

「肩甲骨が痛い」と表現する患者さんは少なくありません。実際に肩甲骨自体が痛むことは極めて少ないです。
実際には肩甲骨周囲の筋肉組織であったり、背骨や肋骨、首の関節からの関連痛であることが多いです。
肩甲骨周囲の痛みを3か月抱えていて、医療機関やマッサージなどいろいろと回られて、これといって原因が解らない為に不安を抱えていらっしゃいました。
医療機関やマッサージとは違う視点のカイロプラクティックですと本症例のように発見できることもあります。
先ず確認しておきたいのは、同じように筋肉が張っていても、精神的ストレスを感じている時の方が痛みは出やすいです。
そのことは頭に置いておいてください。あまりにストレスが強いと、ストレス対処も治療を進める上で重要になってきます。
ストレスを抱えていると肩甲骨周囲に限らず痛みがでやすい
ストレスが多いとアジア人は痛みを訴えることが多いという調査があります。
1999年の世界保健機関のデータから言えるのは、心理的問題に関するデータを用いて14ヶ国の患者25,916名を分析した結果、非西洋諸国でプライマリ-ケアを訪れる気分の落ち込み患者の約70%は身体症状を主訴として受診しており、最も一般的な症状は痛みに関連するものであることが判明
Simon GE, VonKorff M, Piccinelli M, Fullerton C, Ormel J. An international study of the relation between somatic symptoms and depression. N Engl J Med. 1999 Oct 28;341(18):1329-35. doi: 10.1056/NEJM199910283411801. PMID: 10536124.
この方が気分の落ち込みだったとは申しませんが、このように心理的ストレスは痛みを生み出すということを念頭に置いておくといいでしょう。
このような身体症状は大きな病気の入口と考えておいた方がいいです。ストレス状態が続けば身体は解糖系を中心としたエネルギー生成になり、冷えが生じてくるからです。
・マッサージ、医療機関で改善しなかった肩甲骨、上背部の痛み
・肩甲骨周りの痛みは常にあり、デスクワークをしていると特に気になる
・痛みでイライラして仕事に集中できない
・原因がわからないから不安である 変な病気かもしれない…
同様のカイロ治療を1週毎に4回行いました。痛みは施術の後にとても楽になりますが、症状が安定するまでは何度か施術を繰り返す必要はあります。
カイロプラクティックは筋骨格系の専門家なので全身あらゆる関節を評価します
施術後は、かなりすっきりしました。数週間肩甲骨まわりが痛かったのが嘘のように楽になりました。いままで肋骨の動きが悪いなんて指摘してもらったことがないので、あらたな発見です。アジャストメントの音にはビックリしましたが痛みはなくスッキリしました。
デスクワークが多くなって上背部や肩甲骨の痛みを憶える方は多いです。
肩甲骨には沢山の筋肉が付着して実に多彩な動きをするものですが、デスクワークを毎日長時間行っていますとどうしても機能が低下して動きが制限されてしまいます。
首から肩甲骨につく肩甲挙筋、腕から肩甲骨を通って腰まで到達する広背筋など実に多くの筋肉が肩甲骨には付着しています。
肩甲骨から遠く離れた筋肉や関節からの関連痛として肩甲骨のあたりがモワッと痛いということも珍しくありません。
この方は首から肋骨に伸びている斜角筋という筋肉に問題も見つかっています。
それに加えて、肩甲骨は胸郭の上を動いています。胸郭を作っている肋骨が何本も走っていますから、それらが背骨と構成する肋横突関節が固まってしまっていました。
みなさんは痛みやコリ感が筋肉からのみくるものだと思いがちですが、関節やそれらをとりまく靭帯構造からも生まれます。
関節や筋の機能不全は線維化を招きやすいのですが、これが何を意味するかというとミトコンドリアの数が減ってきます。
ミトコンドリアの減少は電子伝達系での熱産生を減らしますから、必然的に局部の冷えによる血流不全が起こり、痛みの慢性化が起こり、2次3次の痛みへと移行していきます。
関節の動きを素早く回復させるのはカイロプラクターの得意分野ですので、気になる方はお近くのカイロプラクティックに相談されることをおススメします。