肩の手術に効果はない
腰の手術や膝の手術に効果がないことが多いことは何年も前から言われていますが、肩の手術に関しても言えるという研究結果です。
肩の痛みで一番多い「肩峰(けんぽう)」と呼ばれる部分の痛みへの手術と、手術と見せかけて手術しない偽手術、経過観察の3種類で6か月後、12か月後の回復率を比べても差がなかったようです。
実際の結果は6カ月後および12カ月後のいずれの時点においても、経過観察群を含む全ての群で肩の症状が改善していたのです。
肩峰の痛みの特徴
肩峰の痛みは腕を上げたとき、ねじったときなど腕や肩甲骨を動かしたときに下の写真の〇の部分やその奥、裏側が痛む痛みです。

手術の種類は「関節鏡視下肩峰下除圧術」(かんせつきょうかけんぽうげんあつじゅつ)という手術で、イギリスではここ数年で手術数が増えている方法のようです。英国ではその実施件数は2000年の2,523件から2010年には2万1,355件に増加している模様。
日本ではどうなんでしょうね?
慌てて肩の手術をする必要はなさそうです。
ラドバウド大学医療センター(オランダ)のBerend Schreurs氏は、「信頼に足る研究グループによる今回の報告が、今後の日常診療に変化をもたらすことを期待している。合併症リスクが低くても得られるメリットがなければ高額な外科手術を実施すべきではない」としている。
原著論文はこちら
Beard DJ, et al. Lancet. 2017 Nov 20. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29169668