産業医に鬱と診断 強い肩こりと頭痛

「仕事のストレスから気分の落ち込みが続き、産業医や心療内科で鬱(うつ)と診断された…」 「それと同時に、強い肩こりや頭痛、腰の痛みが続いていて辛い…」

抑うつ感や不安といった心理的なストレスは、しばしば「身体の痛みや強い緊張」として表面化します。WHO(世界保健機関)の研究でも、気分の落ち込みを抱える方の約7割が筋骨格系の身体症状を主訴として訴えることが分かっています。

今回は、東京への転勤を機に強い肩こり・頭痛と抑うつ感に悩まされ、心療内科での治療と平行して当院のアクティブケア・施術に取り組むことで、半年後には服薬を終了し元気を取り戻された40代男性の改善事例をご紹介します。

目次

40代男性「東京への転勤後の強い肩こり・頭痛・抑うつ感」初診時の状態

転勤から約半年、多忙な日々を送る中で心身の不調をきたして来院された患者様の初期状態です。

患者様の主な状態・経過

  • 主な訴え:強い首・肩の痛み、頭痛、腰の違和感(走ると痛む)。
  • 経過:7年前に腰椎ヘルニアの診断歴あり。ここ半年で気分が優れず、心療内科で抗うつ薬を処方されていた。産業医からも鬱状態であることを告げられている。
  • 運動習慣:以前は週1〜2回のランニング習慣があったが、現在は痛みと疲労のため中断。

💡院長ワンポイントメモ:初診時には「強い肩こりと頭痛」をメインに訴えられており、仕事上の強いストレスや抑うつ感を詳しくお話ししてくださったのは4回目の来院時でした。見ず知らずの治療家に最初からすべてを話すのは難しいものです。身体の緊張が解け、信頼関係が深まるにつれて「実は…」とお話しいただけるのはごく自然な経過です。

うつ病だと身体も痛いと感じやすい

状況にもよるのですが抑鬱状態や不安と体の痛みは関係しています。あまりに落ち込みが大きい場合は施術をしてもなかなか回復に向かいません。
これは脳の状態が低下していて前向きになれないと、どうしても身体の痛みとしてご自身の苦しい状況を表現するからです。

【抑うつと身体症状に関する国際研究データ】

WHO(世界保健機関)による15の医療機関(5大陸・約2万6,000名)を対象とした国際共同研究(Simon GE, et al. N Engl J Med. 1999)によると、うつ病(抑うつ障害)と判定された患者の実に「69%」が、精神的つらさではなく『身体症状のみ』を主訴としてプライマリケア(医療機関)を受診していたことが明かされています。

気分の落ち込みやストレスを抱えている際、脳の機能低下や神経過敏によって、心ではなく**「首・肩のこりや痛む症状」**として身体に現れることは医学的にもごく自然な反応です。

社会的にどうしても苦しい時は思い切って産業医に相談してみることも必要ですが、本来は家族や地域で支えあうことで、半年ほどで回復していくものです。

大切なのはお薬に頼り過ぎないことだと思います。

検査と初診時の見立て:身体の可動制限と背景にある「社会的因子」

検査結果と見立て

  1. 脊柱・関節の可動制限:首の屈曲・回旋動作に明らかな制限があり、身体全体の柔軟性も低下。
  2. 血行不良と筋緊張:視診にて肌の張りや血色が乏しく、首・肩・背中・腰にかけて広範囲な刺すような痛みが点在。
  3. イエローフラッグ(心理社会的因子)の存在:通常の施術を行っても2〜3日で元に戻ってしまう状態から、背景に強い職場ストレス(心理社会的因子)があると判断。

当院のアプローチ

  • 受動的ケア(施術):筋膜リリースと背骨・関節のアジャストメントを行い、交感神経の過剰な興奮を和らげる。
  • 能動的ケア(相談・後押し):無理に仕事を続けようとせず、産業医や職場へ現状を正直に相談し、環境調整(休職など)を行うよう提案。

改善経過と患者様の声(半年で服薬離脱)

改善経過

  • 1〜3回目:施術後は楽になるものの、数日で元に戻る状態が続く。
  • 4回目:職場での過度なストレス状態を告白され、院長の勧めもあり産業医に相談して休職(環境調整)を決断。
  • 〜半年後:休職による休養と定期的なカイロプラクティックケア、ストレッチの継続により、肩こり・頭痛が劇的に改善。心療内科で処方されていたお薬も半年の間に段階的に減量・終了となりました。

【患者様の感想】

男性

「思い切って休職して本当に良かったです。肩こりや頭痛が心理的な影響から起きているとは考えてもいませんでした。心療内科のお薬も半年で服用せずに生活できるようになりました。カイロで身体と向き合う方向性を変えてもらったことが大きなきっかけになりました。」

院長解説:なぜ心身一如(BPSモデル)の視点が必要なのか?

何度かカイロプラクティックを行ってもスムーズに回復に向かわない場合、その背景には仕事や人間関係といった「社会的・心理的因子(イエローフラッグ)」が隠れていることが少なくありません。

※WHOの国際共同研究(Simon et al., 1999)でも明らかにされている通り、うつ病(抑うつ障害)と判定された方の69%が、心理的な辛さではなく「身体の痛む症状」を一番の理由として医療機関を受診しています。

西洋医学(心療内科など)とカイロプラクティックはアプローチの方向性が異なりますが、どちらが優れているかではなく「患者様にとって何が最善か」が重要です。本症例のように、心療内科に通いつつカイロケアや生活環境の調整を並行して行い、健康を取り戻していくアプローチは非常に有効です。

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