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腰痛の原因には専門的には色々ありますが、基本的に慢性腰痛は、腰の動きが悪くなり血流の低下がおき続けた結果、ファシアと呼ばれる支持組織の硬化が主な原因の一つです。
ですから、腰や周辺のストレッチをして血流を回復させてあげる必要があります。
ただ、残念なのは「このストレッチをしたら腰痛が治る」という質の高い科学的データはありません。これを読んでいる方の多くはいろいろなストレッチや体操にこれまでも取り組んできたのだと思います。
なーんだ とがっかりされる方もいるでしょうが、それが本質かもしれません。
正直ちょっとガッカリしたけど、腰痛とストレッチの関係について真面目に正直に書いているんですね?
現在科学的に判っているのは、ヨガを一定期間行うことやコマ目にストレッチを行うとなど、「定期的に身体を動かす」ことが腰痛改善に向かう、ということです。
イランのトラックドライバー92人を対象とした研究では、休憩時の度にストレッチをするグループの方がただ休憩しているグループとくらべ、6週後、12週後の調査で腰痛改善になっていることが分かっています。
Ghasemi M, Khoshakhlagh AH, Ghanjal A, Yazdanirad S, Laal F. The impacts of rest breaks and stretching exercises on lower back pain among commercial truck drivers in Iran. Int J Occup Saf Ergon. 2020 Dec;26(4):662-669. doi: 10.1080/10803548.2018.1459093. Epub 2018 Jun 7. PMID: 29595088.
これは何を意味しているか。6週や12週のストレッチでは可動域が大きく改善することは無いと思いますが、目的である腰痛コントロールは達成されているという点です。
短時間のストレッチではポカポカ感じるまではいかないかもしれませんが、筋肉の伸張を行うことで血流が改善しますし、なによりも腰、骨盤、股関節の機能性が上がってきます。
腰を含めた全身の機能がアップした状態で生活を行うので、ストレッチをしていない生活と比較すると全体的に筋ポンプ作用によって血流が上がりますし、日常生活動作の向上が期待できます。
研究によるとストレッチは短時間で良いですから、こまめにストレッチするように心がけましょう。
臨床で皆様に説明していて思い浮かぶのは、運転免許を取得するときに習った、「1時間毎の休憩」です。
会社側も業務に余裕を持たせたほうが、結果的に業務効率が上がると思いますので、時間的なゆとりを運転手さんに持たせてあげることをおススメします。
なるほどね、まとめて15分とか取り組もうとするとハードルが高いけど、短時間でいいなら仕事の合間にもできそうね。
近年の研究で筋肉活動を行うことでマイオカインというホルモンが筋肉から放出されることが判ってきました。
このホルモンが脳や他の臓器に良い影響を与えるのも腰痛の軽減に役立っているのではないかと考えられます。
コマめに柔軟体操をすることは、デスクワークの方にとっても大切です。
労働者51人の労働者(ストレッチグループn = 21;ストレッチグループなしn = 30)を比較した場合、従来の休憩時間+αの休憩時間をつくってストレッチをすると腰痛の改善、眼精疲労の改善に確実に繋がります。
この研究では①4週間(1日あたり15分の休憩を2回=従来どおり)、②補助的な休憩で4週間(15分の休憩を2回と+1日あたり5分の休憩を4回)という形で比較された。結果は、PCデータ入力速度は、20分の作業時間を休憩時間に置き換えたにもかかわらず、作業出力が維持されるように、補足的な休憩を使用すると大幅に高速になりました。
ストレッチグループでは、労働者は従来の休憩の25%と補足の休憩の39%の間だけストレッチを報告しているので、補足休憩をとった方がストレッチに取りくみやすく20分作業時間を削っても、作業量は維持され、体調不良も減るのです。
Galinsky T, Swanson N, Sauter S, Dunkin R, Hurrell J, Schleifer L. Supplementary breaks and stretching exercises for data entry operators: a follow-up field study. Am J Ind Med. 2007 Jul;50(7):519-27. doi: 10.1002/ajim.20472. PMID: 17514726.
