不眠症は世界的に多くの人が悩む問題で、新型コロナウイルス感染症の影響でさらに増加しました。
不眠症の第一選択は認知行動療法と言われますが、実際に対面で行える機会がある人は少ないのではないかと思います。
不眠症は生活の質や健康に悪影響を及ぼすため、効果的な治療法が必要で認知行動療法がその一つであることは間違いないのですが、その機会を増やす必要があります。
目次
スマホでの認知行動療法の効果
中国浙江大学の研究者たちは、インターネットやスマートフォンアプリを通じて提供するdCBT-Iの有効性を、薬物療法単独またはdCBT-Iと薬物療法を併用した場合と比較する後ろ向きコホート研究を行いました。
この研究では、不眠症患者4052人を6カ月間追跡し、睡眠の質や併存する精神症状などを評価。
その結果、6カ月後の睡眠の質は、薬物療法単独よりもdCBT-I(デジタル認知行動療法)単独またはdCBT-Iと薬物療法を併用した方が改善されていました。
また、併存する嗜眠、不安、抑うつ、身体症状もdCBT-I単独またはdCBT-Iと薬物療法を併用した方が減少していました。
このことから、dCBT-Iは不眠症治療において有効であり、長期的な睡眠の質改善には両者の併用が有望であることが示唆されました。
高血圧治療にアプリが保険適応になったくらいですから、認知行動療法アプリが保険適応になる日も遠くないのかもしれませんね。
あわせて読みたい