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伊藤孝英
院長
ロイヤルメルボルン工科大学健康科学部カイロプラクティック学科日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛から生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジ。鬱や不安障害にも着目したマルチモデルでヒューマンケアしています。
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過敏性腸症候群と診断が出てなかなか下痢が治らない

目次

過敏性腸症候群で休職中の症例(カイロプラクティック)

実際にご記入いただいた図

セカンドオピニオンでカイロプラクティックを選択した男性の症例です。

過敏性腸症候群の診断が出ている方で、思うように回復しない方の参考になれば幸いです。

あくまでも症例報告ですから、エビデンスのレベルとしては低いですが、参考になる方が居るかもしれません。

病状把握

病状は、3.4年前から3か月毎に腰が痺れて下痢の症状になる。いつもは病院で薬を処方してもらい暫くすると回復するのだが、今回も病院へ行ったが2か月下痢の間症状が続いていてセカンドオピニオンも含めてカイロプラクティックを受診。

以前にも一度あったが今回の症状はこれまでで一番長く続いている。

問診や検査から見えて来たこと(施術中の会話も含む)

  • 詳しい問診で下痢の状況は日に4.5回ほどの水っぽい排便。
  • 一見やたらと多い回数という訳ではなさそうだが1回1回が数回に分けて排出されるとのことのようで、尚且つ軟便。
  • 病院ではパキシルとツムラ漢方100.の処方を受けている。
  • お風呂はシャワーだけのことが多い。
  • 痺れ自体は左の脇腹あたりに出る。
  • 姿勢が明らかに良くなく、座位でお腹が圧迫され、下腹が潰れて使えていない状況
  • 手技での確認では腹部の冷え、腹部触診で過敏に反応する。筋肉の痛みも強い。
  • 以前にも休職したことがあり、今回は長引いているので全体的に先の見えない不安がある。
  • パキシルはもともと広場恐怖の為10年前から30mgの服用があるが、最近ご自身で減薬を考えて10mgまで減薬している。

この症候群の当院での考え方と対策

お腹が押されて内臓のはたらきが悪くなる可能性

潰瘍性ではなく、大腸炎で既に病院での治療を受けられている上での受診なので、こちらも安心して対応できました。

まずカイロプラクティックは身体の機能(働き)を中心に考えていきます。

身体の機能は、「入力」があって「出力」という反応があると考えます。

(安全ピンサイクルの説明へ)

例えば「皮膚をつねる」という入力が脳に伝わると「飛び上がる」という出力がある、というような感じです。

この男性の場合、お薬を服用しても症状が治まってこない場合は、何かしらの入力があって「そのように働いている=下痢という出力がある」と考えます。

基本的なお薬で回復に向かっていないのならば、病理的な問題ではなく機能的な問題なのではないか?と考えます。

カイロプラクティックは手で施術をする代替医療(医療の代わりになるもの)です。

できることは限られますが、健康のアドバイスのプロフェッショナルです。

健康のバケツ
バケツの水が減ると症状が出る、病気になります。

健康のバケツでよく説明をするのですが、中に入っている水を健康に例えます。残念ながら水に穴があいていて、健康(水)が不足すると症状が出る、さらに減ると病気になる、そして健康(水)が枯渇すると死亡するというコンセプトです。

この過敏性大腸炎の相談者には何が足りていないのか?

お見受けする限り、「運動不足、夏場でエアコンで冷えている、背骨、腹部の運動機能が低下している」等が考えられました。

またパキシルを10年服用していることから基本的には不安や抑鬱を抱えていらっしゃるようです。パキシル自体の副作用は

  • 嘔吐や下痢便秘といった胃腸障害
  • 睡眠が浅くなる不眠
  • 性機能障害

といったものがあるようなので、下痢という副作用が表れたのかもしれません。(それも作用なのですが…)。

あくまでもカイロプラクティック的な健康観でのお話ですが、いままではパキシル服用下の中でなんとか悪化と緩解を繰り返しやり繰りしてきたが、

「体力低下とともに薬だけでは最低基準の健康と呼べる状態まで戻らないくらいバケツの水が減ってきた」

と言えます。

下腹部(骨格筋)や腸(平滑筋)も平滑筋という筋肉で出来ています。

硬くなって動かない筋肉は血流も悪く機能的ではありません。ご本人にとっては普通なのですが、多くの方のお腹を触っている施術かにとっては極めて「硬いお腹」だとはっきり分かるくらい腹部全体が硬かったです。

柔軟性がない腹部をマニピュレーションしていく必要性がありました。

カイロプラクティックの経過

  • オーソドックなカイロ治療を行い腹部内臓マニピュレーションを全体に施す。1回目の手あての後お腹の痺れ感は減った。トイレの頻度は日に2.3回に減った。
  • 週一回のカイロ治療を続けていくなかで、下腹部や上腹部、胸郭の動きのリハビリを指導して、少しずつ家で動かしていってもらう。改善と悪化を繰り返して少しずつ回復に向かう。こういう考え方はヨガやピラティスなどでは普通なのだが、医療の現場では日本ではごく一部の良心的なお医者さましか実践していないのが問題。
  • 1.2週に1回の割合で来院。お話し合いをすすめながら改善点をさらに探っていく形でコミュニケーションが行われる。整腸剤やお腹を温める、ご自身でのお腹のマッサージでどのような条件下で症状が悪化しやすいかを体感的に会得していってもらう。
  • 会社の産業カウンセラーとの相談で復職の目処が立つ。当院でも認知行動療法を行いながら、計9回の来院で目途が立つ。
  • 中長期的なことは、パキシルの減薬、断薬、根底にある不安感とどう折り合いをつけてご自身の中で答えを見出していく必要性があることをお伝えしている。

まとめ

病院で変化のない異常、症状に代替医療のできること

当然ですがカイロプラクティックが過敏性腸症候群に有用という質の高いエビデンスはないです。

私も有用であると言うつもりはないのですが、医療機関の対応で回復で満足いく結果が得られない場合は本症例に限らず一度代替医療(だいたいいりょう)に診てもらうことも一方法であります。

一生懸命手あてをして、ストレスとともに向き合い、持っている知識を共有し、生活習慣を改善することで回復に向かう症例も多くございます。

たまたま回復する過程でカイロプラクティックがあっただけかも知れませんが、少しだけ相談者のお役に立てたのではないかと考えています。

参考資料;この症例のエビデンスレベルは9番目です。
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