慢性疲労症候群

慢性疲労症候群は原因不明の疲労感が4カ月以上続くと診断を受けます。いままでさまざまな原因説が出てきて、打ち消され、今日に至りますが解っていること、カイロプラクティックにできることを書いていきます。

表記は筋痛性脳脊髄炎(Myalgic encephalomyelitis=ME)か、慢性疲労症候群(Chronic fatigue syndrome=CFS)で原因不明の疲労症候群のラベルだそうです。

論争はあるものの(慢性疲労症候群は筋痛性脊髄炎をカバーするかどうか)、筋痛性脊髄炎と慢性疲労症候群は文献で組み合わされて使用されているため、ME/CFSと表記されることが多いようです。

炎症が原因なのか、精神的なものなのか原因が解かりませんが、患者さんの訴えなので、社会的なことと何処でライン引きをするかの問題にもなりますが、議論ができるところまで書ければ良いかなと思います。一般的に報告されている数値は人口の約0.5%のひとが診断されています。

目次

慢性疲労症候群は原因不明 

カイロプラクティックの臨床をしていて、きっかけは腰痛や、肩こりで来院なさる方が「慢性疲労状態」に陥っている方が少なくありません。

慢性疲労と、「慢性疲労症候群」は具体的には違うのですが、慢性疲労症候群の予備軍は多いように思われます。

医学的にもまだハッキリとした原因が判らず、ゆえに治療法、予防法も確率されていません。ですから疲労感がある方々は要注意であると思います。

慢性疲労症候群と診断が出されるようになると、社会生活を営むのが困難になりますから、カイロプラクティックケアなども利用して、早め早めに疲労回復ができる身体づくり、ライフスタイルの構築が必要ではないかと思います。

とにかくダルイ、常に疲労してる人の共通点は背中がガチガチ

実際に慢性疲労症候群の診断が出た方の背中を触ったことはないのですが、カイロプラクティックに来る方で「いつも疲労している方」は決まって背中が硬いです。

代替治療臨床家の先生方も同じ意見なのですが、腰痛を機に来院されていたとしても、慢性疲労が背景にあることが多いです。

いくら睡眠をとっても眠いいつも疲労している、なにもやる気が起こらないという方が腰痛や肩こりを訴えることもしばしば。

ライフワークバランスが唱えられる時代ですが、実際には仕事時間が減っていない方も少なくなく、この慢性的な疲労感は数週間程度なら仕方ない、大丈夫だろうというところですが、数カ月と続くと何を行うにも億劫になり、そんな自分に苛立ちを憶えるようになります。(こうなったら黄色信号)

疲労した人
ダルクて仕方ない

先ずはお身体を緩めまていきましょう。少しでも運動する気が起きたら、少しずつ始めましょう。

最終的には少しずつ負荷をかける運動が必要です。生活に張りを取り戻していきますが、慢性疲労がある方は最初はとても運動なんてする気も起りません。

慢性疲労症候群に認知行動療法が有効なのは10-20%

1990年代から認知行動療法と運動療法の併用が効果的であると言われていますが、2019年の研究では具体的な回復率が出てきています。10-20%だそうです。

慢性疲労症候群の回復に認知行動療法が有効なケースも 2015年の研究

1年間にわたる研究の結果、認知行動療法と段階的運動療法に肯定的な結果が認められたと報告。

今回の新たな結果は、その被験者641人のうち4分の3をさらに追跡することにより得られたもので、2年半が経過しても、この2つの治療法が一部の患者に有効であることが明らかにされた。

Sharpe M, Goldsmith KA, Johnson AL, Chalder T, Walker J, White PD. Rehabilitative treatments for chronic fatigue syndrome: long-term follow-up from the PACE trial. Lancet Psychiatry. 2015 Dec;2(12):1067-74. doi: 10.1016/S2215-0366(15)00317-X. Epub 2015 Oct 28. 

認知行動療法、段階的運動療法の有効性が低いという批判をもたらしました。。PACE試験ではCBTを使用した場合の回復率は22%でしたが、PACEからのデータの再分析では、回復率は10%未満でした。

Wilshire CE, Kindlon T, Courtney R, Matthees A, Tuller D, Geraghty K, Levin B. Rethinking the treatment of chronic fatigue syndrome-a reanalysis and evaluation of findings from a recent major trial of graded exercise and CBT. BMC Psychol. 2018 Mar 22;6(1):6. doi: 10.1186/s40359-018-0218-3. PMID: 29562932; PMCID: PMC5863477.

Geraghty KJ. Further commentary on the PACE trial: Biased methods and unreliable outcomes. J Health Psychol. 2017 Aug;22(9):1209-1216. doi: 10.1177/1359105317714486. Epub 2017 Jun 14. PMID: 28805517.

