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ぎっくり腰にストレッチは禁物!

腰痛 腰痛

急性腰痛(ぎっくり腰)の場合の対処法をお伝えしていきます。先ずはタイトル通りストレッチはしない方がいいです。

理由は、ぎっくり腰を発症して1か月以内は統計的にストレッチしても効果がないことが判っているからです。ぎっくり腰の時は、無理なストレッチをして悪化や再発もあり得ますからストレッチはしないことをお勧めします。もっとも歩けない程のぎっくり腰の時はストレッチを含めた運動なんてする気にもなりませんけど…

ただし体幹、背骨の使い方を教育するということには意味があります。これは体幹が上手く使えない時、腰が曲がってしまうとき、股関節の動きを背骨で代償するときに腰の筋肉が引っ張られて「痛い」

ぎっくり腰には先ず日常生活の維持が大切

通常のぎっくり腰である場合、われわれカイロプラクターや医師が最初に説明しなければならないのは「痛みが許す範囲内で活動を継続し、通常の活動を継続し、安静を避け、障害の減少に関連する早期の仕事に戻るよう患者にアドバイス」とあります。(Bach SM, Holten KB. Guideline update: what’s the best approach to acute low back pain?. J Fam Pract. 2009)

これは患者さんからすると意外に思うかもしれませんが、腰は痛みを出しているだけで、壊れているわけではないからです。レントゲンやMRIを撮影して身体の故障を指摘するモデルは失敗だったと、世界中で認めているわけです。

急性腰痛(ぎっくり腰)の原因

働き盛りに一番多い急性腰痛(ぎっくり腰)の原因は何なんでしょうか?
医学的には現在「非特異的腰痛」という名前でまとめられています。非特異的って聞きなれないですけれど、原因がはっきりしないという意味になります。
実は未だにハッキリとした原因が医学的にも判っていませんはいません。

ですが解ってきていることもあります。それらを日本のカイロプラクターの立場で解説していきます。

カイロプラクティック的に診た肉体的な状況

カイロプラクティックのウェブサイトで良くみられるのが「骨盤のズレが腰痛の原因」という文言です。過去にカイロプラクティックを利用して腰痛が改善した方もそのような表現をします。

実はわれわれはズレを診ているわけではなく、動かなくなっている関節を診ています。
ぎっくり腰の程度にもよりますが、関節矯正をすることで痛みが取れる、取れていく、減少していくことが明らかですが、実は生理学的には腰痛が軽減する理由は完全に解明されていません。(Vigotsky AD, Bruhns RP. The Role of Descending Modulation in Manual Therapy and Its Analgesic Implications: A Narrative Review [published correction appears in Pain Res Treat. 2017)

ただ脳から身体に向かって痛みのブレーキをかける神経系統が関与していることはほぼ明らかにされています。

最近のドイツの生体への研究では筋膜自体に直接痛み物質が放出されていることが方向されていますが、世界的なコンセンサスがとれているわけではありません。

実際カイロプラクティックの臨床でもさまざまなケースが見られます。

  1. 筋肉がカチコチになって痛みをだしているケース
  2. 筋軟化(マイオセラピー用語)といって筋肉がフニャフニャした状態になって痛みを出しているケース
  3. 筋肉が浮腫んで痛みをだしているケース
  4. 骨盤の関節や腰の関節が固まって痛みを出しているケース
  5. 1~4は客観的にはさほどではないが、ストレスを多く生活で感じていて脳が痛みを拡大解釈しているケース、心因性疼痛ともいう
  6. 上記が複合的になっている

などなど世界的なコンセンサスが得られないのは腰痛の状態によって一概に言えないからです。

非特異的というのは特異的にあらず、簡単に言えば「なんだかよくわかないけれど」という意味になります。

世界で一番医療費がかかっている疾患なのに意外ですよね。

生物学的に原因はさまざまなのですが、ひとつ言えることは社会的ストレスが多く掛かっている時に腰痛なりやすいということです。
筋膜の研究においても精神的ストレスが掛かったときに筋膜に痛み物質が直接放出されることが近年の研究で解って来ていることの一つです。

心理社会的な要因にも目を向ける

日本ですと未だに腰痛の背景にストレスがあることをお伝えすると驚かれたり、いぶかしげに見てくるかたがありますが、諸外国の腰痛診療ガイドラインには明記してあるようです。

