亀背について解っていること
亀背は生活の一部になっています
亀背はなおりますか?ときかれますが、少しずつ改善するとお答えしています
背の曲がった老人を見かけます。医学的には背骨の一部が台形に骨折する圧迫骨折が原因とする説がありますが、かならずしもそうではないようです。
診断基準はない… 2007年時点

診断基準がない?
脊柱の高度後湾(亀背)は高齢者の20~40%に見られると推計されるが、2007年現在では診断基準もなければ原因も転帰も明らかでない。
一部の医師は骨粗鬆症による椎体骨折が原因と考えていますし、骨粗鬆症に治療に終始しています。
しかし近年の研究で明らかにされたのは、高度後弯(亀背)の多くは椎体骨折が認められない。原因は不明であるためより高度な研究が必要である。(Kado DM, Crandall C ,et at al,2007 Sep 4)
亀背だけでなく腰痛疾患も多因子性の病態として扱うべきでしょう。考えてみればしごく当たり前のことですが、普段の姿勢や性格的に猫背気味の方が落ち着くとか、数値で測りづらい要因もあると思います。
医学は基本的には一部分を切り取って原因を探しますから、亀背のような生活習慣が大きく関わるものは、なかなか特定できないのは否めません。
医学的には未だに原因は不明 2009年の研究
複数のシステム障害の影響が蓄積され、環境変化への対応が困難になると発症
脊柱の高度後湾(亀背)は高齢者の不健康と関連がある。
したがって高度後湾を老年期症候群、すなわち人体の複数のシステムが障害され、その影響が蓄積されて環境の変化への対応が難しくなると発症する、多因子性の病態と認識すべきである
(Ann Intern Med. 2009 May 19,Deborah M Kado, MD, MS,1 Li-Yung Lui, MA, MS,et at al)
カイロプラクティックの概念ではサブラクセーションコンプレックスといいますが、さまざまな要因が複合的に絡み合って形成されています。
カイロプラクティックによる手あてで改善すると言うデーターはいまのところなし
残念ながらカイロプラクティックによる手あてで亀背が回復するうというデーターはないです。ヨガなどを取り入れた運動療法を定期的に行い、カイロプラクティックでサポートしていけば回復していく可能性はあるとは言えますが、能動的なアクティブケアが大きなウエイトを占めるため本人の意思が大きく関わってきます。
幾人か施術させて頂いております。感想
臨床的には運動療法は必須だと考えていますが、亀背の方に反る運動を毎日行ってもらうように提案しても、本人にとっては非常に無理のある姿勢ですから率先して運動療法に参加する方は少ないのが当院の現状です。
来院時に比較的疲労感が少ない場合は長い時には15分ほどの運動療法を加えます。50歳代以下では簡単な動きも80代、90代の方になると非常に難しいという感想を仰います。
亀背になるような動きを数十年かけて作って来たわけですから当然と言えば当然です。2016年7月の時点では様々な方法で、治療院内では亀背から解放される方もおられます。繰り返し運動療法をしていくことで少しでも長い時間亀背から解放される姿勢を獲得していく必要があると思います。
個人差が大きいところだとおもいますが、このページの冒頭でお伝えした「亀背自体がその方の生活そのものである」ということが変化するのが難しいところだという印象です。
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