年齢とともに少しずつ肩が上がりづらくなったり、腕を捻ると痛いという事は加齢とともに大なり小なり、どなたでも起こっています。
ここに痛みが加わるとイワユル50肩や40肩といった、状態になります。
このページは中年期にありがちな状態をカイロケアでどのように見ていったかを記述します。
目次
年齢と供に肩が上がりづらくなった症例
まずは2019年の論文で、50肩自体がどのような位置づけにあるのかを見てみましょう。
五十肩の治療方針
50肩の治療法には、投薬、局所ステロイド注射、理学療法、水圧膨張、麻酔下での操作、関節鏡による被膜の解放、および開放的な被膜の解放が含まれます。
保守的な管理は、ほとんどの場合改善につながります。
3 ~ 6 か月の保存的治療を行っても症状の改善が見られず、機能障害が続く場合は、外科的治療の一般的な適応症となります。しかし50肩の最も効果的な治療法については、コンセンサスがありません。
Cho CH, Bae KC, Kim DH. Treatment Strategy for Frozen Shoulder. Clin Orthop Surg. 2019 Sep;11(3):249-257. doi: 10.4055/cios.2019.11.3.249. Epub 2019 Aug 12. PMID: 31475043; PMCID: PMC6695331.
ご覧の通り殆どの場合、保守的管理で改善につながるが、どの治療法が一番効果的なのかは今のところわかっていません。
カイロプラクティックは理学療法の一種ですから、経験上は3カ月もあれば改善はしていきます。
注意したいのは3カ月で完治だとは一般的には考えない方が良いこと。
症例は、50代男性の50肩のケース
肩が上がりづらくなってきた 。肩がつっかえるような感じがする。 バンザイをするときつい
50歳前後になってくると、特に男性はだれでも関節の動きの低下は自覚するものです。よほど整体やストレッチなどで日頃からメンテナンスしていないと、関節の可動域は低下します。
状態は「自覚があって徐々に進行していった」
何年かかけて少しずつだけど、肩が上がらなくなってきたんだよ…
途中からつっかえるよな痛みが出て、それ以上あげると痛みが強くなってね
最近はめっきり運動不足です。
このまま肩が上がらなくなっていくと思うと心配で…
わかりました。ちょっと簡単な検査をしてみましょう。
検査:肩の筋肉の硬直
まず肋骨と肩甲骨の動きがとても良くない。
あと肩パットの部分の筋肉が硬いので動きの邪魔をしていますねえ。
50肩の始まりが数年前と考えた場合、積極的な保存療法を行ってもいい時期となります。
普通に良くなりますよ。繰り返し肩甲上腕関節の動き、三角筋の筋膜リリースを行えいます。
あと自宅で毎日行ってもらうエクササイズをお伝えします。
筋緩和操作をして、背骨の矯正、肩甲骨の動き、三角筋リリース、肩甲上腕関節のモビリゼーション。5回の来院
施術の感想は、「回復方向に向いたのを実感できた」です。
自宅での運動指導も丁寧ですが、自分はエクササイズは家ではできませんでした。
でも症状は緩和されて安心しました。
治療自体はイタ気持ちいい感じで、何回か通っていると痛みが出なくなってきました。
日常生活ではゴルフの練習が思い切りできるようになったのが良かったことです。
比較的順調に回復した50肩の症例
この方は自宅でのエクササイズが少なかったですが、少しずつ回復していったので良かったです。
家でのエクササイズがないと完全に肩をあげれるようになるのは難しいですが、とりあえずゴルフの練習に差し支えが無い程度まで早期に回復しました。
もっとも50肩の状態も千差万別で、肩が90度まで上がらないような状態ですと早期に回復するのは難しいです。この方は50肩のフェーズ1の進行途中であったと言えました。(下のエビデンス参照)
カイロプラクティックは機能を回復させる
カイロプラクティックは肩の動きを立体的に捉えて50肩の治療を行います。肩関節は鎖骨や胸骨の動きも検査して効果的治療を行います。
この方の場合、肩甲骨と胸郭の間の筋肉群が短縮しているため、数回の治療ではそれらを伸ばすところまでは不可能でした。三角筋が痛みを出さないところまで緩和させ、肩甲上腕関節のすべり運動を付けたことになります。
カイロプラクティックは機能回復をこころみ結果的に痛みも減ります。短期的に痛みだけ取りたい方はペインクリニック等で注射するのも方法です。
あわせて読みたい
40肩・50肩 エビデンスと対処法
40.50肩治療の科学的根拠を列挙してあります。
このような状態になると鉄棒にぶら下がると痛みを感じると思います。解説を別ページでしていますのでご参考ください。
あわせて読みたい
肩が痛くて鉄棒にぶら下がれない
50肩になると整形外科の教科書では2年スパン、カイロプラクティックの教科書ですと1年スパンで回復を考えます。
勿論この数値は余裕を観て出してある数値です。
教科書的には棘上筋の腱が石灰化するとありますが、多くの症例は三角筋の中部or前部線維の筋硬結が原因います。であることが多いと私は思います。