実際にお医者さまによる診断が出ていなくても、身体の沢山の場所が痛い方は沢山いらっしゃいます。線維筋痛症(Fibromyalgia)の診断基準では、「広範囲の痛みが身体の複数の部位に3か月以上持続していること」が重要なポイントとされています。
診断が出る基準は7カ所以上の痛みがあり、疲労感、睡眠の質低下、認知機能障害を量るSSスケール(Symptom Severity Scale)でが3~6/12点以上
もしくは痛みが3~6か所の場合、SSスケールが9以上あると、アメリカリウマチ学会の2010年の基準で規定されています。
カルテ記載時に「痛みを書いてもらう図」がありますが、3か所以上記入は5割の方がかかれます。また睡眠の質の低下や、疲労感がある方、会話から認知機能の低下が疑われる方はカイロプラクティックを利用になる方にとても一般的です。
実際に診断が出ていなくても、状態としては線維性筋痛症と似たような方は多いので、臨床上有用なデータとなります。
認知行動療法や運動療法、その併用は線維筋痛症に有効
どこにいっても良くならない痛み、いたるところが痛い、身体の沢山の部位に痛みがある場合に線維性筋痛症の診断がでる可能性があります。
私は特に診断名に拘らないので、粛々とエビデンスベースのカイロプラクティックを提供しています。逆にもし患者さんに診断が下されていたとしても、あまりその言葉に束縛されて欲しくないです。
そような苦しい状態の方に、電話による認知行動療法(CBT)または運動療法が有効であることが明らかになったという。慢性的な筋骨格系の痛みの軽減には運動療法が必要ですが線維性筋痛症にも有効であるという。
対面でのセッションには限界
この研究のポイントは『対面によるセッションには限界があるため、電話によるサポートが行われている』という点です。
当院でもオンラインで認知行動療法を行おうと料金設定しましたが、利用者はほぼありませんでした。まあ、困っている方は意外と少ないんだな、と気楽に考えるようにしています。
比較対照試験
さて研究ですが
⓪通常治療群(慢性広範痛治療ガイドラインにある、薬物療法、理学療法、心理療法)
①電話によるサポートの認知行動療法(TCBT)
②運動療法群
③それらを組み合わせた治療をプライマリケアで提供する群に分けて追跡。
慢性疼痛グレード質問票〔CPG〕と全般的健康質問票〔GHQ-12〕による評価)で調整しても、通常の治療に比べ、積極的な治療を受けた3群の患者の改善は有意に大きかった。6カ月後に転帰良好と判定された患者は
⓪通常の治療群では8.1%
①TCBT群では29.9%
②運動療法群は34.8%
③プライマリケアで併用群は37.2%9カ月後はそれぞれ
⓪8.3%
①32.6%
②24.2%
③37.1%になった(P<0.001)。
Cognitive Behavior Therapy, Exercise, or Both for Treating Chronic Widespread Pain
John McBeth, MA, PhD; Gordon Prescott, BSc, MSc, PhD; Graham Scotland, BSc, MSc et al
今回評価された6カ月間のTCBTまたは運動療法は、慢性広範痛患者のCPG(慢性疼痛グレード)を有意に改善することはできなかったが、患者の自己申告に基づく全般的な健康状態に臨床的に意義のある改善をもたらしたという。
つまり痛み感覚の改善にはつながらないが、健康を実感することが増えた、と言えます。
痛みを抱える患者さんからすると最初?かもしれませんが、カイロプラクティック臨床を行っていると良く分かる研究結果です。
短期的な来院の方ですと、明らかに生活の質が向上しています。でも質問をすると「痛みは変わっていないですねえ」とか、思い出したように付け加えます。
慢性痛のある患者さんでも、数回の治療で劇的な改善を期待している方もおりますが現実はそんなに甘くはない。当院では認知行動療法、メール、運動療法、カイロプラクティックケアとを併用しています。最大限の効果は望めます。
ただし焦らず、先ずは2カ月くらいを目安に通院してみましょう。そうしていく中で、最初に健康的な意識が芽生え、運動療法をして、施術も受けると痛みも改善し、そして自分でコントロールできるようになっていきます。
その頃には社会的状況も改善し、心理的負担も減っていることでしょう。痛みとそれらは、歯車になっています。










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