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伊藤孝英
カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長
RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアをしています。鬱・不安などの気分障害で過度な薬物療法に疑問をお持ちの方もお気軽にお問い合わせください。
そのまんまサンシャイン公式ホームページ
筋骨格系の症状はもとより代替医療のセカンドオピニオンもお気軽に聞きにきてください。https://chirosonomanma.com

スタチン使用者の中強度運動では筋損傷悪化しない

走るマッチョ高齢男性

スタチンの服用で筋破壊が進むという懸念があると思います。随分以前からあり、そのために服用をためらう方もおられると聞きます。

医学の研究は日々進んでおり、小規模の研究ながら中等度の運動では破壊が進行しないことが分かったよう。とはいえ小規模研究なので参考程度にしていただき、気になる方は引き続きウォッチしていきましょう。

目次

2023年の小規模研究

スタチンを使っている人たちが中程度の運動をしても、筋肉の損傷は増強されません。

この研究では、筋肉の症状があるスタチン使用者35人、症状のない使用者34人、使用しない人31人を比べました。

一人で長時間中程度の運動(1日30km、40km、50kmのウォーキング)を4日間行ってもらい、血中の筋肉の損傷のマーカーを調べました。

結果はすべてのグループで、運動前の筋肉の損傷のマーカーの値は同じでした。 しかし、運動後には上昇しましたが、グループ間の違いは運動ありませんでした。

運動前の筋肉痛ねスコアは症状のあるグループで高く、運動後はすべてのグループで増加しました。 運動後の筋肉の緩み具合は、症状のあるグループが使用しないグループよりも長かったです。筋肉の損傷のマーカー、疲労耐性、筋肉の症状には関連がありませんでした。

Allard NAE, Janssen L, Lagerwaard B, Nuijten MAH, Bongers CCWG, Rodenburg RJ, Thompson PD, Eijsvogels TMH, Assendelft WJJ, Schirris TJJ, Timmers S, Hopman MTE. Prolonged Moderate-Intensity Exercise Does Not Increase Muscle Injury Markers in Symptomatic or Asymptomatic Statin Users. J Am Coll Cardiol. 2023 Apr 11;81(14):1353-1364. doi: 10.1016/j.jacc.2023.01.043. PMID: 37019582.

みな一様に筋破壊が起きて筋肉痛になるということです。

とりあえずスタチンでの筋損傷は心配しなくてよさそう

このような論文が出てくる背景にはお察しの通り、「スタチンを服用していると筋破壊が進むかもしれない」という俗説が昔からあるからです。

今のところですがそのような心配はしなくても良さそうです。これが中規模、大規模研究、多民族による研究となると、また結果が違ってくる可能性はありますが、2023年7月の時点では大丈夫という根拠が示されたわけです。

それでも心配な方は、服用を控えておくというのも個人の選択の一つだとは思います。ご参考ください。

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