ぎっくり腰は人口の80%ほどの方が人生の中で一度は経験します。そして、その中の70%ほどの方に再発があるとデータは示しています。
8回ぎっくり腰を経験している方は少ないかもしれませんが、人生において複数回ぎっくり腰を経験している方の参考になる部分があれば幸いです。
目次
8回目のぎっくり腰へ何ができるか?症例から考える
もともと腰痛持ちの方だが、年末で疲れが蓄積されていたものの、久しぶりのぎっくり腰が朝起きた。良くあるケースです。どのような症例だったのか具体的に見ていきましょう。
- 朝テレビを観ていて、起き上がろうとしたときに力が入らなくなっていて、立ち上がれなかった。
- もともと身体を動かすのが好きなので、カブスに週2.3回通っている。
- 過去にはフルマラソンに4回程出場しているが膝を痛めてからは走っていない。
- 友人の御紹介で来院
この方のように、運動習慣があってもぎっくり腰を繰り返す方もいらっしゃいます。そのような方は、背骨の使い方を工夫する必要があると思います。
腰痛の具体的な状態
- 昨日は這ってトイレに行くほどだったが今日は何とか歩ける(現在の痛みは7/10)
- 動作の始めが痛い
- 動き出せば少しずつ楽になる
- 前屈は怖くてできない
- 過去にMRIで椎間板の変形は指摘されている
- 過去にランニングで左膝の靭帯をいためている
- 気管支喘息の診断が出て4年になる。風邪の後に咳が残るのは30年ほど前からある
典型的な非特異的腰痛だと思われました。この方の場合は慢性腰痛が悪化して腰の強張りが限界に達した為に急激な痛みになったのが原因だと考えられます。
過去に病院で椎間板の変形を指摘されているが、外科的な治療は行っておらず、セカンドオピニオンも含めて意見を聞きたいということでしたので、海外では手術を勧めていないことを紹介しました。
カイロプラクティックで行った対応
- 海外の腰痛ガイドラインに沿った内容を提供することを最初に説明します。問診や検査の結果、大きなストレス問題はないので1か月で自然治癒していくことを説明する。
- その上で凝り固まった腰部の筋肉群に緩和操作を徹底して行い、カイロプラクティック・アジャストメント(背骨の関節矯正)
- カイロプラクティックは回復を急速に早めることを説明する。多くの場合、2.3日の間に痛みが急速に減る
- セルフケアも重要ですので、自宅での呼吸法と温めることを宿題にしてもらう。
年末年始を挟んで6日後に再来してもらった時は、痛みは3/10ほどで心配なく仕事始めを迎えられたようでした。腰は大丈夫そうなので、もともとあった膝も診てもらいたいということで、膝と腰のケアを行う。
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カイロプラクティックは初めての来院時に問診をしっかり行います。
これは相談者の病歴を把握することで、それぞれの症状や病気の関連性を見つけだすのに有益ですし、カイロプラクティックの禁忌(癌や大動脈瘤などが原因の腰痛など)を見つけるのにも役立ちます。
腰痛の再発防止には運動が必要ですが、この方のように運動をしていても再発することは良くあります。再発予防に関してはこちらの記事をお読みください。
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そして初診時は特にストレス環境下にないかということを確認することが大切です。世界の腰痛診療ガイドライン、日本の腰痛診療ガイドラインにも腰痛の原因の一つが「ストレス」と書かれているように、背景に大きなストレスを抱えこんでいる腰痛も少なくありません。
より安全なカイロプラクティックを受けるにはWHO基準、正規のカイロプラクティック教育を受けた治療院を探すと受けられます。問診が煩わしいと思ってもご自身の事ですから、しっかりと受け答えしていただけると、より良いカイロプラクティックケアに繋がると思います。