1か月ほど前に夕食を食べた後に貧血になり、救急で運ばれた。精密検査を受けて問題はなく 2週間投薬による経過観察をしたが回復に向かわない20代男性へのカイロプラクティック症例になります。
目次
自律神経系症状が出た20代男性
浮遊感の原因は?
船酔いのような浮遊感は眩暈ですが、これが何から来ているかはっきりしていない状況でのカイロプラクティックケアです。
病院での精密検査を経てからのカイロプラクティックなので、大きな問題は無いという状況でした。
平衡感覚異常は、差し迫った転倒の感覚、または適切な移動のために介助の必要性を感じる感覚です。それは時に、床の不適切な傾きの感覚、または浮遊感として説明されます 。 この感覚は、内耳や他のモーションセンサー、 または中枢神経系で発生する可能性 があります。
Reilly BM. Dizziness. In: Walker HK, Hall WD, Hurst JW, editors. Clinical Methods: The History, Physical, and Laboratory Examinations. 3rd ed. Boston: Butterworths; 1990. Chapter 212. PMID: 21250167.
めまいを経験されている方は解ると思いますが、いろいろな場所が原因になりうるし、絶対的でなく可能性として考えられている原因もありますので、はっきりしない場合は、試して探って緩解を得ていくという方向性が現実的だと思います。
このページでは上記の論文でいうところのモーションセンサーの不具合が浮遊感を出していたかもしれない、という仮説を説明しています。
求職活動中に起きた貧血
病院での精密検査では問題はなく 、2週間投薬による経過観察をしている。 暫くは音や光線など外界の刺激に過敏 であったが、その症状は治まりつつある ふわふわ感 がずっと続いているので2週間前に内科を受診し4.5日分の処方箋をもらうが変化がないため、5日後にMRIを撮ってもらうが異常なし原因が判らずネットでいろいろ調べていたらカイロプラクティックに行きついた。肩凝りもあったから来てみた。
末梢性の目眩で頚性めまい というものがあります。首の構造は感覚受容器が沢山ありますから、正常ではない首の使い方になっている時、誤作動をしてこのような症状が出る事もあります。
めまいに関連する基礎解剖学
頭の動きは、前庭迷路と視覚によって感知されます。 頭の回転運動は3半規管によって感知されます。 直線的な頭の動きと重心は、卵形嚢と球形嚢によって感知されます。首、脊椎、手足の筋肉と関節の受容体 は、体の位置と体と頭の動きを感知 します。
迷路からの情報は、上前庭神経と下前庭神経によって内耳道を通って延髄橋接合部の前庭神経核に伝達されます。二次ニューロンは、内側縦束と網様体を介して、第3、第4、および第6脳神経核のニューロンに接続します。
より多くの吻側の接続は、回転を感知する前頭皮質 に行きます。
下降する線維は、内側縦束と外側前庭脊髄路を経由して脊柱 に行きます 。
視覚系は、網膜から視神経、視交叉、視放線を介して後頭葉に情報を送ります。前頭葉と頭頂葉の両方が、頭の動きと環境の動きの両方で視覚系を標的にするために必要な追跡とサッカードの眼球運動に関与しています。皮質眼球は、上丘を介して傍橋網様体および動眼神経核に投射し、眼球運動を開始します。視覚情報と前庭情報は、中枢神経系、特に脳幹と小脳のいくつかのレベルで統合されています。
Reilly BM. Dizziness. In: Walker HK, Hall WD, Hurst JW, editors. Clinical Methods: The History, Physical, and Laboratory Examinations. 3rd ed. Boston: Butterworths; 1990. Chapter 212. PMID: 21250167.
ちょっとややこしい解剖の説明になりますが、青ラインの部分をチェックしてもらうと、背骨や筋肉もめまいと関係しうることが分かると思います。
細かな神経系の調整をされるカイロプラクターもいらっしゃいますが、私は筋骨格系の施術がメインになります。
来院時の痛みと状態
船に乗った後のようにフワフワしている 頭が気持ち悪いのが続いている(ご本人の表現です) 両肩と首の凝りがつよい 不安が強く、電車に乗ったりすることができない 症状は2週間つづいている
検査では不安感も症状の増悪に寄与している模様
首を鍛えていることもあり、首肩まわりの筋緊張が強い。緩和操作と脊柱へのアジャストメントを行う。 呼吸機能が低下しているのでスウェーデン式リラクゼーションエクササイズをお伝えする。 一連の出来事から不安が強いため、しっかりと状況を把握する意図で問診に時間をかける。転職活動中ということもあり将来への不安感もあるように感じられたため、認知療法的なお話しの進め方をおこなう。 来院期間中は「心がざわざわする日」もあり、CBT(認知行動療法)を軸にやりとりをする。 何度も何度も身体機能の基礎づくり、社会活動を中心にお話しあい をする 症状が少しずつ移動していって、最後は顎の下のコリ感でした
カイロプラクティックは健康科学です。何か病気を見つけるのではなく、機能していない場所、部分、パートを正常に働くように手助けをしてあげることで、その方が持っている治癒力を最大限に発揮してもらえるように働きかけます。
社会活動を中心にお話あいをしたのも、就職期間中で不安が強かった為です。人間は人生に不安、絶望を感じる時に、鬱、身体症状を出しやすいです。
計4回の来院で症状が出なくなりました。この来院回数が多いか少ないかはわかりませんが、人生の岐路に立つ青年のお役に立てたのではないかと思います。
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うつ病
うつ病を多角的にとらえて、ある種の囚われを俯瞰的に見られるようにエビデンスを載せてあります。
ご感想
昔、名古屋市で通っていた整体の先生と似ている気がします。病院とは違う対応、気配りで安心できた。 おかげ様で再就職もできて、この春結婚がきまりました!
院長のコメント:「素直な方で応援したくなります」
背中を押せて良かったです。
いろいろな方がいらっしゃいますが、なんだかんだで素直な方が一番改善が早いです。もともと人間には回復能力があります。複雑に考えすぎたり、あっちこっち行ったりしていると大切なことを見落としてしまいます。
もともとスポーツマンで基礎体力もありましたし、お伝えした呼吸法や運動をしてくれていたので、順調に社会復帰も含めたリカバリー(再生、回復)が早かった のだとおもいます。
この方のように、多くの自律神経症状は社会的な状況や、身体機能の直結しています。
向精神薬や抗不安薬などを使用する前に、カイロプラクティックや認知行動療法を本格的に行うといいでしょう。お薬はあとあとこじれてしまうことが多いようですから…
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