このページはカイロプラクティックでの症例を解説しながら両足にある痺れの対応方法を考えるページです。西洋医学とは違うアプローチを考えている方の参考になれば幸いです。
目次
両脚の痺れ 40代男性の症例
足の痺れはQOLをとても下げる
腰痛や脚への痺れは排尿障害などが無ければ基本的には2.3か月間は保存療法を行うことが世界的な基準になります。
保存療法は薬物療法、鍼灸、マッサージ、カイロプラクティックなどの非手術的なアプローチです。
本症例は40代男性で、過去に3回動けなくなるような腰痛の経験がある方
ハムストリングから脹脛部への痺れもあり、腰椎の問題やヘルニアの問題を心配されている方も多い。
状態、考えられる状況を解説し、エビデンス を照らし合わせ、ご自身でも考えられるように書いてあります。
40代前半男性 屋外での調査員
実際ご記入頂いた痛みの図(クリックで拡大)
初めてのぎっくり腰は20年前
前回の大きなぎっくり腰は3年前
今回は大きな腰痛になる前に予防的に診てもらいたい
出張前に悪化は避けたいので調整しておきたい
状態;眠っているときに不快感
痛みの強さは2/10である
両側の脚部後面にじわっとした痺れ
痺れは眠っている時に不快感がある
来週から出張なので、悪化する可能性を低くしたい
保存療法としての検査、それに対する施術
カイロプラクティック仮説診断: バックラインの緊張を伴った腰椎サブラクセーション
おでこから、つま先まで繋がっている筋膜、バックライン が緊張している人は、QOLが低下してさまざまな症状が出やすい
FFD(前屈運動)は恐怖で控えたい…検査不能
うつ伏せになってもらい背中をみせてもらう。バックラインの緊張 、おでこからつま先までの筋筋膜経線が緊張している
骨盤と腰椎に機能不全
緩和操作とスパイナルマニピュレーション(背骨と骨盤のアジャストメント)
カイロプラクティックテーブルによる背骨の牽引
スウェーデン式リラクゼーションエクササイズの処方
VIDEO
専用テーブルでしかできない施術
脚に痺れはMRIやレントゲンによる検査を考えがちですが、実際に画像診断が必要なケースは少ない。長年の統計学的な調査で画像診断は必要性が少ないことが判っている。
逆にカイロプラクティックのような保存療法による神経根症状への検査も精度は高くはない。今わかる範囲で保存療法のできることを模索します。
保存療法の中では有名な著書「アナトミートレイン」は筋膜のつながりを考えて施術するための概念ですが足の痺れにも有用です。
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筋膜の繋がりで症状を考えます。解剖学的には筋膜は自動収縮をするそうです。
これらの筋膜の収縮は中長期的に関節や筋肉といった人体組織の拘縮を促すと考えられています。バックラインの緊張を和らげると腰部から下肢へも影響があると言えます。
筋膜の自動収縮は数日から数か月で組織の拘縮や運動神経の協調に影響を与える可能性あり。 筋線維芽細胞の筋膜内存在がこれらの組織の剛性を変えることを可能にする。
この収縮組織の挙動は、いくつかの病理学的線維性拘縮で発生するだけでなく、正常な筋膜でも起こる。
Schleip R, Klingler W. Active contractile properties of fascia. Clin Anat. 2019 Oct;32(7):891-895. doi: 10.1002/ca.23391. Epub 2019 May 2. PMID: 31012158.
施術後に前屈をしたら問題なく前屈できた。 恐怖心もとれました。 そして、じわっとした両脚の痺れ感もなくなった。 また頃合いをみて電話します 。
バックライン緊張は実に多い
最後に前屈をしてもらった時に「あれ?なくなっちゃった」というコメントが印象的でした。この方のように過去に1度腰痛になると統計上は8割以上の方が腰痛の再発を経験します。
臨床経験上は再発防止の運動を辞めてしまい、数年すると再発している印象です。
バックラインは足先から背中を通って額まで繋がっている筋膜のライン。単に痛みをとるだけというようりは、将来的なことも考慮して、前屈系のストレッチは行っておいて損はないです。
この方が初回で症状が取れた理由は、①ストレスフルな状況ではないこと ②運動習慣がしっかりあった(週に180分のrun) ③痛みの程度が大きくなかった
カイロは満足度が高い
急性あるいは亜急性腰痛に対する脊椎マニピュレーションは、他の治療法に比べて短期間で疼痛および活動障害の改善、ならびに患者の満足度という点でより高い効果が得られる(★★★)。http://amzn.to/Hk8veA
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2017年のアメリカの論文でも「背骨の矯正、アドバイス、家での運動療法」の組み合わせは高めの評価で腰痛治療の評価が出ています。
(Noninvasive Treatments for Low Back Pain,2017 Sep) https://www.aafp.org/afp/2017/0901/p324.html
カイロプラクティックは日本では保険適応にならないので薬物療法で効果が無かった方からのご相談も多いです。
リハビリテーションも含めますので、再発防止も含めて、腰痛と前向きに向き合っていきたい方はご連絡ください。
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