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60代男性回復しなかった症例。参考にしてください。
医師も原因がわからず回復まで向かわない症例も勿論あります。何が良くなかったのか考察することで、皆さまのヒントになれば良いと思います。
カイロプラクティックにも効果が表れやすい人とそうでない人もいます。特に慢性の腰痛は、処方薬があっても効果がなく、病院通いも珍しくはありません。
- 腰痛があるのが当たり前の生活
- 寝ても覚めても腰痛。
- いつも腰痛
- 半年ほど前から腰痛がひどくなり、左足も痛い
痛みと状態
医療機関を幾つも回ってきたが原因を知りたい
- いくつか整形外科を回ったがレントゲン撮影と痛み止めと湿布薬を配布されるだけだ。
- 仕事で荷物を毎日扱うので痛みをとりたい
- 前屈や後屈の可動域は著しく低下している
- 20代の頃のぎっくり腰は、カイロプラクティックで1っ発で良くなった経験がある
レントゲン撮影自体は繰り返し行う必要はなく、むしろ害であると私は考えています。
これらのことを述べている日本語サイトも多いとおもいます。コロナウイルス問題で日本の医療も変革してくるとおもいますので、多くの方の目に触れることを願います。
腰痛へのX線やCTなどの検査は有害、被ばくで将来のがんリスク上昇早期の場合―米解析。240億円の医療費削減効果も
1っ発で良くしてくれは無理
60代以降の相談者に良くあるのですが、若い頃はカイロ治療で1発で良くなったという経験があるとかえって慢性腰痛に対する治療スタンスを間違えてしまいます。
慢性腰痛の原因は様ざまで、効果が得られるまでは地道にリハビリを行っていく必要があります。
ストレッチや体幹筋トレーニングなど実にさまざまな運動をコーディネートして、少しずつ回復します。(一応説明はしましたが…)
基本的には運動療法をコンスタントに行っていく必要がありますが、伝わっていないということは説明不足でありました。
個人的な意見としては、バブル世代は相手にプレッシャーをかけて優位に話を進めようとする傾向があるとおもいますので、改めたほうが得策だと思っています。
慢性腰痛患者148名を対象に、30分間の理学療法群、1時間のマシンエクササイズ群、1時間の軽いエアロビクス群の3群に割り付けて6ヶ月間追跡したRCT(ランダム化比較試験)によると、3群間の治療成績に差は認められなかった。
これは3群とも効果がなかったというのではなく、効果が同じならよりコストのかからない方法を選びましょうという論文です
最善を試みるものの…
対応は運動療法も同時に進める
- 左足の痛みは下腿三頭筋からのものであるため緩和操作とストレッチ
- マッケンジーエクササイズなどの運動療法を試みる。自宅や勤務中に行って頂くようご指導させて頂く。
- 関節可動域の低下の回復のためのアジャストメント
- 2回の来院で左脚の痛みは取れた
率直なご感想:40年の症状は1.2回の治療では難しい
脚の痛みはすぐになくなった
若い頃にひどい腰痛になった時よりも時間がかかると聞いて仕方ないと思った。
2回の治療では腰痛はよくならなかった。「この年で運動を定期的に行うのは無理ですわ。」
代替医療で無保険での対応ですので無理強いは出来ないのですが、理想的には「なぜ無理なのですか?」という形でコミュニケーションを勧めるべきでした。
2017年時点では間違いなくマイオセラピーをお勧めします。ひと月に1度でいいので先ずは1年間通院されることをお伝えします。
考察:コミュニケーション不足が原因か
40年以上ある慢性腰痛ですから、早い段階で運動プログラムを取り入れましたが、その意図と重要性がしっかりと伝わらなかったと反省しています。
このような慢性痛相談者は最低でも週一回の来院を行い、センシティブなマネージメントが必要ですが、結果的には10日以上間隔のある来院スケジュールを自己判断で行い、ご指導した自宅での運動も行わない傾向であったため痛みのコントロールは困難であると思われました。
鬱や認知症に同じような脳の変化が慢性腰痛にもあることが近年の研究で解かってきています。もう少し広い視野で接することが必要であったように思われる。
50代以上に多い魔法的な回復への期待
この方は20代の時のぎっくり腰のように劇的にカイロ治療で回復することを期待されていましたが、その頃とは状況も状態も違うことをしっかりと自覚していただけなかったのではないかと思います。
それでも左足の痛みに関しては消失したので、その部分だけでもお力になれたのではないかと考えています。