マッサージは駅前にあり気軽に利用できて便利です。しかしマッサージだけでは凝りや痛みといった筋骨格系の問題が解決に向かわないこともあります。
このページはデスクワークの20代女性へのカイロプラクティックの症例です。一つでも参考になる部分があれば幸いです。
目次
2カ月で肩から背中まで広がった痛み
事務仕事は座りっぱなしで一見楽そうに見えるのですが、背中を診る仕事をしているものから見ると一番大変なお仕事といえます。
理由は就業年数が増えれば増えるほど、背中が硬くなる傾向が強いからです。その中でも定期的な運動 をしていない方は顕著です。
初診時の訴え
マッサージでは取り切れない背中の痛みの場合 イメージ
IT関係の仕事で丸1日中デスクワークの毎日が続いています。 もともとは肩こりだけだったのですが、ここ2カ月で背中まで広がって痛みだして息苦しいです。呼吸もしづらいです。
デスクワークの方は肉体労働の方に比べると圧倒的に背中が硬いです。 背中が苦しいまでいってしまうと、背骨や肋骨の機能がかなり低下していることが予測されます。
病院では原因不明
実はこちらに来る前に病院に行ったのですが、原因が判らないと言われました…
マッサージに数回足を運びましたが、良くならないんです。 原因が判らず心配です…
極端な運動不足であることを確認している
触診・可動触診で機能低下は著しい
カイロプラクティックでは筋骨格系を中心に身体の機能を評価します。
人間は動物です。人間の身体は動くためにデザインされています。椅子に座りっぱなしの生活では本来ある働きを果たせません。
脊柱起立筋群の緊張が著しい
脊柱の伸長性能低下
胸郭のバケットハンドル運動の低下
状態、症状の事実と根拠を反証しながら生活習慣を見直す
上記の機能低下を徒手治療し、ラジオ体操を習慣づける、生活習慣を随時見直す
次の論文からも分かるように、慢性痛には背骨の矯正やヨガなどの運動が効果的なことが明らかです。今回はラジオ体操を日々行ってもらうようお伝えして、実践してもらいました。
慢性腰痛の治療 におけるヨガの長期的な有効性については、短期的な有効性については強力なエビデンスがあり、中等度の質のエビデンスがあります。
さまざまな脊椎マニピュレーション テクニック (オステオパシー マニピュレーション治療、脊椎マニピュレーション治療) は、急性および慢性の状況でさまざまな利点を示しています。
マッケンジー法などの理学療法は、腰痛の再発や医療費の削減につながる可能性がある。マッケンジー法などの理学療法は、腰痛の再発 や医療の利用を減らせる。
予後について患者を教育し、併存する心理的問題や治療の障壁を特定するなど心理社会的ケア 要素を組み込むことは、長期管理の重要な要素です。
Will JS, Bury DC, Miller JA. Mechanical Low Back Pain. Am Fam Physician. 2018 Oct 1;98(7):421-428. PMID: 30252425.
ラジオ体操はお伝えしやすく、効果が高い
最初は揉みかえしがあったが、キチンと説明をうけていたので心配なかった。 来院の度に、身体の機能がいかに低下しているかが理解できた。 もともとあった肩コリもなくなっっていき、先生のおかげで身体がとても楽になりました。
院長コメント:「身体は素直」
カイロプラクティックはヘルスケアの専門職ですから背骨の矯正は勿論行うのですが、患者さんにとって一番費用が掛からず、継続できることを判断しお伝えします。
ラジオ体操を早期に取り入れ、継続して行ってもらうことで早期に回復を実感できた症例になります。
お身体はとても正直で、背中も動かしていない時間が長くなると、ものすごく硬くなってきてしまいます。
背骨周囲の筋肉は4層、5層となっていますので、フォームローラーなどの自重ケアだけでは届かないことも少なくありません。
これが高じて肋骨の動きも低下してくると本症例のように息苦しくなります。
カイロプラクティックは動的な機能を中心に人間の身体を評価、施術、ケアする学問です。
背骨の関節の「動きの低下」はレントゲン等には映りません。人間の手で検査をして、手あてをする必要があります。
PC作業の方は背骨の周囲が必ず硬直してきますので、長い目で見て運動習慣は必須です。なるべく効果的な運動を適宜お伝えしています。それでも最初の内は背中を調整して、やる気が出るのをサポートしてもらうのが得策です。