顎関節症のエビデンス

顎に何らかの症状、つまり口の開閉時に違和感があったり、喰いしばりすぎて頬が痛い、口の開閉が上手くいかない、顎周囲が気になって仕方がない、などなど顎関節周囲に問題を抱え、救けを必要としている方は多いです。これらの諸症状をまとめて「顎関節症」と一般的には呼ばれています。

日本社会での一般的な治療の流れとして、

  1. 顎周辺に違和感を認識する
  2. 歯科に相談してマウスピースなどを装着
  3. 解決されないので大学病院を紹介してもらい受診する
  4. かみ合わせなどを精密に見直し、再度マウスピースを作成して試してみる
  5. 大きな変化を自覚しないまま年月が過ぎていく 

という流れが多いと聞きます。この流れの中でご自身の症状の根本原因が発見できれば良いことですが、そうでない場合は、別のアプローチを考えたほうが良いです。

カイロプラクティックなど手技療法のエビデンス

2016年に行われた手技療法の顎関節症へのメタ分析による系統的レビュー
顎関節症への筋骨格系の手技療法は、顎関節症の治療に効果的なことが300以上の論文を調べて分かった。
とくに短期的には他の保存的治療と比較した場合、より大きな効果があります。

Martins WR, Blasczyk JC, Aparecida Furlan de Oliveira M, Lagôa Gonçalves KF, Bonini-Rocha AC, Dugailly PM, de Oliveira RJ. Efficacy of musculoskeletal manual approach in the treatment of temporomandibular joint disorder: A systematic review with meta-analysis. Man Ther. 2016 Feb;21:10-7. doi: 10.1016/j.math.2015.06.009. Epub 2015 Jun 25. PMID: 26144684.
そのまんま
そのまんま

以前は西洋医学側から訝しがられていた、顎関節症への手技療法ですが、これでカイロプラクティックが顎関節症に有効であることは証明されました。

この論文からも分かるように、短期的により効果があります。
中期、長期にも有効であるためには、顎の運動を日々、リハビリテーションで行ってもうらう必要があります。

顎関節症に対する手技療法と運動療法の有効性:系統的レビューとメタ分析2016
この系統的レビューの全体的なエビデンスは低く、ほとんどの効果量は低から中程度であり、顎関節症の他の保存的治療に対する運動の優位性を明確に示すものはありませんでした。

しかし手技療法を単独で、または顎または頸部レベルでのエクササイズと組み合わせた場合、有望な効果が示されました

Armijo-Olivo S, Pitance L, Singh V, Neto F, Thie N, Michelotti A. Effectiveness of Manual Therapy and Therapeutic Exercise for Temporomandibular Disorders: Systematic Review and Meta-Analysis. Phys Ther. 2016 Jan;96(1):9-25. doi: 10.2522/ptj.20140548. Epub 2015 Aug 20. PMID: 26294683; PMCID: PMC4706597.

あたり前のことですが、手技で可動域を確保して、家で毎日動かしてあげる。そうすると、その可動域を確保できます。筋肉が硬いと可動性は落ちますので、それらをリリースしてあげるのです。

顎関節症の解剖学

一般的に顎関節症は名前のとおり顎を形成する関節、つまり下顎骨の関節突起の下顎頭(Caput mandibulae)と、側頭骨の下顎窩(Fossa mandibularis)からなる関節を指します。

下顎頭

赤丸で囲んだ部分は下顎頭。
しかしこの部分が関連して痛みを出していることは少ない。

狭義の顎関節症は、下顎頭と下顎窩からなるいわゆる「顎関節」の不具合を指して言いますが、実際には顎関節自体に不具合があって諸症状がでていることは少なく、口を開けたり閉じたりする開閉運動に関係する筋肉群、とくに咬筋に筋硬結があり症状に関連していることが多いと私は思います。

顎関節の図
関節円板の位置と顎を動かす筋肉群

①カイロプラクティックで改善が見込めそうなタイプの顎関節症

カイロプラクティックそのまんまサンシャインは顎関節症についても対応可能です。顎関節症と一括りにくくっても、「大きく症状の改善が見込める状態」と「改善は難しい状態」に分かれます。

筋肉のアンバランス、筋が硬くなっている

カイロプラクティックで大きく改善が見込める顎関節症は、筋肉性の顎関節症で、いわゆる顎回りの筋肉のバランスが崩れていることが原因で起こっいるものです。

通常、顎関節症を含めた、顎回りの症例に手技療法を行う場合筋肉操作が必ず必要であることが2013年のシステマティックレビューで判ってきたことです。

Brantingham JW, Cassa TK, Bonnefin D, et al.a systematic review. J Manipulative Physiol Ther. 2013
コホート研究
エビデンスレベルの表、体系的レビュー、システマティックレビューはレベルが一番高い研究です。

ある日突然顎が開かなくなった、空きづらくなった、モノを嚙むときに違和感がある、口を開けるとき、閉じるときにカクっとなるなど様々な症状があります。顎回りが急に痛くなったり、食事を噛むときに痛むは筋肉が原因の事が多いです。このような顎関節症は回復が見込めます。

多くの場合はこの筋肉バランスが崩れて起こっている顎関節症だと私は思います。筋肉の調整で改善が見込めるのですが、罹患期間が長ければ長いほど筋肉の癖がついているので改善に来院回数を要します。

②カイロプラクティックで改善が難しい顎関節症

逆にさほど改善が見込めない顎関節症は、顎関節の関節円板が損傷してしまっている場合です。外傷や無理なそしゃくなどで下顎骨と側頭骨の連結部分にある軟骨組織が痛んだり変形しているとカイロプラクティックでは回復が難しいです。

この場合関節運動を行うとジョリジョリした音が顎関節に現れることが多いとされています。

関節の根元組織が変形しているので、手技療法では期待するような改善は難しいですが負担が掛かてっている部分をリリースしたり、正常な動きを促してあげることで比較的楽な状況を一時的に作ることは可能です。

カイロプラクティックは顎関節症へ選択肢のひとつ

お世話になっている歯科医の先生に質問をさせて頂いたところマウスピースでの対応がメインだが、マジメに顎関節症の研究を続けている先生の中には首のマッサージをしたりする歯科医師も居らっしゃるということで、筋骨格系へのアプローチも十分に効果が見込まれます。

頭・顎の症状
頭痛のような頭にある症状、顎関節症のような顎周囲の症状をまとめてあります。中延/西大井周辺でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

古典的カイロプラクティックからみた顎関節症

カイロプラクティックの教科書には顎関節の運動起点が第2頸椎にあるとあります。顎の関節の動きの延長線上にある軸点ですね。実際に第2頸椎を触知しながら顎運動を行ってもらうと顎の開閉運動がスムースになる相談者もおられます。

この場合は頸椎の機能不全が大きく顎関節運動の異常に関わってることが考えられるため、第2頸椎のアジャストメントを行っていきます。勿論顎関節症においても、すべての動きは連動しているので他の部位も調節をしていきます。

脊柱模型の第2頸椎
顎の関節の動きの支点といわれる第二頸椎

ご相談はお気軽にご連絡ください

他の療法で効果が得られなかった方や、再発している方、癖になっている方など、ご相談はお気軽にお寄せください。カイロプラクティックが顎関節症の方のお役に立てることも多くございます。

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