ここに乗せるのはエビデンスの一部ですが、繰り返すぎっくり腰や初めてのぎっくり腰、慢性腰痛がある方もご参考ください。

オーストラリアの疫学研究によると、腰痛発症率は30代が最も高く、全体の有病率は60~65歳まで増加するがその後徐々に減少する。危険因子として低学歴・ストレス・不安・抑うつ・仕事への不満、職場の社会的支援が乏しいなど。

イギリスの腰痛診療ガイドラインは心理社会的因子について次の4つの事実を指摘している。
(1)心理社会的因子は治療とリハビリテーションの成績に影響を与える。
(2)心理社会的因子は自覚症状や他覚所見よりも慢性化の危険因子である。
(3)心理社会的因子は慢性腰痛や活動障害において重要な意味を持つ。
(4)心理社会的因子はこれまで考えられていたよりもはるかに早い段階で重要な意味を持つ。ゆえに、患者の心理的・職業的・社会経済的因子に目を向ける必要がある。

これはイギリスの腰痛診療ガイドラインですね。ストレス、心理社会的要因は上記のように早い段階で目を向ける必要があることです。

腰痛を繰り返している方や、慢性腰痛のある方は心あたりがあるとおもいますが「その」鬱憤や不満が腰痛の原因であるのです。腰痛から解放されたければ、これを機に考え方を変えていってください。

働き盛りの方ですと会社での人間関係や昇進に関わる社内のパワーバランスなどで負荷がかかっているケースが多いように見受けられます。公務の方は多くは人間関係のトラブル対処で苦慮していらっしゃるようです。いずれにせよ早い段階でこのようなストレスの有無を確認していくことが回復、慢性化を防ぐ上で重要となります。

■腰痛のない大学生25名を対象に腰への負担に対する心理テストと性格特性の影響力を調べた結果、心理的ストレスは単独で腰痛の原因になり得るだけでなく、内向型と直感型の性格特性は心理的ストレスによって腰痛発症リスクが増大する。

内向型や直感型という性質は変わるものではないが、見つめ直す良い機会になる

これもイギリスでの研究になります。イングランドのノースウェストで11~14歳における腰痛の危険因子を1年間追跡して調査した結果、身体活動や登下校時のスクールバッグの重さによる物理的負荷よりも、心理社会的因子がもっとも強力な予測因子であった。興味深いのは素行振る舞いが悪い学生は2.5倍、腹痛1.8倍、頭痛1.6倍、のどの痛みがあると1.5倍将来の腰痛リスクがあがるとか。参考:
参考2:http://goo.gl/1lxsLu

Jones GT, Watson KD, Silman AJ, Symmons DP, Macfarlane GJ. Predictors of low back pain in British schoolchildren: a population-based prospective cohort study. Pediatrics. 2003;111(4 Pt 1):822-828. doi:10.1542/peds.111.4.822

学生に関しては素行の悪い学生は将来的に2.5倍も腰痛リスクがあがるのだとか。素行の悪い学生に「将来腰痛になるぞ」と脅しても、痛くも痒くもないでしょうが、今腰痛に困っている方で学生時代素行が悪かったなら、これを機に振る舞いを変えていくのも良い機会になると思います。

タバコを吸う女性
素行の悪さも腰痛リスク

ドイツの軍事医療管理センターで腰痛関連2004年から2007年に腰痛関連で入院している兵士1410名を対象にした前向き研究によると、腰痛をもって入院していた軍人の軍隊復帰率はわずか13%だった。腰痛への介入方法や個々の身体的問題よりも心理・社会的問題を取り上げた研究がさらに必要。
腰痛の軍人の87%が戦場に戻らなかったことから、兵士の腰痛への心理・社会的因子による介入の妥当性、早期の手術が軍人の摩耗を減らすかもしれない

Cohen SP, Nguyen C, Kapoor SG, et al. Back pain during war: an analysis of factors affecting outcome. Arch Intern Med. 2009;169(20):1916-1923. doi:10.1001/archinternmed.2009.380

後に明らかにされたことですが、大儀の無い戦争に関わる苦痛は相当精神を消耗するようです。
ちなにみ女性兵士、アフガンへの出兵、将校クラス、腰痛既往歴がある兵士は明確に腰痛での入院と関連していたようです。海軍、海洋運搬、精神疾患の併存、ペインクリニックに行かなかった者が特に軍隊に戻らない傾向が強かったようです

