肘部管症候群への質問

肘部管症候群はどうする
肘部管症候群も痛みの程度の差がすごくあります。短期的に3回ほど来院して継続するかを検討するスタンスで対応しています。
統計データの示すもの
軽度または中等度の尺骨神経障害なら保存療法でも効果的
2012年のコクランデータベースから
結論として2012年の時点では、世界中の論文を集めても充分な情報は得られていないとしている。現時点ではいつ保守的な治療をするか、手術をするかは解かっていません。
このレビューではいつくかのRCTによって構成されていて、軽度、中等度の尺骨神経障害であるなら保存療法で効果があるとしている。
長期的に患者の不快感の改善があることを確認している。
(Caliandro P, La Torre G et al,.2012 Jul )※保存療法はカイロプラクティックやマッサージ、理学療法など
手術に関しては尺骨神経の位置移動と、血流改善解凍手術では両者に神経伝達速度の変化について差はないという。
装具は効果が見込めない
グラインドエクササイズと夜間装着装具は効果がなかったようです。
2013年の研究では手術、徒手治療どちらも価値がある
肘部管症候群、手根菅症候群などの上肢の神経症状の診断は、患者の苦情や歴史だけでなく、特定の試験と調査結果に基づいて行われる。
治療の選択肢は、手術か非手術のどちらにも価値がある。非手術は徒手によるセラピー、リハビリテーション治療のどちらも含まれる。
あとは相談者の選択になると思います。費用的な面、傷跡を作りたくない、信用性など様々な角度から検討しましょう。少なくとも相談者がこのような情報を知らされていて、一緒に検討して考えるというインフォームドコンセントという姿勢が大切なことです。
単純に肘部分の問題でない可能性もあるのです
珍しい神経の圧迫も考慮すべきです 2013年
尺骨神経の遠位や橈骨神経の遠位の神経が圧迫されている場合もあります。後骨間神経、橈骨神経の浅枝、手首尺骨神経、と手首の近位正中神経の圧迫を伴う症候群が原因であることもありますし、それらのトリートメントや手術成績を見直していく必要があります。
私個人の意見としては夜も眠れないような痛みの状況でなければ、早急に手術を選択するよりカイロプラクティックによる手あてを数回受けてみることをお勧めします。