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伊藤孝英
院長
ロイヤルメルボルン工科大学健康科学部カイロプラクティック学科日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛から生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジ。鬱や不安障害にも着目したマルチモデルでヒューマンケアしています。
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筋肉のトーヌス(筋の緊張、張り具合)

筋肉のトーヌス(筋の緊張、張り具合)について説明します。

生体は活動していない時でも一定の筋緊張があります。それをトーヌスと言います。この筋の張り具合が適切でないと何らかの症状が出現したり、体重をしっかり支えられなくなりますので、カイロプラクティックでは重要視されています。カイロプラクターは手で人体を診る仕事と言われます。筋肉の張りの強さも人間の状態、症状と深く関わっています。

学生時代、触診の授業、生理学の授業で「筋肉のトーヌス」という言葉を勉強します。物事の多くはそうですが、その時は言葉だけを覚えるのですが、実感としては解っておりませんでした。臨床経験が増えてくるにつれてその重要性が解ってきます。

これは例えるなら質屋の目利きのようなもので、数多く筋肉を触っていると正常な筋、異常な筋の区別が自然とついてきます。またカイロプラクティックの特徴としてメンテナンスケアがあるために症状が無い人、健康な状態の方のお身体も普段から触っているぶん、他の代替医療に比べ正常と異常の比較が日常的にできています。

また常に身体各部位との兼ね合い(バランス)を評価していますので、毎回問題の無い部位にも静的、動的の触診を行っています。これも問題の無い状態の判断を本人(例えば左右差)、他人(年代、性別、職業、生活習慣)でも比較出来ていると言えます。また機能的な側面から人間の状態を観察していますので、その筋が機能的かどうか?という目で診ていることもカイロプラクティック的な診方の一つです。

最近は筋硬度計などで体表面の筋から部位の筋肉の硬さを計測する方法も客観性を担保するために用いる事もあるようです。一見良さそうに見えますし、研究や論文を書く時には有用ですが、臨床上は手による判断が一番であろうと思います。理由を幾つか挙げると

  • 筋肉は何層にもなっているので、表面の筋肉が正常でも深部筋が問題の場合もある
  • 姿勢によって筋肉の緊張具合は変化するので、ある姿位では正常でも別の姿位では問題になる場合がある
  • トーヌスは単に硬さのみを表しているのではなく、筋の性質、弾力性、感触の変化も含む概念

などが挙げられます。

カイロプラクターは筋肉に触れれば、それが「適切な筋トーヌス」なのか、そうでないかが解ります。可能な限り深部の筋も触診していきます。深部筋を触診する時は場所にもよりますが、表層の筋肉を掻き分けたり、緩ませた状態で触知していきます。

これは姿位、つまり座っている姿勢、立っている姿勢、横寝、うつ伏せなどによっても変化します。施術という意味ではうつ伏せ姿勢が多いですが、うつ伏せ姿勢と一言でいっても、台がフラットな時、抗重力体位において、牽引を掛けた状態においてなど、さまざまです。

また「動きの評価」もしていますので、必要な動きが出来ていない場合の代償運動によって筋トーヌスに変化が起きていることもあります。これは原因を見つける場合の一つの方法です。

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筋トーヌスが高い場合

さて、原因であれ、結果であれ「筋肉が張りすぎている場合」、その部分の血液循環は低下しているので痛み物質が流れていきません。その場合は物理的に「張り過ぎ」をほぐしてあげる必要があります。マッサージ、指圧、筋肉緩和操作、マッサージガン、ストレッチポール、筋膜ボール、方法はいろいろあります。おもには表層の大きな筋肉の物理学的なトーヌスの高さを和らげるのに有用です。

脳からの信号で筋肉が張りすぎている場合、この場合は全身の筋肉が緊張していることが多いのですが、リラックスできる環境づくり、充分な休息などが必要です。

また身体の一部に不具合があり、その情報が神経を介して脊髄や脳へ入り、反射で筋肉のトーヌスが高くなっている場合もあります。その場合は入力がある背骨の位置付近の関節の機能不全も2次的に起きているであろう、とカイロプラクティックでは考えます。

安全ピンサイクル
カイロプラクティックの基本の安全ピンサイクル。筋肉トーヌスを考える場合、細胞組織は筋肉で考えます。

筋トーヌスが低いとき

筋トーヌスが低い時は触診では弱弱しい感触になります。適切な張りがなく「この部位は日常使えていないな」と感じます。弾力性がない為に、良くない意味で緩い筋肉の状態です。

このような状態の筋肉は使ってあげて、張力が出てくるように刺激を入れていく必要があります。たとえそれが患部の筋肉であっても、遅かれ早かれ使ってあげる必要があります。

カイロプラクターが誘導して個々の筋を使ってもらうことから始め、宿題として持ち帰ってもらう運動課題が与えられます。カイロプラクティック・オフィスで出来る運動だけでは、適切な筋トーヌスを取り戻していくことは難しいですう。もっともオフィスに筋トレ施設を併設している所は別ですがそのような場所は少ないですし、症状をコントロールしていくという意味では、そこまでの高付加運動でなくても充分です。自重運動を組み合わせることで可能です。

動かしていくときの注意

ここで重要なのは適切な動かし方を覚えること。カイロプラクターが実演する動き、効かせたい部位にキチンと負荷を掛けられるか。その部位に負荷が掛けられなければ、一見同じような動きに見えても代償で他の部位に負荷がかかっています。

しかし、そもそもが使えていない部位なので、日常生活でも使えていない、つまり動かし方が分からないというケースがカイロプラクティックの臨床現場では多いです。動きを分解して丁寧にお伝えしますので、リハビリテーションの気持ちで焦らず取り組みましょう。

症状の有る部位に負荷をかけてもうと、患者さんご自身が弱っていること、症状を誘発するなどの体験を経て、問題を自覚するというプロセスを経て、納得されます。これらの事は画像には映りませんから、当然レントゲン検査、MRI検査をしても判別できません。

骨格筋は、ある程度の緊張「トーヌス」を持っている。この緊張は筋のもつ弾性、粘性のような物理的科学的性質による場合と、神経性の場合とがある。神経性の場合には、脳からの遠心性情報による場合と、求心性情報によって起こる反射性反応による場合とがある。

筋緊張は主に姿勢保持機能に関与する。たとえばゆったりと座っていても、その手足は完全な受動的状態におかれてはおらず、一定の緊張を保つ。姿勢は個々の筋緊張の相対的な強度によって決まる。筋緊張の際に産熱が起こるので、体温調節にも役立つ。

生理学第2版 p226 医歯薬出版株式会社 佐藤優子・佐藤昭夫 他著 p226
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