認知行動モデルでは、ネガティブな思考や感情を経験したり表現したりすることが受け入れられないという信念が、臨床的問題の発生と維持に中心的な役割を果たし、予後や治療結果の悪化と関連することが提案されています。

私も認知行動療法提供者として、興味深い論文です。認知行動療法ではスキーマと呼ばれる’’信念’’が何かを常に意識して対応します。鬱病とCFSは症状が似ていることも多いため鬱病に有効な認知行動療法がME/CFSに有効であろうという仮説でしかない、という論文です。

慢性疲労症候群の「認知行動モデル」:欠陥のあるモデルに対する批判
ほとんどのME/CFS患者は、自分の病気が感染後に始まったと報告しており、ME / CFSを感染および感染後の免疫変化に関連付ける文献が増えています。認知行動療法は治療はもっともらしいですが、理論的根拠が欠けています。

理由はME/CFS に対する認知行動療法の臨床試験には、多くの場合、精神療法に肯定的に反応する可能性のある精神疾患の患者が含まれますが、感染後のプロファイルを持つ患者は反応しないことがよくある。

英国の病院を拠点とする慢性疲労症候群専門クリニックに紹介された患者のグループの 82% が、抗うつ薬を処方されたと報告しています。大うつ病性障害を持つ患者の38% が慢性疲労症候群を持っていると誤って分類されている状況。

Vercoulenら(1998)のモデルでは、CFS患者は、 身体活動や回復への動機付けが不十分であり、内 部統制の場所を持たず、症状に対する自虐的な 先入観を持っているとしている。

Geraghty K, Jason L, Sunnquist M, Tuller D, Blease C, Adeniji C. The ‘cognitive behavioural model’ of chronic fatigue syndrome: Critique of a flawed model. Health Psychol Open. 2019 Apr 23;6(1):2055102919838907. doi: 10.1177/2055102919838907. PMID: 31041108; PMCID: PMC6482658.

背中をとにかく緩めないと

カイロプラクティックをはヘルスケアの専門職。
回復期から健康維持期までトータルでサポートして行きます。必要な有酸素運動も無理なく始められるレベルからお話あいで決めていきます。

背中や腰の筋肉が緊張していると眠っても眠っても回復しきりません。それだけ睡眠の質も低下しています。交感神経過敏になって悪循環に陥っているので、何か悪循環を断ち切る術を持つ必要があります。

疲労しきっている人は、ご自身の身体がどれくらい緊張しているか認識できなくなっている方が多いです。そのまま栄養ドリンクやカフェインで胡麻化して無理していると大きな病気のリスクがどんどん上がってきます。

慢性疲労への運動療法は認知行動療法と同じくらい有効

これは画期的なCochranレビューです。慢性疲労状態の方は「運動?なんてできない、疲労しているから」という解釈だと思われますが、動くことは動物の機能です。

2016年の慢性疲労症候群への運動療法 文献レビュー
7つの研究は一貫して治療終了時の運動療法後の倦怠感の減少を示した。睡眠(2つの研究、323人の参加者)、身体機能に関して(5件の研究、725人の参加者)、治療終了時の運動療法のプラスの効果を報告。

認知行動療法と運動療法の比較では、2つの試験(351人の参加者)があった。
①1件の試験(298人の参加者)は、2つのグループ間で治療終了時の倦怠感にほとんどまたはまったく違いがないことを報告。
②身体機能、うつ病、不安神経症、睡眠に違いは見られませんでした。
③痛み、全体的な健康状態の自己認識の変化、医療サービスリソースの使用、および中退率に関して結論を​​出すことはできませんでした。

別の研究(183人)では支持的傾聴よりも運動の方が有益であることが示唆された。利用可能なエビデンスがあまりにも少ないため、薬物介入の効果について結論を出すことができなかった。

Larun L, Brurberg KG, Odgaard-Jensen J, Price JR. Exercise therapy for chronic fatigue syndrome. Cochrane Database Syst Rev. 2015 Feb 10;(2):CD003200. doi: 10.1002/14651858.CD003200.pub3. Update in: Cochrane Database Syst Rev. 2016;2:CD003200. PMID: 25674924.
そのまんま
そのまんま

よく誤解されていると感じるのは、元気に仕事している人は疲労を感じないんじゃないか?ということです。

私自身疲労しやすいですし、とても元気な方も疲労を感じてカイロプラクティックを利用しています。

何となく思うのは、アクティブ・レスト つまり動いて疲労を取っていくという「感覚」を養う必要があるのだと思います。

慢性疲労症候群のウイルス説は間違い

西洋医学的にはCFS(慢性疲労症候群)と診断を受けることが多いようです。CFSは少し前まではウイルスによる説が浮上していましたが、どうも実験室での汚染が原因でそのような結果が出ていたようです

(Natture .June of 3 2011)

青少年の慢性疲労症候群の治療法として、インターネットベースの認知行動療法プログラム(FITNET)が有効

慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎、筋痛性脳症)は持続的な疲労感と重度の身体機能低下を特徴とし、青少年では長期化することが多く、学業や社会的発育に悪影響を及ぼす。

治療法として有望と考えられる認知行動療法は、専門的な技能を要するためその利用は限定的なのが現状だが、インターネットの使用によってアクセスが容易になる可能性が示唆されている。
(Lancet誌2012年4月14日)

神経系の休まることのない生活

エビデンスはありませんが、キッカケとしては交感神経系が働き過ぎた結果のより戻し状態であると私は考えています。

うつ向く少女
不安で眠りも浅い

多くの仕事にパーソナルコンピューターが活躍する時代です。画面の前にいると電磁波や、画面のチラツキなど絶えず交感神経系が刺激を受ける状況を強いられます。

自律神経系は交感神経(活動性・興奮性)と副交感神経(休息性・沈静性)とに機能分類されています。交感神経系が常に働いていると過敏になり、イライラしたり、ぐっすり休むことが出来なくなり疲労が蓄積されます。

あなたの治癒力を信じて…

お薬も一時的に頼るのはいいでしょう。しかし中・長期的になると症状を少し抑えるだけで、どうにもならなくなってしまします。さまざまな事情があるとおもいますが、悪循環を断ち切ってダイナミックな生活を取り戻していけることを信じて、背骨を緩めていきましょう。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる