判明。
※マニピュレーションはカイロプラクティック治療で行われる脊椎や骨盤の素早い調整のことです。
腰痛に脊椎マニピュレーション に関する論文58件をメタ分析
結果:3週間以内に腰痛が回復する確率は50~67%だった。慢性腰痛に対する効果は不明としながらも、急性の非特異的腰痛には一時的な効果がある。
ぎっくり腰はカイロプラクティックで5-7割は3週以内に回復します。患者さんの抑鬱感が強すぎると3週間経過しても改善しません。
また現在では急性腰痛(ぎっくり腰)よりも慢性腰痛により有効であることが証明されています。
働き盛りに一番多い急性腰痛(ぎっくり腰)。原因は何なんでしょうか?
医学的には「非特異的腰痛」という名前でまとめられています。非特異的って聞きなれないですけれど、原因がはっきりしないという意味になります。
実は未だにハッキリとした原因が医学的にも判っていません。
厳密にいうとある程度原因は絞れていますが、年齢や身体機能性、社会的、経済的状況によって痛みに関わっている要素が違うので、一概にコレとは言えないというのが正確な理由
これらの社会的背景を考慮していただきつつ、カイロプラクターの立場で解説していきます。
カイロプラクティックのウェブサイトで良くみられるのが「骨盤のズレが腰痛の原因」という文言です。過去にカイロプラクティックを利用して腰痛が改善した方もそのような表現をします。
実はわれわれはズレを診ているわけではなく、動かなくなっている関節を診ています。
この動かなくなっているのが動くことで痛みが取れるものと考えがちですが、実は脳からの指令が関わっているようなのです。
ぎっくり腰の程度にもよりますが、背骨のマニピュレーション(矯正)をすることで痛みが取れる、取れていく、減少していくことが明らかです。
生理学的には腰痛が軽減する理由は完全に解明されていません。
Vigotsky AD, Bruhns RP. The Role of Descending Modulation in Manual Therapy and Its Analgesic Implications: A Narrative Review. Pain Res Treat. 2015;2015:292805. doi: 10.1155/2015/292805. Epub 2015 Dec 16. Erratum in: Pain Res Treat. 2017;2017:1535473. PMID: 26788367; PMCID: PMC4695672.
ただ脳から身体に降りていく痛みのブレーキに関わる神経系が関与しているのは確かです。
ドイツの生体への研究では、筋膜自体に直接痛み物質が放出されていることが報告されていますが、世界的なコンセンサスがとれているわけではありません。
実際カイロプラクティックの臨床でもさまざまなケースが見られます。
など世界的なコンセンサスが得られないのは腰痛の状態によって一概に言えないからです。
非特異的とは特異的にあらず、簡単に言えば「なんだかよくわかないけれど」という意味になります
世界で一番医療費がかかっている疾患なのに意外ですよね。
生物学的に原因もさまざまなのですが、ひとつ言えることは社会的ストレスが多い時に腰痛なりやすいことです。
筋膜の生体研究でも精神的ストレスが掛かったときに、筋膜に痛み物質が直接放出さることが発見されている。
諸外国の腰痛診療ガイドラインには明記してあるように、腰痛には心理社会的要因が深く関わっています。
心理的要因はストレスや不安、抑うつ,社会的要因は経済環境や職場でのストレスなど
ここに乗せるのはエビデンスの一部ですが、繰り返すぎっくり腰や初めてのぎっくり腰、慢性腰痛がある方もご参考ください。
オーストラリアの疫学研究
腰痛発症率は30代が最も高く、全体の有病率は60~65歳まで増加するがその後徐々に減少する。
危険因子として低学歴・ストレス・不安・抑うつ・仕事への不満、職場の社会的支援が乏しいなど。
英国 腰痛診療ガイドライン 心理社会的因子 4事実を指摘
(1)心理社会的因子は治療とリハビリテーションの成績に影響を与える。
(2)心理社会的因子は自覚症状や他覚所見よりも慢性化の危険因子である。
(3)心理社会的因子は慢性腰痛や活動障害において重要な意味を持つ。
(4)心理社会的因子はこれまで考えられていたよりもはるかに早い段階で重要な意味を持つ。ゆえに、患者の心理的・職業的・社会経済的因子に目を向ける必要がある。
ぎっくり腰にストレッチは無駄だとうことが判ると思います。
腰痛を繰り返している方や、慢性腰痛のある方は心あたりがあるとおもいますが「その」鬱憤や不満が腰痛のと深く関わっています。
働き盛りの方ですと会社での人間関係や昇進に関わる社内のパワーバランスなどで社会的な負荷がかかっているケースが多い。公務の方は多くは人間関係のトラブル対処で苦慮していらっしゃるようです。
いずれにせよ早い段階でこのようなストレスの有無を確認していくことが回復、慢性化を防ぐ上で重要となります。
腰痛のない大学生25名を対象に腰への負担に対する心理テストと性格特性の影響力を調査
結果:心理的ストレスは単独で腰痛の原因になり得るだけでなく、内向型と直感型の性格特性は心理的ストレスによって腰痛発症リスクが増大する。
イギリスでの研究
イングランドのノースウェストで11~14歳における腰痛の危険因子を1年間追跡して調査した。
結果:身体活動や登下校時のスクールバッグの重さによる物理的負荷よりも、心理社会的因子がもっとも強力な予測因子であった。
興味深いのは素行振る舞いが悪い学生は2.5倍、腹痛1.8倍、頭痛1.6倍、のどの痛みがあると1.5倍将来の腰痛リスクがあがる
Jones GT, Watson KD, Silman AJ, Symmons DP, Macfarlane GJ. Predictors of low back pain in British schoolchildren: a population-based prospective cohort study. Pediatrics. 2003;111(4 Pt 1):822-828. doi:10.1542/peds.111.4.822
学生に関しては素行の悪い学生は将来的に2.5倍も腰痛リスクがあがるのだとか。素行の悪い学生に「将来腰痛になるぞ」と脅しても、痛くも痒くもないでしょうが、今腰痛に困っている方で学生時代素行が悪かったなら、これを機に振る舞いを変えていくのも良い機会になると思います。
ドイツ軍事医療管理センター 2004年~2007年に腰痛関連で入院した兵士1410名対象に前向き研究
腰痛をもって入院していた軍人の軍隊復帰率はわずか13%だった。腰痛への介入方法や個々の身体的問題よりも心理・社会的問題を取り上げた研究がさらに必要。
Cohen SP, Nguyen C, Kapoor SG, et al. Back pain during war: an analysis of factors affecting outcome. Arch Intern Med. 2009;169(20):1916-1923. doi:10.1001/archinternmed.2009.380
腰痛の軍人の87%が戦場に戻らなかったことから、兵士の腰痛への心理・社会的因子による介入の妥当性、早期の手術が軍人の摩耗を減らすかもしれない
後に明らかにされたことですが、大儀の無い戦争に関わる苦痛は相当精神を消耗するようです。
ちなにみ女性兵士、アフガンへの出兵、将校クラス、腰痛既往歴がある兵士は明確に腰痛での入院と関連していたようです。海軍、海洋運搬、精神疾患の併存、ペインクリニックに行かなかった者が特に軍隊に戻らない傾向が強かったようです
ぎっくり腰の時に敢えてストレッチを行うことはありません。必要なのは日常生活の維持、できれば腰痛診療ガイドラインに沿ったサービスを受けられる医療機関、カイロプラクティックなどのを代替医療で1~数回は診てもらうことで回復が早まりまり、慢性腰痛への移行リスクを下げることができます。