ランセットでも特集が組まれるプラセボ効果。その重要性は医学の最先端で真剣に調べられています。
以前にも腰痛に関する記事でプラセボ効果について書きました。「腰痛患者にプラセボの説明を15分してから偽薬を渡して飲んでもらうと効果が薬と同等にある」という内容です。
記事を書いてから5年ほどでプラセボ効果の研究は積み上げられてきているようです。
今回はプラセボ効果の最大化のためにスマホ介入が良いかもしれないという研究です。
以下chatGPTに要約してもらった研究内容
プラセボ効果とは、医者が患者に「この薬は効きますよ」と言ったり、「この治療は良い結果が出ますよ」と言ったりすることで、患者の体や心が良くなることです。プラセボ効果を上手に使えば、患者さんの健康がもっと良くなるかもしれません。でも、どうやってプラセボ効果を使うかは難しい問題です。
医者が本当に信じて言わないと、患者さんも信じません。それに、他のことも影響するかもしれません。例えば、医者の顔つきや声のトーンや話し方などです。
スマートフォンのアプリを使ってプラセボ効果を調べる新しい方法を提案。アプリは、患者さんに期待を持たせるようなメッセージやイメージを送ります。そして、患者さんの症状や気分や行動などを記録します。(認知行動療法ですね)
アプリを使うと、次のようなメリットがある。
1)アプリは同じようにメッセージやイメージを送るので、バラバラにならない
2)アプリはランダムに患者さんを選んでメッセージやイメージを送るので偏りがない
3)アプリは医者と直接会わなくても使えるので、医者の影響がない
4)アプリは短い期間だけでなく、長い期間も使えるので、プラセボ効果がどれくらい続くかわかる
5)アプリはプラセボ効果がどうやって起こるかも調べられるスマホアプリによる介入は効果があるかもしれない
Gruszka P, Burger C, Jensen MP. Optimizing Expectations via Mobile Apps: A New Approach for Examining and Enhancing Placebo Effects. Front Psychiatry. 2019 May 31;10:365. doi: 10.3389/fpsyt.2019.00365. PMID: 31214057; PMCID: PMC6554680.
ポイントは患者の治療への期待が最大化するときにプラセボ効果が最高に発揮されるようなので、いかに期待してもらうかが大切です。
そういう意味では私のように「私は治せません」と公言しているカイロプラクターのプラセボ効果は低いのだと思います。
このような研究がこれから行われていきますので、わたしも参考にしたいと思います。