食べ物と頭痛の関係は以前から知られているようですが、どのような食べものが片頭痛発生と関係しているのかは定かでないようで、中国の山東大学のXinhui Liuさんたちは、食べ物が頭痛を起こす原因になるかどうかや、頭痛に 関係する他の問題にどう影響するかを調べるために、この研究をしました。
その結果、 食べ物と頭痛の関係が見つかりました。そして、頭痛以外に食べ物が『寝不足』や『気分の落ち込み』にも 関係しているかもしれないということがわかりました。Frontiers in Nutritionという 雑誌に2023年6月7日に発表。
PubMed


Association between dietary habits and the risk of migraine: a Mendelian randomization study – PubMe…
Our study provides evidence about association between dietary habits and the risk of migraine and demonstrates that some associations are partly mediated throug…
目次
方法論と内容
たくさんの人の遺伝子のデータを使って、83種類の食べ物と片頭痛やとの関係を調べるために、2つの方法で分析。そして、頭痛に関係する他の問題が、どう影響するかも調べました。
主な結果は以下のとおりです。
- コーヒーやチーズや脂っこい魚、赤ワインや生野菜やミューズリーや全粒粉/全粒パン などの食べ物は、遺伝子的に見て頭痛が起きにくい人と関係していた。これらの 食べ物を食べると、頭痛が起きる確率が0.78倍から0.61倍になります(オッズ比なのでほんのちょっと)。
- 白パンやコーンフレーク/フロスティや鶏肉などの食べ物は、遺伝子的に見て頭痛が起きやすい人と関係していました。
- 白パンや全粒粉/全粒パンやミューズリーや赤ワインやチーズや脂っこい魚などの 食べ物は、遺伝子的に見て寝不足や抑鬱が起きやすい人と関係していまし た。
- これらの食べ物は、頭痛を起こす原因になっているかもしれません。
- 遺伝子的に見て頭痛が起きやすい人は、お酒の種類によって違います
うつ病の人は片頭痛を併発する可能性が高くなります 。考えられる主なメカニズムには、脳の発達の異常や共通の遺伝的基盤、さらには神経伝達物質、性ホルモン、ストレスなどが含まれますが 、これらの病因仮説については別の場所で詳しく議論されています。
片頭痛(familial hemiplegic migraine: FHM)は3 つのサブタイプが知られている。
FHM1 は、19 番染色体上のカルシウムチャンネル(CACNA1A)の変異、
FHM2 は 1 番染色体上のナトリウム /カリウム―ATPase(ATP1A2)の変異
FHM3 は2 番染色体上のナトリウムチャンネル(SCN1A)の変異 。