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伊藤孝英
院長
ロイヤルメルボルン工科大学健康科学部カイロプラクティック学科日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛から生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジ。鬱や不安障害にも着目したマルチモデルでヒューマンケアしています。
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顎関節症 歯科や大学病院(顎関節症科)を経てカイロプラクティック

目次

顎関節症科での診療後の、あごの関節を疑いカイロプラクティック治療(症例報告)

40代男性 来院までの状況

主な症状は両顎、特に右側をゴリゴリしたくなる感じがしていて、 来院前に歯科、大学病院での顎関節症科で2回顎関節症と診断が出ていました。

症状自体は10年以上前からあったようだが、その症状が最近特に気になるということでインターネット検索して専門的にいろいろやってくれそうだということで、そのまんまサンシャインにTELをしてくださいました。

経緯は、2年前に 歯医者さんに行き柔らかいマウスピースを作ってもらった時は症状に全く変化がなかったようです。そのような方は実際多いのではないでしょうか。

その後は症状に変化はなかったようだが、 2、3ヶ月前にかなり悪化したのでこの地域にあるS大学病院の 「顎関節症科」(そんな科があるのかあ…)に受診されました。

2年前の街の歯医者さんとおなじく’’顎関節症’’と診断を受けて同じくマウスピースを新たに作られました。この時は依然よりも硬い素材であったようです。また同科にてマッサージを行い、なおかつセルフマッサージを教えてもらったようです。

顎関節症科に受診後は3週間ほど快適に過ごしていたらしいが、その後また元の状態に戻ってしまったようです。

大学病院の顎関節症科には3回通院したが、その後変化がないという状況でした。

症状じたいは痛みではないのですが、気になり具合としては9/10ぐらいで、「顎が4.6時中気になってしょうがない」という状況でした。 一番きついとき(3ヶ月前)よりは少しはマシだが、ゴリゴリしたくなる感じが頬の部分にあり、ご自身で顔をくしゃくしゃさせて捻髪音(パキッという音)が出るとすっきりするという日々を過ごしていました。

顔をしかめる
顔を変形させて捻髪音を誘発するイメージ

感覚としては「詰まってる感じ」が 右側の頬の下あたりにあって、詰まってる感覚が高ぶってくるとゴリゴリ指で押したり、顔をしかめてその 違和感 とっている毎日が続いている。

カイロプラクティック自体は10年前に腰痛のために利用したことがあったようです。 

この‘’顎関節症科‘’受診後は3週間ほど調子はよかったらしい。じょじょに戻ってきて何とかしたいと思いご自身で解決策を考えインターネット検索をしてカイロプラクティックなら何か違うことを考えられるのではないかということで、他の方の症例を参考にお電話してくれました。

当院の見立ては’’咬筋のむくみ’’

上記のようなお話を丁寧に問診のあとを行います。この方は右の咬筋の筋肉がむくんでおり、筋硬結とまではいかないが通常の筋肉より肥大したような状態にお見受けしました。

顎関節の動きは少しこう開口時に左にスライドしやすいですけれども、特に顎関節自体に問題があるというふうにはお受けできませんでした。

しいて言えば姿勢が悪いのと、表情筋の機能不全が伴っています。お顔の筋肉が十分に動かされていないような印象です。

臼田先生による講義(20分ほど)

患者さんに適したセルフケア、認知行動療法

大学病院には無い観点でのセルフケア

カイロプラクティックケア方針としてはカイロのケアで受動的な施術をしていくと共に、自分でもケアできるようにセルフケアをより具体的なものに絞り込んでお伝えしていきました。

ある程度マニュアルというか典型的なケアというものがあるとおもうのですが、殆どのケースでは個々の状態から考えてピンポイントのケアを一緒に作っていくということが多いと思います。

来院当初は施術の後はいい状態になるが長続きしないような状況であったため、開口運動や咬筋マッサージの精度を上げていきました。

認知行動療法で観察していったこと

あとは認知行動療法も同時に行いどんな時にこうグリグリしたくなるかっていうのを詳細に観察していき、問題要因を同定していきました。

一般的なストレス要因というものはこのケースでは追及せず、生活習慣を見つめてみるという方向性で活動記録表を書いてきてもらいました。

血糖値や食事内容によっては症状を誘発しやすいものもあると栄養学にあるため、当初は食事内容をしっかり書いてきてもらいました。

食事との関連を疑っていたのですが「特に これだ」というものは見つからず、仕事との関連も数週間は見当たらなかったです。それでも毎日きちんと活動記録表に記入してくれてノートに張り付けて持参してくれたので、いろいろと生活習慣を顧みてもらうには事欠きませんでした。

最初の数週認知行動療法で分かったのは施術を受けた3.4日はだいぶ楽になるんだけども徐々に戻っていくような感じであることと、姿勢が悪くなるとゴリゴリしたくなる衝動が多いような気がするということでした。

