かねてからお伝えし続けている腰痛ストレス説、いよいよ日本の整形外科学会と日本腰痛学会が2012年に診療指針を改めた模様。
あらためてこの10年前を振り返ってみると、オールドメディアでストレスと腰痛の関与の番組放送も増え、変化はしてきています。とはいえ、クリニック経由でカイロプラクティックに来られる患者さんの口から「ストレスに関する問診があった」という話は1度も聞いたことはありません。
整形外科学会の指針が変わったとはいえ、診療報酬体系が変わらないので、日本社会での医療提供体制は2026年でも変わっていないです。
整形外科学会と腰痛学会は動いた

日本整形外科学会と日本腰痛学会は30日までに、腰痛の発症や慢性化には心理的なストレスが関与しており、
画像検査などでも原因が特定できない腰痛が大半を占めるとの診療ガイドライン(指針)をまとめた。
ですから腰痛の診療にはストレスチェックが大切です。
これも通り一辺倒に「ストレスありますか?」では拾いきれないので、細かいチェックを綿密に時間をかけて行っていく必要があります。
これを日本の医療制度でどこまで可能かはいささか疑問ですが、腰痛の管理には必要な要素です。
オーストラリアなどでは腰痛の初診時に60分の診察があるといいます。州や国がそれくらい時間をかけて対応した方が中長期的に有益である統計を用いて、医療制度の再設計を行ったからです。
60分の診療で腰痛認識の説明が丁寧に行われます。それだけ時間をかけても医師の報酬を充分に確保できる保険点数が与えられているそうです。
2019年追記:オセアニア全体で、腰痛の初診に1時間ほど診療時間にあてる取り組みをしてます。

おそらくヨーロッパガイドラインに書いてある内容を告げただけなのだろうと推察されますが、具体的に何分くらいの受診時間が必要かなど具体的になければ、そうなるのでしょうね。
医療現場の変化は今は期待できない
現状の見通しでは、このガイドラインに沿って腰痛診療をすると病院経営が確実に成り立たなくなるといわれていますので、当分の間はやはり画像診断を行い、画像診断に対する保険点数がつけられ、ヘルニアなどの診断がでることが予測されます。
病院経営も楽ではないと聞きます。お医者さまも経営という観点と、医者という観点と両立しなきゃいけませんから、疑問に思った時は患者さんからお医者さんに問いましょう。
良心的なお医者さまならば、きちんとお話をしてくれます。日本のお医者さまは優秀ですから、確かに先生に従っておけば大丈夫な場面も多いですが、気さくに話せる先生だと尚良いと思いますので、コミュニケーションの一つだと思って質問してみてください。たとえ30秒でもストレスのお話できれば、それも一つの相互理解に繋がるキッカケになるのかもしれません。
最後になりますが、ガイドラインには、「非特異的腰痛は、職場での人間関係や仕事量の多さ、仕事上の不満、うつ状態など心理社会的要因が関与している強い証拠がある」と指摘されています。「ストレスを軽減するためにものの考え方を変える認知行動療法などの精神医学療法が有効だとした。」云々という内容です。
カイロの臨床現場から
『非特異的腰痛は、いわゆるぎっくり腰やストレスが原因となっているものを含み、全体の85%を占めるとの研究がある』といいます。カイロプラクティックでは背骨の機能的側面から腰痛を見つけようとします。
当院ではこのストレス関与説を15年以上前から主張してきたため、さまざまなケースを見てきました。慢性腰痛の場合、背景に大きなストレスがあると疼痛行動を無意識に患者さんは取り続けています。
これが無意識の行動なので、意識化させるのが大変なケースは多いです。
あとは、背景のストレスを感じながら、話せない、身体的問題の中で解決させよう、と心に決めている方も長期化、拗らせる傾向があります。
精神医学ではスキーマというそうですが、患者さんの中核的思考が、患者さんの置かれている環境にそぐわない場合は、少し考え方の変更も必要ですが、それが難しい時期があります。
スキーマによっての成功体験が過去にあると、それ自体が着手すべき事案だと想像もできません。
ただ身体は正直です。そのような方でも、向き合う中で少しずつ着手せざるを得ない心境になってくるものです。









