慢性的な腰痛で5分と座っていられない

1年以上続いている腰痛にありとあらゆる療法を試してきたが、回復を実感できなかった

長く続く腰痛の方は、西洋医療をはじめ、これまでにいろいろな療法を受けてこられたと思います。

このページは腰が固まってしまい極度の痛みが続いている30代男性が、マイオセラピーという施術を継続的に受けることで、腰痛から回復に向かった例をご紹介します。

マイオセラピーは筋肉が原因で痛みが出るというオリジナルの考え方を持っており、伝統的な徒手療法誌JMPT(Journal of Manipulative and Physiological Therapeutics)にも発表されています。(Craig B. Nagata &Yoichiro Tsujii,Pages 87-90 : 18 Jul 2013)

ご存じないかたも多いと思いますが、腰痛に苦しむ方の参考になればと思います。

マイオセラピーの施術風景

マイオセラピーの施術風景 特殊な振動器具で筋肉の固まりを解いていく療法

問診による状況確認

34歳男性。1年前から気が付いたら徐々に腰痛になっており、状態化している。

病院での画像診断上問題はなく、トリガーポイントブロック注射を4回、硬膜外ブロック注射1回行っている。硬膜外ブロック注射は比較的効果があったが一時的であった。

針治療も20~30回は行った。マッサージや整体も何回か通ったが変化を感じられなかった。

ここ2カ月間は柔道整復師の先生に診てもらっているが大きな変化はない。

柔道整復師の先生に診てもらった後に、痛みが10/10になったこともあり、何かの施術の後にまた10/10の痛みになるかと思うと怖い。

今現在は7/10の痛みである。

座ると腰からお尻にかけて突っ張る感じが出てきて鈍痛がある。

腰痛で追い込まれている。歩けるが前かがみや自転車、バイクに乗る時なども痛く、仰向けで寝ることも痛くてできない。左を下にして寝ても痛い。

case73

実際にご記入してもらった痛みの絵

6時間くらいの睡眠時間はあるものの睡眠の質は低下している。

車を運転する時、家で食事をするとき、電車に乗っても座れないくらい痛みを感じていたため、精神的にも大分追い込まれている。

回復したら子供と外出したい。今は家で座って一緒に遊んであげることもできない。

検査

  • もともとお身体の柔軟性が高いほうではない。立位体前屈は+18㎝
  • RDQでは15/24にハイとお答えになっている。日常生活がかなり障害されている。
  • 座っていると痛いので問診も立って行う。詳細は上記。問診時も落ち着きがなく悲観的な様相を呈している。ご自身でも精神的にも影響が出ているとのことから時間短縮の為、精神的尺度での評価はしていない
  • 手技での確認では腰仙部の多裂筋が主に痛みの原因であるように感じる
  • 股関節周囲の可動制限が著しい(開脚、合蹠、伸展、屈曲=全方向
  • 視診では上半身優位のお身体の使い方であることが予測される
    RDQ

    実際にご記入いただいたRDQ(ロールアンドモリス・ディサビリティスケール)

保存療法から考える、仮説診断

腰仙部の筋肉の筋硬結から慢性的な痛みを発する状態になっていて、3か月以上持続しているため脳が痛みのあることを通常であるものと記憶している。問診から抑うつ状態であることも伺える。

少し古い論文になりますが、慢性腰痛と鬱状態の関係性は研究されており、どのような帰属属性の方が慢性腰痛で鬱状態になりやすいかの研究もあります。(Love AW. Attributional style of depressed chronic low back patients. J Clin Psychol. 1988)