ぎっくり腰になったらすぐにやること

ぎっくり腰になったらすぐにやること。答えから言うと「とくになにもしなくていい、心配するな」です。

初めてのぎっくり腰の時、とくに動けないほどの痛みがある方は物凄く心配になると思います。でも大きな心配はいりません。

ただしそのぎっくり腰がレッドフラッグと呼ばれる命に関わる腰痛か否かを見極める必要があるので、できればガイドラインに沿った対応をしてくれる病院なりの医療機関、カイロプラクティックなどを少し時間をかけて探して受診されるといいでしょう。

そんな流暢なことを言っている暇はない!というくらい痛い場合は市販の痛み止めを飲んで、腰を温めてあげると少し痛みが和らぎます。

ぎっくり腰にストレッチは禁物!自己流ストレッチをやることで、腰痛がひどくなる!

Acute Low Back Problems in Adultsによると、

急性腰痛に対してストレッチが有効だという証拠は存在しない(確証度D)。:運動中に疼痛が増強したからといって運動を中断するよりも、痛みの程度に応じて徐々に運動量を増やすほうがはるかに効果的である(確証度C)

別のフィンランドの研究でも

急性腰痛患者186名を対象に2日間の安静臥床群、ストレッチ群、日常生活群に割り付けたRCT(ランダム化比較試験)によると
ストレッチ群は安静臥床群より欠勤日数が少ないものの日常生活群には及ばないことが判明。急性腰痛の特効薬は日常生活の維持。

要するにぎっくり腰になる前に行っていた日常生活を維持することが一番大切なことです。ただし日本の場合はワーカホリックと呼ばれるくらい労働時間が長いことが問題の場合もあります。そのような場合は1日2日は身体全体を休めてあげても良いのではないか?というのが私の個人的な意見です。まとめるとぎっくり腰(急性腰痛)状態でもストレッチが有効なケースも稀にありますが、統計的にみても多くの急性腰痛はストレッチが有効とは言えないでのす。

ストレッチが有効な腰痛は「亜急性期か慢性期の腰痛」つまり発症から1か月以上経過した腰痛です。

できれば3週間は日常生活を維持。カイロプラクティック治療は早めに受けてください

ぎっくり腰の時は上記のとおり日常生活の維持が鍵になってきます。これを受け入れられなければ慢性化へ移行するリスクが上がることにないます。

そんな中でも今ある痛みを数日以内に一気に下げてくれるのがカイロプラクティック治療です。

統計上はぎっぐり腰発症からできれば1週間以内にカイロプラクティック治療を受けると急速に痛みが減ってくることが解っています。

18~40歳までの急性腰痛患者を対象に4週間追跡したRCT(ランダム化比較試験)によると、モビリゼーション群とマニピュレーション群の改善率は4週間後には差がなくなるものの、マニピュレーション群は最初の1週間で急速に改善することが判明。
※マニピュレーションはカイロプラクティック治療で行われる脊椎や骨盤の素早い調整のことです。

モビリゼーションというのはゆっくり動かす身体操作のことをいいます。実際のカイロプラクティック治療院では状況に応じてモビリゼーションもマニピュレーションも行われるとお考えください。

腰痛に対する脊椎マニピュレーションに関する論文58件をメタ分析した結果、3週間以内に腰痛が回復する確率は50~67%だった。慢性腰痛に対する効果は不明としながらも、急性の非特異的腰痛には一時的な効果があることが判明。

エビデンス三角
メタ分析です。超一級の研究で脊椎操作は効果がある程度認められています

カイロプラクティックは急性腰痛(ぎっくり腰)に対して一定の効果があるということです。臨床上気づいたことは、この数字は患者さんの抑鬱感が強いか否かでカイロプラクティック治療の効果がはっきり表れるか否かではないかと私は考えています。

また現在では急性腰痛(ぎっくり腰)よりも慢性腰痛により有効であることが証明されています。

まとめ

ぎっくり腰の時に敢えてストレッチを行うことはありません。必要なのは日常生活の維持、できれば腰痛診療ガイドラインに沿ったサービスを受けられる医療機関、カイロプラクティックなどのを代替医療で1~数回は診てもらうことで回復が早まりまり、慢性腰痛への移行リスクを下げることができます。

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