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伊藤孝英
カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長
RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアをしています。鬱・不安などの気分障害で過度な薬物療法に疑問をお持ちの方もお気軽にお問い合わせください。
そのまんまサンシャイン公式ホームページ
筋骨格系の症状はもとより代替医療のセカンドオピニオンもお気軽に聞きにきてください。https://chirosonomanma.com

投薬治療時のうつ病の早期寛解の予測因子

薬を前にし祈るようなビジネスマン
どのような方がどのうよなお薬で早期緩解するか

お薬による薬によるうつ病の治療を考えている方や、 現在行っている方がその治療法によって早期に回復しているかどうかが、ある程度分かるようになってきたようです。

この研究によると血液検査によってサイトカインと呼ばれる、細胞から分泌される低分子タンパク質(生理活性物質の総称)の幾つかの種類の量によって早い段階でうつ病が良くなるか?もしくはそうでないのかがある程度判断できるようになってきたみたいです。

この研究は2022年12月に出された研究なので、このブログを書く一年前のあの研究です。知ってる方も多いかもしれないですけど、知らない方、ぜひ参考にしてみてください。

目次

SSRIとNaSSAがGM-CSFTNF-αIL-2で判断できそう

  • お薬による、うつ病の早期寛解の予測因子:
  • 抗うつ薬の治療反応は患者ごとに異なり、治療前に予測することは困難である。本文では、SSRIとミルタザピン(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSA))の治療反応と相関するサイトカイン(細胞から分泌される低分子のタンパク質で生理活性物質の総称)の分析を行った。
  • サイトカインの分析方法: 抗うつ薬治療前の患者95例を対象に、酵素結合免疫吸着測定法を用いて
    TNF-α(主にマクロファージにより産生されており、固形がんに対して出血性の壊死を生じさせるサイトカイン)
    IL-1β(炎症 反応の重要な媒介因子であり、細胞増殖、 細胞分化 、 アポトーシス を含むさまざまな活性に関与)
    IL-2(未分化なT細胞(ナイーブT細胞)及びインターフェロンγやIL-12の刺激を受けてナイーブT細胞から分化した1型ヘルパーT細胞によって産生され、Th1サイトカインと呼ばれるグループに分類される。IL-2は細胞性免疫に関与)
    IL-4(造血などに関与するヘマトポエチンファミリーというサブファミリーに分類される。IL-4は129個のアミノ酸から構成される可溶性タンパク質であり、活性化CD4+ T細胞をはじめ、マスト細胞、NKT細胞などによって産生)
    IL-6(T細胞やマクロファージ等の細胞により産生されるレクチンであり、液性免疫を制御するサイトカインの一つ)
    IL-8(マクロファージ、上皮細胞、気道平滑筋細胞および血管内皮細胞が産生する※ケモカインでインターロイキンの1つ)
    GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte-macrophage colony-stimulating factor;GM-CSF)またはコロニー刺激因子2(colony stimulating factor 2;CSF2)は、マクロファージ、T細胞、肥満細胞、ナチュラルキラー細胞、内皮細胞、線維芽細胞などから分泌される単量体の糖タンパク質であり、サイトカインとして機能)

    ※Gタンパク質共役受容体を介してその作用を発現する塩基性タンパク質であり、サイトカインの一群である。白血球などの遊走を引き起こし炎症の形成に関与す

    の分析を行った。うつ症状の評価は、ハミルトンうつ病評価尺度を用いて4週間調査した。
  • サイトカインと寛解率の関係: SSRI治療群では、寛解者において、ベースライン時のGM-CSFレベルが非寛解者よりも有意に高かった
  • ミルタザピン治療群では、寛解者において、ベースライン時のTNF-αレベルが非寛解者よりも有意に高く、IL-2レベルは有意に低かった。
  • サイトカインのカットオフ値: ミルタザピン治療群では、TNF-α(10.035 pg/mL)およびIL-2(1.170 pg/mL)のカットオフ値が寛解率を予測する因子であることが示唆された。SSRI治療群では、GM-CSF(0.205 pg/mL)をカットオフ値として用いることで、寛解率が約2倍に増加することが推定された。
Pre-treatment plasma cytokine levels as potential predictors of short-term remission of depression – PubMed (nih.gov)

私はカイロプラクターなので生理学の専門ではないし、薬理学も専門ではないんですけれども、患者さんご自身が判断するにあたって、これがベストな方法ではないかもしれないですけれども、現状のケアにおいて有効な判断材料になるんじゃないかなと思って今回ブログにしました。

私も勉強しながらブログを書いてるんですけども少しでもうつ病の患者さんのお力になれれば何よりです。ご参考ください。

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