腰仙部の筋の痛みは可動性の消失によるものと考えられ、単に腰仙部のみならず関連する股関節や背面部全体を含めた身体全体の動きをリハビリテーションしていく必要がある。

また落ち込んだ気分に対しては認知行動療法を行っていく必要がある。

作業仮説

初回は手技による強めの筋操作を行い施術に耐えうることが確認できればマイオセラピーを2~4週毎受けてもらうことを勧める。

来院間隔が1か月に1回の為、自宅でのセルフケアが非常に重要になる。よって毎回運動療法を確認、修正していく必要がある。

カイロプラクティックによる手あて、マイオセラピーの経過

  1. 初回はカイロプラクティックを受けて頂く。指での強い押圧を患部に加えて、カイロプラクティックアジャストメントを行う。自宅での運動はスウェーデン式リラクゼーションエクササイズ(吸気、止気、吐息)を行ってもらう。気分的には少し楽になった。
  2. 週後に来院してもらいマイオセラピー2時間枠を受けてもらう。我慢強い方で初回から圧を高めに掛けられる。患部(患者の主観的腰痛部分)に直接触ってもらった感触が得られる。
  3. 2回目の治療で、印象的には効果がないように思われているが、細かく確認すると朝の通勤時にバイクに乗っていても痛みが出なくなった。その他は変化がない。
    ※回復過程で良くあることなのですが、良くなっている部分がご自身で見つけられない状況です。1~3回目の治療の間メールによるケアを行っていたが芳しい反応はない。
  4. マイオセラピーに加え、自宅で行っているというストレッチを確認するが方法、時間ともに不十分ということが確認されたため、「これは方法論的には間違っているが、このようなところまで行うことが大事である」ということをお伝えするために合蹠の膝に私が体重をかけて強引に開脚を行う。本人も理解してくださったようで、ご自宅で家族に手伝ってもらって柔軟体操をして頂けるようになった。
  5. 腰の柔軟性を取り戻すために股関節やバックラインの柔軟性も関わってくることを相談者本人が知り、マイオバイブで股関節やバックラインも治療を行う。
  6. 4回目の治療以降、ご本人も前向きになられ、日常生活は問題ないところまで回復。2017年9月現在、月1回計16回の来院です。

結果としての相談者の感想

(相談者談)来院を重ねる度に、生活スタイルが変化していきました。友人知人と飲みに行く回数が増えた。腰痛がある時は、座ると腰が痛くていても立ってもいられなくなる為、自然と飲み会に行くことが減っていた。

外出すること自体が億劫になっていたので、腰痛からの回復とともに以前のように種々のことに興味が湧くようになり外出する機会も増えました。(以前のようになった)

回復の過程を一言で表すとなんですか?

(相談者談)「脳と考えました。」

興味深い答えだったので確認してみると 「腰の痛みが先か、脳の状態が先かどっちが先か分かりませんが、腰痛の事を考えている時間が減ってきて今では殆ど考えません。」

車を運転する時、家で食事をするとき、電車に乗っても座れないくらい痛みを感じていたため、精神的にも大分追い込まれていました。

来院者の言葉59

座っていられない腰痛、院長の見解

深刻な状況の相談者は皆さんそうですが、最初のうちは幾らか回復していても回復を実感しづらいものです。

問診で細かい部分を聞いたりRDQを使って、できるようになったことを逐一確認することが大切です。1年も座れないくらいの状況ですと日常生活動作の多くができなくなっているとおもいます。

1つ2つとできることが増えているはずなのですが、そのことに着目するのが最初は難しいようです。最近の研究では脳の快楽中枢と下降性の疼痛抑制機能が低下しているのはNHKなどでもたびたび放送されていますよね。

これらのことをさらに調べていくと、「痛みが取れてきても嬉しい感情が湧かない」というのが論文でありました。少し脳の萎縮まで起きているようです。

この方は強引なストレッチによって4回目以降明らかに回復に向かっていることを実感できました。来院の度、来院の間にメールや電話でアフターフォローをしています。

勿論最初は煙たがられます。当然ですが相手には営業の電話に聞こえますし、

かなりお身体に負担のかかる方法をとりましたが、ご本人がありとあらゆる療法を試みて結果が出ていなかったのでくらいついて来てくれたのだと思っています。

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