「朝起きる時にハイハイしないと起き上がれない……」「歩くたびに左腰から左膝にかけてズキッと痛みが走る……。」
下肢にまで及ぶ痛みや痺れがあると、日常生活のあらゆる動作が制限されてしまい、このまま歩けなくなってしまうのではないかと強い不安を感じてしまいますよね。
今回は、もともとお薬に頼らない生活を心がけていた40代女性が、左腰から左膝までの痛みを発症しながらも、カイロプラクティックや慎重な保存療法(マイオバイブの活用など)によって2ヶ月後に完全に回復した事例を通して、下肢症状への向き合い方と回復までのプロセスを解説します。
腰から膝まで走る痛みと、初期段階での選択の重要性
- 階段を下りるのが困難
- 前にかがむのが辛い
- 2週間前にキッチンで左に身体を捻ったときに始まった
- 一日に3.4回ズキッと痛みが走る
下肢症状があると生活に支障があることが多く不便なものです。
40代女性・事務・接客業における脚の症状と問診時の状態
- 2週間で少しずつ足に力が入らない感じがしてきた。
- 朝起きる時にハイハイしてから起きないといけない
- 1日で3.4回、何かの動作時に鈍い痛みが、左腰から左膝(やや内側)まで走る
- 座っていて立ち上がる時も痛みが走る
そのまんま徐々に力が入らなくなってくるのは不安ですよね。
これが神経の問題なのか、心理的な不安がそうさせるのかは、検査をしてみると判ります。
神経学的検査とS1反射の低下:背骨・筋肉からの関連痛の評価
- 前屈では+20㎝と痛みで制限されている
- S1反射が+1と低下ぎみ(アキレス腱反射に関連する神経の反応)
- L4.L5周囲の起立筋群から主訴が押圧によって導き出される。
- 下部腰椎へのアジャストメントとともに、筋膜リリースを行う。
- 初回の治療後はどっと疲労が出たが痛みは9/10→3/10にまで減る
- 2回目 痛みが短期的に増加することに了承を得てワンポイントでマイオバイブを腰部に使用。一時的に悪化。
- 3回目の来院時は治療の進行具合に不満があるので、専門書をお見せして、これでも治療の進行具合は早いほうであることを納得してもらい様子をみる
- 結果的に2か月後に確認したところ、症状は完全に消失していました。
腰部の筋肉からの関連痛として症状が出ているので、神経的なものでは無いのではないかと思われました。伸張反射はさまざまな条件で低下するので、慎重に判断します。



カイロは初めてだったけど、丁寧な説明で納得できました。
症状自体は初回でかなり軽減しました。
マイオバイブを使って痛みが増した時は、そういうものだと聞かされていたけれど不安でした。
同じような症状で困っているひとも多いのではないかとおもいます。
マイオバイブの導入と、一時的な悪化を乗り越えるプロセス
脊椎深部筋からの症状が明らかである場合、早期に回復を目指したい方にはマイオセラピー®による施術をお勧めしています。
多裂筋や回旋筋などをバイブレーターでポンピングしますので、徒手療法よりも刺激が強いです。もともと痛んでいた筋組織に刺激をさらに加えるため一時的な悪化があり得る療法ですが、その「痛み越え」の後に一気に回復に向かうことが多いです。
このことを理解できる患者さんにはお勧めです。
院長コメント:「脚に症状がある人の満足度は低いもの
施術家の方なら良く知っていると思いますが、下肢症状というのは症状が重篤であればあるほど、短期的な改善が望めない症状です。
施術家のスタンスにもよりますが、日本カイロプラクターズ協会の勉強会でも様々な意見があり、痛みや痺れといった下肢症状はアジャストメント(脊椎マニピュレーション)は安全ではあるが、効果については疑問であることが確証度のエビデンスであります。
2009年下肢痛へも短・中期的なエビデンス RCT
192名を対象に
①脊椎マニピュレーション群+自宅 運動+健康助言グループと
②健康助言のみ
のグループでブラインド比較試験をした
【結果】
12週の時点で①脊椎マニピュレーション+自宅運動が健康助言グループより、臨床的有意有益性を示した。重篤な事故はない。このテストでは54週目に両グループの臨床的差はない。
とはいえ



というエビデンスもあり、12週の時点では明らかに効果的であるとも言えるのです。この方は2か月の時点で完全回復しているのでエビデンス通りということになります。
まとめ:脚の症状の回復には1ヶ月〜半年を見据えた計画的ケアを
比較的初回の治療で症状が軽減したので、思い切ってマイオバイブを使用した症例です。経験上徒手と運動療法によるマネジメントよりも短期間かつ運動療法がほぼなくても回復に向かうことが多いのでお話しあいをして導入しました。
1回の負担が大きいので時と場合によりますが、このような症例もあります。
とはいえ脚に症状が及んでいる方は1.2週で完治するとは考えない方が良いでしょう。直立2足歩行は、おもっているより脚の負担が大きく、難しい動作なのです。
また施術家の立場としては「どうしても相談者の満足度は高くないものである」という研究結果なので、相談者の共感を示すアプローチが求められるようです。