歯ぎしりや仕事、筋トレも関連しないようだった

顎関節症の診断が出ているので、ご多分に漏れず夜中の歯ぎしりがあるようで日中の出来事や、仕事での環境などが影響しているかも疑いましたが、そのような関係性は活動記録表とセッションでの会話からは見つかりませんでした。

またご自身で体力つるりのために腕立て腹筋をしているので、必要以上に食いしばって筋トレを行っているのかも?と疑ってみましたが、そのようなことも関係がないようでした。

心理的な要因というのも観察してきましたが 、ご本人もおっしゃるとおり受け答えからそこまでストレスを感じているようには思えませんでしたし、深追いはしませんでした。

ですから基本的なセッションの方向は施術を毎回工夫してやっていき自己ケアの精度も上げていくという方向性は変えませんでした。

姿勢矯正と顔ヨガ

姿勢が悪いときにゴリゴリしたくなるということで、姿勢を矯正するのに適していると考えられるマッケンジー体操を行ってもらうように指示してます。これもキチンと行ってくださったのが改善ポイントとして高いと思います。

あとは+顎の運動の幅を広げてもらいたかったので、 顔ヨガを行ってもらいました。

顔ヨガにかんしては私もまだ専門的に勉強してないので YouTube で検索、適当な動画をピックアップしてもらい2種類は行ってくださいとお伝えしました。

睡眠時間の短い日と関連

認知行動療法で4週目5週目あたりにわかってきたことが睡眠時間が少ないと次の日に症状が顕著だということです。基本的なことが後々になって明らかになってきたことでした。

最初から明るみにならなかった理由としては 食事に焦点を当てて、活動記録表を書いてもらっていたことです。この点は次の患者さんからの参考にしたいと考えています。

睡眠時間に関しては8回目来院でのであきらかになりました。いろいろ試した後だったので患者さんご本人にとっても納得しやすい時期ではありました。

少しずつ来院スパンを伸ばし、現実的な目標を立てる

最初のうちは週に一回来てもらっていたの2週に1回、今は2。3週に1回っという感じでよい状態がご自身で保てるようになってくるのを機にじょじょに来院スパンを伸ばしていきます。

初診時には「完全になくすことは諦めてもらう」。ここは慢性症状のケアで一番大切なポイントですから、強く確認しています。この記事を読んでいる方でお困りの方も、完全になくすのは無理ですから、ゴッドハンドは存在しませんから…

このくらいの時期になれば、?/100くらいの状態なら現実的にやり過ごせそうですか?とご本人に目標設定してもらいます。

 具体的な筋肉操作の説明

仙骨頭蓋テクニック

実際の筋肉の操作なんですけれども、かなり時間をかけてやっています。

具体的には先ず基本的頭蓋のケアです。この仙骨頭蓋調整はオステオパシーのテクニックで、目的は頭蓋骨を調整することで脳脊髄液の流れを良くするという仮説で成り立っています。

内臓不調や不妊、不眠など多くの症状に効果があると教科書的には説明がありますが、今のところ質の高いエビデンスのある治療法ではありません。(2012.Anne Jäkel, Philip von Hauenschild)

エビデンスはないものの、臨床報告でよい結果が出ているものは全く意味のないものだと、私は思わないので使えるテクニックは使っていきます。

こういうのも教科書通りではある程度の結果しか望めないのも事実でして、そこそこの改善は認められたが、ここからは咬筋への施術を強めていきます。

咬筋の深層と浅層
咬筋は顎関節症と診断を受けやすい。咬筋は深層と浅層に分かれていて、意識して押す

咬筋の操作をMax強める

最初は咬筋線維に逆らう方向で筋をほぐすのですが、そこそこの結果しか得られませんでした。

3.4回目の来院時にはかなりあの強い押圧を加えております。うつ伏せ、仰向けと両方親指の腹で押していきました。

解剖額の理解と指での押圧の加減を理解していないと危害を加えてしまうことになるので、細心の注意を払いながら押圧していきました。

咬筋に限ったはなしではないのですが、 基本的に筋肉が部分的にむくんでしまうと、 なでたりこするようなマッサージではまずその浮腫ってな取れないです。

また筋膜の線維化がすすんでいると、もちろんその簡単なマッサージで変化は望めません。かなり筋操作に慣れた術者でないと難しいのではないでしょうか。

認知行動療法と咬筋操作をしらみつぶしに行う

これらの操作と日常生活での問題点の洗い出しをしらみつぶしに行っていきました。じょじょに症状は緩和されてご自身でケア、管理できる生活を構築していくまでに10回ほど来院していただきました。

余談になりますが当院ではカイロプラクティックの構成要素である「芸術」を意識するために理解ある患者さんには誰に見せるわけでもない「作品」に取り組んでもらうこともあります。

この症例の40代男性は遊び心で粘土でいろいろ作ってみたそうです。特に何があるというわけでもないですが、慢性症状という状態から「新しい状態を創造」するという観点からも大切な要素だと院長の伊藤は考えています。

ご参考ください。

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