患者さんから良くある質問なのですが、「どれくらいストレッチをしたらいいですか?」と聞かれるのですが、1日5分×4 職場でとお答えしています。
イギリスの比較実験ですと、水中で行うストレッチが陸上で行うストレッチより腰痛に効果的だそうです。
水中ウォークをした時に中でストレッチしたら良いのかしら?アクアビクスは昔から耳にしますけど、水中ストレッチってあまり聞かないですよね。
アクアストレッチって探したことないけど、東京ならあるのかな?これからブレイクするのかな?(J Bodyw Mov Ther. 2017 Apr)
Keane LG. Comparing AquaStretch with supervised land based stretching for Chronic Lower Back Pain. J Bodyw Mov Ther. 2017 Apr;21(2):297-305. doi: 10.1016/j.jbmt.2016.07.004. Epub 2016 Aug 11. PMID: 28532872.
Googleサーチから察するに、水中でインストラクターさんに補助してもらい行う静的ストレッチのようです。参考:https://goo.gl/XhZ1ES(Googleの画像)
重力の影響が少ないので、ストレッチ初心者がよく陥りがちな「力づくで伸ばそう」という行為を回避できそうです。
また普段重力が掛かってブレーキがかかる部位が比較的スムースに動くのだと思います。
デメリットとしては水中で行うのでストレッチによる筋活動によって放出される熱エネルギーが水に吸収されることが予測されます。まあ陸上にあがれば水泳のようにポカポカしてくるのでしょう。
あと2人で行うようですから、一人でのんびりストレッチというわけにはいかないようです。
椅子で行う簡単なヨガでも理学療法と同じ効果があり、効果が持続するようです。
ヨガとストレッチの差は、瞑想をするかしないかという事だと思います。
ではヨガは腰痛にどれくらい効果があるのか?腰痛持ちの方で、ヨガを体験された方は体感的に判ることだとおもいますが、きれいさっぱり腰痛が無くなるわけではありません。
勿論個人差もありますが、これらのことについて言及してある論文を読んでみることにしましょう。レビューなので信頼度の高い論文です。
米・英・インドで行われた12件の比較対照試験をレビューした結果は
運動していないグループと比較して、ヨガを毎週行ったグループは3ヶ月と6ヶ月で背中の動きの改善が、小~中程度あり、低から中程度の確実性の証拠があります。
ヨガはまた、3ヶ月と6ヶ月の痛みに対してわずかに効果的かもしれませんが、効果量は最小の臨床的重要性の事前定義されたレベルを満たしていませんでした。
背中に関連する機能や痛みについて、ヨガと他の運動との間に違いがあるかどうか、または運動に追加されたヨガが運動のみよりも効果的であるかどうかは不明です。
(Wieland LS, Skoetz N, Pilkington K, Vempati R, D’Adamo CR, Berman BM. Yoga treatment for chronic non-specific low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2017 Jan 12)
臨床研究と広告の違いはこれだけあるのかと思い知らされますが、この結果を見ると微妙ながらも、ほぼ確実に「少しは改善する」と言えます。最上級の研究は、厳しく批判的に結果を出すので、このような表現になります。
実際、腰痛や脊柱(背骨)のリハビリテーションに、ヨガの手法は多くとりいれられており古くて新しい治療方法であるといえます。
イギリスの13の非国民保健サービスで調査されました。
対象患者:慢性または再発性腰痛症313成人。この方々をヨガケアで156人・通常のケア157人を比較した。条件として、すべての参加者は背中の痛みの教育の小冊子を受け取っています。ヨガ介入群は、3ヶ月で12クラスに出席(週に1回ですね)。徐々に進行してヨガのプログラムを提供された。
通常介入群は、レントゲン→湿布みたいな感じです。結果 通常ケア群と比べたヨガ群の調整平均ローランド-モリス機能障害質問票(RMDQ)スコアは、3、6、12カ月の各時点で2.17、1.48、1.57ポイントそれぞれ低く、腰部機能改善の程度は大きかったようです。
http://www.annals.org/content/155/9/569.abstract
この研究では、ヨガが非常にすぐれていることがわかるが、通常ストレッチとくらべて、どうだろうか。
ヨガと通常ストレッチが腰痛に対して、どのような効果差があるかについては、差がないという研究があるけれど私個人はヨガのほうが好きです。
今後も、考察していきたいテーマですね。
ヨガは日本では現在第二次ブームの延長で特に女性で流行っていますが、言わずと知れた印度を発症とする修行法の一つです。一般的にはハタ・ヨーガとよばれるジャンルのヨーガで、何らかのポーズを瞑想を深める為にとっていきます。
ここ数年の腰痛研究に出されるヨガもハタヨガです。ストレッチと大きく違う点は「瞑想」をする時間が有るか無いかです。ヨガ関連の近年のf-MRI、生化学的研究ではポーズをとった後に軽いリラックスする時間が30秒以上あると「小脳」(運動を司る部分)にある種のたんぱく質が付着して今行った運動、ポーズを小脳が覚えるのだそうです。
逆に言うとこの30秒のリラックスタイムが無いと今行った運動を脳が覚えないということです。このとこは行った動作を日常生活に活かせないということです。今まで通りのライフスタイルになれば腰痛への効果は下がると考えられます。
数千年前に印度で始まり7、800年前に完全に体系化されたヒンドゥ教の修行法のヨーガですが、経験則から瞑想する時間が必要であることを知っていたわけですね。流石印度人!
