カイロプラクティック臨床をやっていると、「脊椎分離症がありまして」と問診時に伝えてくださる方もおられます。
その部位をアジャストするかどうかは、状態を見て判断しますが、触診や筋操作でカイロプラクターとして気になる事は「分離している脊椎周囲の筋をほとんど触ってもらっていないんだなあ」ということです。
脊椎分離症と腰痛は関係ないことも
腰痛でレントゲンを撮ると脊椎の一部が折れて分離症と診断される方も少なくないです。最新のデータでは分離症と腰痛とは関連性は無いということ。
それよりも医療被曝の心配という考え方です。
斜方向からの腰椎単純X線撮影を日常的に行うことは、放射線被曝の影響を考えると成人には推奨できない(確証度B)。
脊椎分離症への理学療法のエビデンスは少ない、運動療法と併用が有用

レベル1の研究なので、厳しい評価ですが、それだけ厳密に評価しているので信頼に足る研究です。
システマティックレビューでは疲労骨折、前段階で保存療法を
脊椎分離症は、関節間部の骨欠損であり、慢性的な軽度の外傷に続発する発達性または後天性の疲労骨折であると考えられています。
これは青年期に最も頻繁に発生し、最も一般的には腰椎下部に関係し、特定のスポーツや活動に関与するアスリートの間で特に高い有病率を示します。
脊椎分離症は無症候性である場合もあれば、脊椎の不安定性、腰痛、神経根症の原因となる場合もあるので、一概に分離症があれば腰痛があるわけではないが、注意が必要です。
画像メージングは脊椎分離症を検出し、急性および動くことで痛んでいる場所、慢性の折れてしまったところが関節みたいになってないか区別し(偽関節)、良くなる見立てを確立して、治療を導き、骨の治癒を評価するために利用されます。折れてたら、休むしかないです。
- 繰り返し反る動きをする運動をしていて、腰痛になった場合
- X線で分離が確認できなくてもCTで確認できるかも
- おれていない段階ではMRIで疲労骨折間際のストレス反応が確認できる
- いずれにせよ多くは保存療法で回復する
満足のいく技術的品質のX線撮影は、しばしばパーの欠陥を示すことがあります。(亀裂が分かるの意だとおもう)
またマルチプラナーリフォーマットを使用したマルチスライスCTは、骨欠損を検出するための最も正確な方法で骨の治癒の評価にも使用できます。ただし、X線写真と同様に、骨折線のない初期の浮腫性ストレス反応の検出には感度がなく、患者を放射線に曝します。
そのまんま伊藤ここの捉え方は面白いとおもうけど、パー欠損が見つかれば被爆しても有益だけど、見つからないことが多い初期だと被爆するだけの可能性もある。しかしもしパー欠損がみつかれば必ず休んだ方が良いので、難しい選択になりますね。
この中では、感度が低くなるけどMRIをお勧めしている。それでも体液感受性画像上(T2画像?)の骨髄浮腫の存在は、目に見える骨折線のないストレス反応を示唆する可能性のある重要な初期の発見です。
また、MRIは、関連する神経根圧迫を特定するために選択される画像診断法です。
単一光子放射型コンピューター断層撮影(SPECT)の使用は、高率の偽陽性および偽陰性の結果と、かなり被曝があるから制限されるべき。
Leone A, Cianfoni A, Cerase A, Magarelli N, Bonomo L. Lumbar spondylolysis: a review. Skeletal Radiol. 2011 Jun;40(6):683-700. doi: 10.1007/s00256-010-0942-0. Epub 2010 May 4. PMID: 20440613.
早期のPASストレス反応※は、皮質骨折や脊椎滑りの進行(すべり)の進行前に高度な画像診断で特定できます。低度の損傷には保存的管理が第一選択であり、難治性症状、重度の脊椎すべり症、または著しい神経学的欠損には外科的介入が適応されます。脊椎症の迅速な診断と管理は、多くのアスリートにとって良好な結果と競技復帰につながります。
Chung CC, Shimer AL. Lumbosacral Spondylolysis and Spondylolisthesis. Clin Sports Med. 2021 Jul;40(3):471-490. doi: 10.1016/j.csm.2021.03.004. PMID: 34051941.


※PAS stress reactionは、背骨の椎弓部に浮腫反応がみられ、分離症の前段階でストレスが定期的にかかっている場所がMRIで判るそうです。
なので椎弓が折れる前にの段階で、スポーツを休息できれば、競技復帰に繋がりやすいです。
浮腫の段階では、レ線やCTで発見できない。
早期発見が大切。部活性は休んでよ
これを読むと、青少年アスリートで分離症の疑いがあり、なおかつ腰痛があれば、先ずは、休むのが一番いいんじゃないですか?
