54歳女性が左のおしりから左の足首にかけてのしびれ感を訴えて来院されました。原因は、一ヶ月前の雨の日にマンホールの蓋で滑り、次の日の朝から針で刺したような痛みがお尻から足首にかけて、特に朝起きた時、午前中の仕事の時に感じられるということでした。
整形外科を受診したところ、特に骨に異常はなく、坐骨神経痛ということで痛み止めを処方されていました。痛み止めは1日2回の服用指示されていたが、薬があまり好きじゃないという理由で1日1回の服用をされてたそうです。
症状の詳細は
- 朝起きて起き上がった時に、ほぼ毎日五、六回、左のお尻から足首まで『ビーン』と腫れてれて刺したような痛みを感じている
- 動作としては例えば、洗濯物の時、床のものを取る時に特に感じられることが多い
- お薬を服用してもそんなに変化がない
- 坐骨神経痛の対応を調べYouTube動画などでセルフケアをいろいろ探していろいろ試したが変化がない
- 腰痛は出ていない
目次
大殿筋の筋力低下
整形外科的検査は一通り行ったものの、ハッキリとした原因が判らなかったので一通り施術。
うつ伏せで施術中にお尻の筋肉の緊張(トーン)が低い、低すぎるのが気になったため、筋力検査を行うと左の大殿筋の力が入らないことから、日常生活動作でお尻が使えていないまま過重がかかるために症状が出るのではないかと仮説診断をたてました。
筋力の回復はリハビリしかありません。宿題として運動療法のピラティス・ブリッジとキャットカールを出して2週後に来院してもらう。
2週後の状態は、足先までの痺れは無くなっているが、大殿筋に燃えるような痛みがでることがあるという。
これもやっぱり朝起きた時に多いらしい。
触診で二回目の確認は筋肉の張りの改善が確認できる。背骨1本のカイロケアを行い、再度ブリッジの確認。
ピラティスやヨガを趣味にしていない方は、背骨を1つずつコントロールする感覚が養われていないので、そもそも1回の宿題でブリッジを完璧にこなせる人はいません。
こういうことはガイドラインの基になっている比較研究でも指導者の力量、対象患者の個別指導、集団指導の差もあり、かなり差があるのではないかと思います。
簡単にいえば一言でブリッジといっても「ただお尻をあげて降ろす」という単調な動作になりがちなので注意が必要です。大雑把な動きになりがちですので修正を掛けます。(よほど運動神経が良い方以外はヨガやピラティスを何年もやっていく中で得る感覚なので、臨床数回で獲得できると考えない方が良いとおもいますが、一般的に患者さんは簡単、安易に考えがちです)
ブリッジそれから片膝を伸ばし、肩膝足ブリッジで大殿筋をさらに強化します。実際は何とか片足で保っているものの軸はブレブレですが、2回目なのでよく頑張ているほうです。最後お尻の穴をしっかり締めるような強化運動もしっかり指示しました。
三回目の来院時はほぼほぼ症状は消失。しているもののたまにその昼ですね。朝起きた時の症状がなくて、昼家にいる時に違和感が少しお尻に感じられると、毎日感じられるってことでした。
当院は問診を非常に大切にしています。毎回いろいろ問診を行うのですが、探ってみたところ、どうもそのブリッジで使う時の大殿筋の動きが生活にまだ反映されてないようで、階段の登り降りの時のお尻の使い方をお伝えして、さらにブリッジの動きを確認。(ここで何の為のブリッジの理解がえられます)
前回お伝えしたことの意識がされてないようだったので、再度一つ一つの背骨を丁寧に動かしてことをお伝えしました。
余談なんですけどもの症状が消失してくるにあたって、今回肩こりが意識に上がるようになったということで、まぁ肩こりのエクササイズをyoutubeで見てもらって毎日やってくださいってことで、適当な youtube動画をお伝えして1か月後の予約をとって帰られました。