カイロプラクティックの症例を通してみる、腕の痺れが保存療法で改善するという例を示したページです。先ずは腕の痺れが基本的に保存療法で管理するものであることの証拠から記します。
基本的に腕の症状が出てから最低でも6週間は保存療法(非手術)を進めることで世界的なコンセンサスが得られています。75%〜90%の患者が非手術的ケアで症状の改善を達成していることが報告されています。
Woods BI, Hilibrand AS. Cervical radiculopathy: epidemiology, etiology, diagnosis, and treatment. J Spinal Disord Tech. 2015 Jun;28(5):E251-9. doi: 10.1097/BSD.0000000000000284. PMID: 25985461.
その上で、カイロプラクティックではどのような経過であったかを確認します。
目次
病院で頸椎ヘルニアと診断を受けて2カ月
頚部の神経根症状≒いわゆる腕の痺れ(Cervical radiculopathy )は比較的一般的な神経学的障害であり、これはしばしば機械的圧迫が原因とされています。
整形外科診断後2カ月経過 脇から手のひらへの痺れ
一般的に日本では手の痺れで最初からカイロプラクティックを選択する方は少ないと思いますので、多く方が整形外科を受診して変化が無いので、他の選択肢の一つとしてカイロプラクティックを受診することが多いです。
経過や状況は似ているところがある方も多いですので、ご参考ください。
40代女性 整形外科での診断状況
- 左の脇の下から左腕から左手にかけて痺れ・・・
- 整形外科の画像診断で頚椎5番6番間にヘルニアと診断を受ける
- 整形外科で、牽引治療とビタミン剤を処方されるが、2カ月間通院しても変化が全く無い
このような状況の方も多いと思います。
初診時の痛みと状態
- 頚椎周囲の筋肉が硬直したような状態
- 加工作業時に左腕から手にかけてジーンとした痺れ感(座ってる姿勢)
- 日常生活には支障はない
- バイクに乗る姿勢も症状が出やすい
毎回の確認で明確になってきたのが、仕事での加工作業時とバイクの運転中に症状が目立つ。
このような場合、作業姿勢に関わる筋骨格系の緊張が問題であることが多い。
カイロプラクティックの検査と施術 7回来院で9割回復
- サーヴィカルコンプレッションテスト+な為、頚胸部の椎間関節の機能障害をアジャストメント
- 頚椎から胸椎にかけての筋緊張を取り除く
- マッケンジーエクササイズなどの運動療法を毎回お伝えするものの日常生活で行うのは無理でした。
- 能動治療(アクティブケア)は本人が行えず…
2か月経過していると、慢性の症状に移行してきていると考えます。慢性疼痛は取り去るというより「管理をする」という考え方が主流になります。痛みに関わらず、充実した生活を送るようにすることが重要。
Hylands-White N, Duarte RV, Raphael JH. An overview of treatment approaches for chronic pain management. Rheumatol Int. 2017 Jan;37(1):29-42. doi: 10.1007/s00296-016-3481-8. Epub 2016 Apr 23. PMID: 27107994.
なんとか慢性疼痛になる前で痛みを極力取り除いておきたいところでしたが、9割の回復にとどまりました。
ご感想:ずっと痛かったのが、来院を重ねると少しずつではあるが、症状が出る日と出ない日がでるようになった。
バイクに乗る時だけ少し気になる症状が残っています
カイロプラクティックでは神経根症状(背骨の神経が出ているところ)の動きを回復させることで、神経の流れを回復させるという仮説のもと頚椎の施術を行います。
神経の流れを回復させるというのは、あくまでも理論的な話で、証明されているわけではありません。ここで重要なのは臨床上、脊椎マニピュレーションを行うことで腕の症状(神経根症状)が改善するケースもあるということです。
院長のコメント…ある程度通院することの重要性をお伝えしたいと思います。7回の来院で90%は回復しました。すこし症状が残っていたようですが、ほぼ回復したようで安心しました。5回目くらいの来院の時はどれくらいまで回復するか微妙でしたが、カイロプラクティックによる脊椎マニピュレーション(背骨の矯正)で首の関節動作が少しずつ回復したのだと思います。
関節や筋肉からの四肢症状は多い
腕や手の痺れはヘルニアと診断を受けていても関節や筋肉から出ていることが多いです。関連痛と呼ばれるものです。
これは当院で理学検査、手技での確認を受けると実感できると思います。痺れが出る部分と解剖学的な知識を得ることで、どのようにして行けば回復するかご自身で実感するのです。
病院へ行っても回復してこないようであれば1ヶ月くらいを目安に来院するのをおススメします。
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