他の部位でもそうですが、安定するのに数か月は必要ですから、イメージングで分離症の疑いがあれば、部活動をお休みしましょう。
結局、高負荷や過伸展の繰り返しで、疲労骨折したら休むしかない。動いていればさらに、骨折がひろがります。
休んで骨が癒合するかどうかは別として、休まないと痛みは治まってきません。
最後の大会前や、大きな大会の前でも生涯で見れば休んだ方が得策だと思います。ただスポーツマンで運動一筋で学生生活を送った場合は、悩ましいです。
プロ注目の高校生や、大学生なら試合出場を考えても良いのかもしれませんが、腰が痛い状態であれば望ましい結果が出る可能性は下がります。
卒業して10年も経てば、悔しさもバネにして社会で活躍できるでしょうから、運動部はお休みしましょう。
早期発見できれば、保存療法(安静・装具・運動制限)で治癒が見込めます。
放置すると完全な分離(spondylolysis)やすべり症(spondylolisthesis)に進行するリスクがある。特に成長期のスポーツ選手(野球・体操・サッカーなど)に多い
カイロの臨床上は慢性腰痛で、すべり症持ちであっても特に問題はないですが、印象としては、滑っている部位の筋肉は物理的なストレスが掛かり続ける印象です。
すべりのグレードにもよりますが、マイオバイブで施術をすればあるていど慢性腰痛はコントロールできるようになります。
2019年のアップデートによると
脊椎分離症は、スポーツの影響により増加している。子供が腰痛を呈する場合、脊椎分離症は考慮するべきです。徹底的な問診と身体検査が不可欠。
さらに、腰椎のX線写真、前後および側面のビュー、MRI、および選択的にコンピューター断層撮影は、パーの損傷を明らかにするための有用な補助手段。
タイムリーな診断により、休息、骨の健康の最適化、装具治療、理学療法などの早期治療が容易になります。
遅延または未治療の場合、脊椎分離症は偽関節または偽関節の欠陥を引き起こす可能性があります。
症候性の場合、患者は腰椎椎間関節を癒合するか、関節間を修復するために手術が必要になる場合があります。
Berger RG, Doyle SM. Spondylolysis 2019 update. Curr Opin Pediatr. 2019 Feb;31(1):61-68. doi: 10.1097/MOP.0000000000000706. PMID: 30531225.
カイロプラクティック臨床を20年行っていると、滑っている箇所は起立筋の走行に変化があり、筋肉自体の疲労がたまっています。
そして冒頭書いたとおり、なぜかマッサージ等のお手入れをしていない方が多いです。施術家の方も手を付けないのかもしれません。そしてこの状態は「分離症が無い方で慢性腰痛がある方」でも同じです。ただ分離症がある方で、手入れしてない場合のほうが触診上顕著にザラツキを感じます。
「そこまで触ってもらったことがない」と訴える方がほとんどです。痛みを出している筋肉をほぐすわけですから、慢性期にはいっていれば、施術で楽になるケースは多いです。
黄色線部分は症候性でなければ手術の必要はない、と言えます。不思議ですね、滑っていても痛くないケースもあるって。
また手術も「場合がある」というわけで、ならない場合もあり、慎重に判断したいところだけど、明確な判断材料はない。
グレードI脊椎すべり症※の患者において、ブレースを使用せずに保存的管理技術を用いて痛みの緩和と機能回復が達成できることを示唆
Boyd ED, Mundluru SN, Feldman DS. Outcome of Conservative Management in the Treatment of Symptomatic Spondylolysis and Grade I Spondylolisthesis. Bull Hosp Jt Dis (2013). 2019 Sep;77(3):172-182. PMID: 31487482.
グレードI脊椎すべり症(Grade I spondylolisthesis)は、脊椎の前方へのすべりが25%以下の状態
脊椎溶解症および呼吸性脊椎すべり症は、腰痛の原因として一般的に考えられています。ダイビング、ウエイトリフティング、体操、レスリングなど、腰椎の反復過伸展を必要とするスポーツに関わる多くの患者は、脊椎溶解症や脊椎すべり症を発症します。
包括的な身体検査と、レントゲン、CT、MRIなどの画像診断がこの疾患の診断に重要な役割を果たします。大多数の患者は保存的管理で改善しますが、持続的な症状のために手術が必要な患者もいます。
Mohile NV, Kuczmarski AS, Lee D, Warburton C, Rakoczy K, Butler AJ. Spondylolysis and Isthmic Spondylolisthesis: A Guide to Diagnosis and Management. J Am Board Fam Med. 2022 Dec 23;35(6):1204-1216. doi: 10.3122/jabfm.2022.220130R1. Epub 2022 Dec 16. PMID: 36526328.
2022年の診断とマネージメントの論文にも大多数の患者は保存的管理(手術なし)で改善すると書いてあります。手術が必要なのは「持続的な腰痛」がある場合に必要な患者もいる、としてあります。
呼吸性の脊椎すべり症は、呼吸時のみ腹圧の変化ですべり現象がおきるタイプで、これは呼吸法の訓練をする必要があるようです。具体的にどんなのでしょうかね??









