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伊藤孝英
院長
ロイヤルメルボルン工科大学健康科学部カイロプラクティック学科日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛から生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジ。鬱や不安障害にも着目したマルチモデルでヒューマンケアしています。
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左腰から左膝まで痛みが走る40代女性

もともとお薬になるべく頼らない生活を心がけていた40歳代の女性。症状がでてから第一次選択でカイロプラクティックを選択されました。

この点は全く西洋医学的観点のみで生活してこられた方とは回復のスピードが違うのではないかと思います。

目次

40代女性 事務・接客業 脚の痺れの症例報告

  • 階段を下りるのが困難
  • 前にかがむのが辛い
  • 2週間前にキッチンで左に身体を捻ったときに始まった
  • 一日に3.4回ズキッと痛みが走る

下肢症状があると生活に支障があることが多く不便なものです。

来院時の状態:朝が特にキツイ症状

  • 2週間で少しずつ足に力が入らない感じがしてきた。
  • 朝起きる時がにハイハイしてから起きないといけない
  • 1日で3.4回、何かの動作時に鈍い痛みが、左腰から左膝(やや内側)まで走る
  • 座っていて立ち上がる時も痛みが走る
そのまんま

徐々に力が入らなくなってくるのは不安ですよね。
これが神経の問題なのか、心理的な不安がそうさせるのかは、検査をしてみると判ります。

検査では左のS1の反射が+1と低下ぎみ

  • 前屈では+20㎝と痛みで制限されている
  • 神経学検査では左のS1の反射が+1と低下ぎみ
  • L4.L5周囲の起立筋群から主訴が押圧によって導き出される
  • 下部腰椎へのアジャストメントとともに、筋膜リリースを行う。
  • 初回の治療後はどっと疲労が出たが痛みは9/10→3/10にまで減る
  • 2回目 痛みが短期的に増加することに了承を得てワンポイントでマイオバイブを腰部に使用。一時的に悪化。
  • 3回目の来院時は治療の進行具合に不満があるので、専門書をお見せして、これでも治療の進行具合は早いほうであることを納得してもらい様子をみる
  • 結果的に2か月後に確認したところ、症状は完全に消失していました。

腰部の筋肉からの関連痛として症状が出ているので、神経的なものでは無いのではないかと思われました。伸張反射はさまざまな条件で低下するので、慎重に判断します。

女性

カイロは初めてだったけど、丁寧な説明で納得できました。
症状自体は初回でかなり軽減しました。
マイオバイブを使って痛みが増した時は、そういうものだと聞かされていたけれど不安でした。
同じような症状で困っているひとも多いのではないかとおもいます。

院長:「脚に症状がある人の満足度は低いもの」です

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施術家の方なら良く知っていると思いますが、下肢症状というのは症状が重篤であればあるほど、短期的な改善が望めない症状です。

施術家のスタンスにもよりますが、日本カイロプラクターズ協会の勉強会でも様々な意見があり、痛みや痺れといった下肢症状はアジャストメント(脊椎マニピュレーション)は安全ではあるが、効果については疑問であることが確証度のエビデンスであります。

この方は理解力があり、「脊椎のリハビリテーション」をお見せして解説したところ完治には時間を要することをしてくださったことが安心して回復に向かう要素だったと私は考えています。

2009年下肢痛へも短・中期的なエビデンス RCT
192名を対象に
①脊椎マニピュレーション群+自宅 運動+健康助言グループと
②健康助言のみ
のグループでブラインド比較試験をした
【結果】
12週の時点で①脊椎マニピュレーション+自宅運動が健康助言グループより、臨床的有意有益性を示した。重篤な事故はない。このテストでは54週目に両グループの臨床的差はない。

とはいえ

そのまんま

というエビデンスもあり、12週の時点では明らかに効果的であるとも言えるのです。この方は2か月の時点で完全回復しているのでエビデンス通りということになります。

回復は1か月~半年と考えておきましょう

比較的初回の治療で症状が軽減したので、思い切ってマイオバイブを使用した症例です。経験上徒手と運動療法によるマネジメントよりも短期間かつ運動療法がほぼなくても回復に向かうことが多いのでお話しあいをして導入しました。

1回の負担が大きいので時と場合によりますが、このような症例もあります。

とはいえ脚に症状が及んでいる方は1.2週で完治するとは考えない方が良いでしょう。

また施術家はどうしても相談者の満足度は高くないものだそうなので、相談者の共感を示すアプローチが求められるようです。

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