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脊椎分離症のエビデンス

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脊椎分離症と腰痛は関係ない

腰痛でレントゲンを撮ると脊椎の一部が折れて分離症と診断される方も少なくないです。最新のデータでは分離症と腰痛とは関連性は無いということ。それよりも医療被曝の心配という考え方です。

斜方向からの腰椎単純X線撮影を日常的に行うことは、放射線被曝の影響を考えると成人には推奨できない(確証度B)。

ちなみに分離症があってもカイロプラクティックコックステーブルで牽引すれば、比較的早く回復するケースもあります。

脊椎分離症への理学療法のエビデンスは少ない、運動療法と併用が有用

エビデンスのレベル表

レベル1の研究なので、厳しい評価ですが、それだけ厳密に評価しているので信頼に足る研究だということです。症例や比較臨床試験よりうんと質の高い研究です。

脊椎分離症への理学療法の効果は、システマティックレビューという批判的吟味が受け入れ可能な研究はほとんどなく、批判的評価の関連性基準を満たした研究は2つだけでした。

2つの研究は、特定の運動介入が1つ、または他の治療と組み合わせて、脊椎分離症および脊椎すべり症による腰痛にプラスの効果があることを示唆する証拠を提供します。

ただし、使用した運動の種類は2つの研究で異なっていました。したがって、結論を出すことはほとんどできず、さらなる調査が必要

McNeely ML, Torrance G, Magee DJ. A systematic review of physiotherapy for spondylolysis and spondylolisthesis. Man Ther. 2003 May;8(2):80-91. doi: 10.1016/s1356-689x(02)00066-8. PMID: 12890435.

2011年のシステマティックレビューによると

脊椎分離症は、関節間部の骨欠損であり、慢性的な軽度の外傷に続発する発達性または後天性の疲労骨折であると考えられています。これは青年期に最も頻繁に発生し、最も一般的には腰椎下部に関係し、特定のスポーツや活動に関与するアスリートの間で特に高い有病率を示します。

脊椎分離症は無症候性である場合もあれば、脊椎の不安定性、腰痛、神経根症の原因となる場合もあります。
脊椎分離症の生体力学と病態生理学は複雑で議論されています。
イメージングは​​、脊椎分離症を検出し、急性および動くことで痛んでいる場所を、慢性の折れてしまったところが関節みたいになってないか区別し、良くなる見立てを確立して、治療を導き、骨の治癒を評価するために利用されます。

満足のいく技術的品質のX線撮影は、しばしばパーの欠陥を示すことがあります。(亀裂が分かるの意だとおもう)またマルチプラナーリフォーマットを使用したマルチスライスCTは、骨欠損を検出するための最も正確な方法で骨の治癒の評価にも使用できます。

ただし、X線写真と同様に、骨折線のない初期の浮腫性ストレス反応の検出には感度がなく、患者を放射線に曝します。(ここの捉え方は面白いとおもうけど、パー欠損が見つかれば被爆しても有益だけど、見つからないことが多い初期だと被爆するだけ)

感度が低くなるけどMRIをお勧めしている。それでも体液感受性画像上(T2画像?)の骨髄浮腫の存在は、目に見える骨折線のないストレス反応を示唆する可能性のある重要な初期の発見です。また、MRは、関連する神経根圧迫を特定するために選択される画像診断法です。

単一光子放射型コンピューター断層撮影(SPECT)の使用は、高率の偽陽性および偽陰性の結果と、かなり被曝があるから制限されるべき。

この記事では、脊椎分離症、その疫学、病因、および一般的な治療ガイドラインに関する現在の概念のレビュー、およびこの状態の診断とフォローアップのためのイメージング原理の詳細なレビューと議論を提供。

Leone A, Cianfoni A, Cerase A, Magarelli N, Bonomo L. Lumbar spondylolysis: a review. Skeletal Radiol. 2011 Jun;40(6):683-700. doi: 10.1007/s00256-010-0942-0. Epub 2010 May 4. PMID: 20440613.

これを読むと、青少年アスリートで腰痛があれば休むのが一番いいんじゃないですか?

2019年のアップデートによると

脊椎分離症は、スポーツの影響により増加している。子供が腰痛を呈する場合、脊椎分離症は考慮するべきです。徹底的な歴史と身体検査が不可欠です。

さらに、腰椎のX線写真、前後および側面のビュー、MRI、および選択的にコンピューター断層撮影は、パーの損傷を明らかにするための有用な補助手段です。

タイムリーな診断により、休息、骨の健康の最適化、装具治療、理学療法などの早期治療が容易になります。
遅延または未治療の場合、脊椎分離症は偽関節または偽関節の欠陥を引き起こす可能性があります。

症候性の場合、患者は腰椎椎間関節を癒合するか、関節間を修復するために手術が必要になる場合があります

Berger RG, Doyle SM. Spondylolysis 2019 update. Curr Opin Pediatr. 2019 Feb;31(1):61-68. doi: 10.1097/MOP.0000000000000706. PMID: 30531225.
ドクター

注意してほしいのは「症候性の場合」とある部分です。無症候性つまり、腰痛の症状がない、すべり症があるということです。
この部分は先述のとおり、無駄な手術や検査を防ぐために必要な知識です。
また手術も「場合がある」というわけで、ならない場合もあり、慎重に判断したいところだけど、明確な判断材料はない。

おまけ、腰椎を斜めから撮影するを国際比較

国によって違う斜めから腰を撮影すること

一方で1994年12月に出された大人の為の急性腰痛ガイドライン(英語)には文字だけですが急性腰痛に斜位像は撮るなと勧告が出されている。

腰部単純X線撮影の斜位像を常用することは、放射線被曝のリスクが増加するため、成人の急性腰痛患者には推奨されない(B)。

斜位像は腰椎分離症を検出するために撮影されてきましたが、成人の腰椎分離症は腰痛と無関係であることが明らかになっているため、無意味な放射線被曝は避けろという勧告です。

国によって医療の方針は違うのでしょうが、統計的には日本人だけ分離症が腰痛を引き起こしていると考えているのかもしれません。

最近では腰のレントゲン撮影は減少傾向にありますが、もし腰痛で何枚もレントゲンを撮るような雰囲気なら途中でもレントゲン医師に訴えましょう。「その撮影、本当に必要?」と。

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