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伊藤孝英
院長
B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアを行っています。

腰痛関連のエビデンス

カイロプラクティックを利用する方の訴えで一番多い腰痛。

世界各国の腰痛診療ガイドラインの「推奨される治療法」に脊椎マニピュレーション(背骨、骨盤矯正)が含まれないことはありません。

このページではカイロプラクティックの臨床に関わりのある手技、脊椎マニピュレーションや軟部組織テクニック、患者教育などを中心にエビデンス、科学的根拠をご紹介します。※ページの上部から新しものになります。

現在は各国の腰痛診療ガイドライン自体が批判的評価の対象になり、さらに精度の高い結果が記載

目次

カイロの特徴:脊椎マニピュレーション

そのまんま

背骨、骨盤と言えばカイロプラクティックという様に、我々は脊椎徒手療法の専門家

先ずは2016年に出された腰痛ガイドラインのレビューから、どのような方向性で腰痛を管理するのかの基本です。

2005~2014年に発行した腰痛症管理ガイドラインを最良の原則で統合

13のガイドラインが評価の対象。結果分ったこと。
(1)急性または慢性LBPのすべての患者は、自己管理オプションに関する教育、安心、および指導を受ける必要がある。
(2)急性腰痛の患者は活動に戻るように奨励されるべきであり、パラセタモール、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、または脊椎マニピュレーションの恩恵を受ける可能性がある。

(3)慢性腰痛の管理には、運動、パラセタモールまたはNSAID、手技療法、鍼治療、およびマルチモーダルリハビリテーション(身体的および心理的治療の組み合わせ)が含まれる場合がある。
(4)神経根症を伴う腰椎椎間板ヘルニアの患者は、脊椎マニピュレーションの恩恵を受ける可能性がある。
ほとんどのガイドラインは非特異的腰痛を対象としており、教育、活動/運動の継続、手技療法、および一次治療としてパラセタモールまたはNSAIDを推奨。
急性腰痛にパラセタモール(アセトアミノフェン)を使用するという推奨は、最近のエビデンスによって異議を唱えられており、再検討する必要がある。

Wong JJ, Côté P, Sutton DA, Randhawa K, Yu H, Varatharajan S, Goldgrub R, Nordin M, Gross DP, Shearer HM, Carroll LJ, Stern PJ, Ameis A, Southerst D, Mior S, Stupar M, Varatharajan T, Taylor-Vaisey A. Clinical practice guidelines for the noninvasive management of low back pain: A systematic review by the Ontario Protocol for Traffic Injury Management (OPTIMa) Collaboration. Eur J Pain. 2017 Feb;21(2):201-216. doi: 10.1002/ejp.931. Epub 2016 Oct 6. PMID: 27712027.
男性医師

ある意味この高品質の論文で全てを伝えています。これは医師への提言です。
腰痛ケアとして最初に必ず行われるのは、【腰痛教育、安心を得る、指導】です。
注意していただきたいのは、ここに【画像診断】と書かれていない部分です。意味がないどころか、腰痛管理に悪影響があるからです

脊椎矯正は腰痛 首痛に極めて有効

腰痛に対してもはっきりとした根拠が示されてのは1990年代後半からです。2000年代に入り確定的になります。

体系的レビュー2004年
腰痛
急性腰痛にはこれまでの研究で既に決定的に効果があることが証明さている。急性腰痛へのカイロプラクティックは理学療法や物理療法よりも早く回復します。

慢性腰痛には非ステロイド性抗炎症薬と同様の効果を持つという中等度の証拠がある。
カイロプラクティックは、一般開業医の従来の腰痛対応やプラセボより短期的には効果的であり、長期的には理学療法より優れている。

カイロプラクティックは慢性腰痛に、短期的には理学療法や自宅での腰へのエクササイズ運動よりも効果的という中等度の証拠があります。カイロ治療は慢性腰痛に長期的にみても理学療法や自宅でのエクササイズより有効という中等度の証拠があります。

椎間板ヘルニア
カイロプラクティックは椎間板ヘルニアに対して、短期的には偽カイロ治療や科学的髄核分解術より優れている。
腰部椎間板ヘルニアの手術後に残る痛みに対して、カイロプラクティック、モビリゼーションはマッケンジー療法、医療、理学療法士の処置と比べて同等以上の効果が短期、長期的にある。

Bronfort G, Haas M, Evans RL, Bouter LM. Efficacy of spinal manipulation and mobilization for low back pain and neck pain: a systematic review and best evidence synthesis. Spine J. 2004 May-Jun;4(3):335-56. doi: 10.1016/j.spinee.2003.06.002. PMID: 15125860.

慢性腰痛・亜急性腰痛(4~12週)のいずれにも効果的

米国疼痛学会/米国医師会臨床診療ガイドラインのレビュー2007年
認知行動療法、運動、脊椎マニピュレーション、および集学的リハビリテーションはすべての慢性または亜急性(4週間持続)の腰痛のために適度に有効であるという十分な証拠を確認した。

Chou R, Huffman LH; American Pain Society; American College of Physicians. Nonpharmacologic therapies for acute and chronic low back pain: a review of the evidence for an American Pain Society/American College of Physicians clinical practice guideline. Ann Intern Med. 2007 Oct 2;147(7):492-504. doi: 10.7326/0003-4819-147-7-200710020-00007. Erratum in: Ann Intern Med. 2008 Feb 5;148(3):247-8. PMID: 17909210.

第一級のエビデンスである体系的レビューによって、腰痛に対するカイロプラクティックの効果が示唆されたことになります。当院で認知行動療法を取り入れていたのは、このガイドラインに認知行動療法が有効であると明記されていたからです。

男性医師

これらのレビューに「適度に有効」という記載なのはより、厳密に調査されているからです。絶対に有効であるとは書けません。魔法のような効果を期待するのはやめましょう。

ぎっくり腰は急速に回復

1987年の比較対照試験 ぎっくり腰は急速に回復
18~40歳までの急性腰痛患者を対象に4週間追跡したRCTによると、モビリゼーション群とマニピュレーション群の改善率は4週間後には差がなくなるものの、脊椎マニピュレーション群は最初の1週間で急速に改善することが判明。

Hadler NM, Curtis P, Gillings DB, Stinnett S. A benefit of spinal manipulation as adjunctive therapy for acute low-back pain: a stratified controlled trial. Spine (Phila Pa 1976). 1987 Sep;12(7):702-6. PMID: 2961085.

Clinical Guidelines for the Management of Acute Low Back Pain 急性腰痛のガイドライン
急性あるいは亜急性腰痛に対する脊椎マニピュレーションは、他の治療法に比べて短期間で疼痛および活動障害の改善、ならびに患者の満足度という点でより高い効果が得られる(★★★)。

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慢性腰痛への効果 ヨーロッパガイドライン

当初はぎっくり腰のような急性腰痛への効果が研究対象でしたが、慢性腰痛への研究も2000年前後から精緻に行われるようになりました。現在では急性腰痛よりも慢性腰痛への効果のほうが優れているとされています。

慢性腰痛に関する世界初の診療ガイドラインのヨーロッパガイドラインにおいて、慢性腰痛への脊椎マニピュレーションの効果が記載されました。脊椎マニピュレーションは慢性腰痛にたいして効果的であることが明記してあります。

ヨーロッパの腰痛診療ガイドライン (European COST2004)

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