また「瞑想」と表現すると宗教色があって嫌うからもいらっしゃいますが、ここ数年では「マインドフルネス」というすっきりとしたカタカナが出てきました。こちらも科学的に認知パフォーマンスの向上が認められた方法です。
シリコンバレーにある世界的企業はマインドフルネスを積極的にとりいれて生産性を高めていることでも知られています。
システマティックレビュー(最高レベルの研究)においてもヨガは慢性腰痛患者に僅かながらではありますが、効果的であることが証明されています。
看護師さんにヨガを処方した場合、痛みの軽減と、痛による活動障害が減ります。また精神的、社会的、身体的なクオリティーオブライフ(QOL)が向上して、働きやすく、生きやすくなることが研究で判っています。
(Patil NJ, Nagaratna R, Tekur P, Manohar PV, Bhargav H, Patil D. A Randomized Trial Comparing Effect of Yoga and Exercises on Quality of Life in among nursing population with Chronic Low Back Pain. Int J Yoga. 2018 Sep-Dec;11)
精神面への効果はこれからのようですが、期待できそうですね。
ストレッチをして腰痛が改善するのはさまざまな理由がありますが、その一つに身体の使い方の変化があります。
ある部分が動くようになると、他の部分が違う動きになったり、身体全体の動きそのものが変化します。
global postural reeducation (GPR) というゆっくりとした自動的な動きに呼吸法を合わせたストレッチングも腰痛には有効であることが判っています。
Lawand P, Lombardi Júnior I, Jones A, Sardim C, Ribeiro LH, Natour J. Effect of a muscle stretching program using the global postural reeducation method for patients with chronic low back pain: A randomized controlled trial. Joint Bone Spine. 2015 Jul;82(4):272-7. doi: 10.1016/j.jbspin.2015.01.015. Epub 2015 Apr 13. PMID: 25881758.
私は体験したことないのですが、動画を見ると姿勢の再教育を丁寧に行う、その過程で何故腰に痛みが出るのかを確認できるような内容になっているようです。
腰部を無理なく使うよう、普段使いで癖づいている脊柱や四肢のストレッチが入っているのが動画から見て取れます。
静的なストレッチよりは効果があるようですが指導者がいないとできないでしょう。
ストレッチを続けても腰痛があ取れない場合は、筋肉の塊が腰にあることが多いです。
コブのあるゴムバンドを想像してみてください。途中でコブがあると他の部分は伸びてもコブの部分は伸びないはずです。その部分が痛みを主に出している場合(多くの場合がそう)は痛みが思ったより減ってこないです。
このことが冒頭に書いた身体が柔らかい人でも腰痛がある方の理由の一つです。こういったコブ状になっている場合は物理的にコブを潰していくことが必要なので、針治療、指圧、マイオセラピーなどで部分的に押してもらってください。
またカイロプラクティックのアジャストメントは筋が付着している関節を動かします。筋の塊があれば当然関節も動かなくなっているわけで、関節が原因になっている腰痛にも効果的です。
腰痛へのストレッチは毎日こまめに行うことで効果がでてきます。ご自身のライフスタイルに合わせてコマめにストレッチできる時間を見つけましょう。手の込んだストレッチでなくてもいいのです。
水中ストレッチやヨガは確実に効果がありますから「自分ではちょっと」という方は週に1回からでよいので教室に通ってみましょう。難しいいポーズや難易度の高いことはやらなくてもいいのです。
いろいろやってみても効果が感じられない時はカイロプラクティックや指圧などの治療を受けに行くのもいいですよ。