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伊藤孝英
カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長
RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアをしています。鬱・不安などの気分障害で過度な薬物療法に疑問をお持ちの方もお気軽にお問い合わせください。
そのまんまサンシャイン公式ホームページ
筋骨格系の症状はもとより代替医療のセカンドオピニオンもお気軽に聞きにきてください。https://chirosonomanma.com

    慢性腰痛にならない為に

    慢性的にいつも腰が痛いと訴える方が貴方の周りにもいるかもしれません。もしかしたら貴方自身もそうなのかもしれません。

    このページでは慢性腰痛にならないために、どのような観点で生活したら良いのかをエビデンスベースで綴っていきます。できれば腰痛発症から3カ月以内に読んで欲しい内容になります。一言で言えば、腰痛の考え方を変える必要があります。

    目次

    ぎっくり腰の慢性腰痛化を招く因子は何か?

    慢性腰痛はぎっくり腰と違うカテゴリーの疾患分類になります。

    慢性化した腰痛は治るのに時間がかかり、生活のさまざまな分野にマイナスな影響を及ぼします。ご自身が思っているより大変になるリスクが高まります。

    加齢や加体重、肉体労働といった従来考えられていた因子の影響は少ないようで、最近では心理学的なことと、生活への障害度合が慢性化に影響すると言われています。

    変化しやすい職場の環境や、痛みの度合い、痺れの有無(神経根症状)は腰痛の慢性化の指標にはなりづらいようです。ちょっと分かりづらいので、詳しく説明していきましょう。

    2010年の10842人を対象とした大規模研究

    体系的レビューとメタ分析の結果、1年以上腰痛が続いている場合の大きな原因が判明。

    以外に思われる項目もあります。

    エビデンスレベル
    最上級の研究

    研究での5大要因は以下の通り

    1. 不適応的な痛み対処行動
    2. 非機質的症状
    3. 日常生活動作の不具合、機能障害
    4. 全体的な健康状態
    5. 精神医学的問題の併存

    が腰痛の慢性化を招きます。①は痛みの動きを再現してしまったり、痛みを怖がって動かないなど、不適切な対応をしていると慢性腰痛になりやすい。

    ②は腰の骨や筋肉に異常が無い時

    ③は痛みのせいだったり、恐怖だったりで日常生活動作の回復が遅い時。

    ④は不健康な状態の方

    ⑤は鬱や不安など精神的な問題が根底にある時。

    ですから、ぎっくり腰の対応では上記5点へ目を向けておく必要があります。ぎっくり腰の患者としての経験上、①は重いものを持つのは3週間は避けた方が絶対にいいです。

    腰痛になってもビビらない

    日常生活動作の再獲得が重要なポイントになります。私も3回のぎっくり腰を経験しました。

    いろいろな事を試しましたし、ガイドラインに沿ったケアを実践して判った事、失敗した事などもあります。

    カウンセリングしましたか?

    慢性腰痛も基本的には手術を必要としません。ぎっくり腰のような急性腰痛はだいたい1か月程度で自然治癒していくものですが、腰痛が慢性化してしまった腰痛にはコンサルティングをして回復の過程を明確に歩む必要があります。

    最初の腰痛治療に失敗した時(まあ3か月から6か月経過しても良くならない時)はできるだけ早く、多学問領域にわたる対応ができる複合センターを利用したほうが良いでしょう。

    腰痛のパラダイムシフトが必要!!

    世界中の多くの研究者が腰痛に取り組んできたにもかかわらず、依然として医学的・社会的大問題でありつづけている。効果のない治療と見当違いの政策によりこの危機が雪だるま式に大きくなっていってる状況。腰は壊れていないので、動かして治していく必要があります。腰は痛みを出しているだけで壊れてはいません。

    腰痛は20世紀の医学的大問題だったがその遺産は21世紀も拡大している」

    (The Back Pain Revolution ,Gordon Waddell DSc MD FRCS)

    1年以上ある慢性腰痛も手術前にリハビリを!

    オズウェトリー活動障害スケールと、背中パフォーマンススケールとProloスケールという指標で、手術グループと、リハビリグループで比較した研究です。

    オズウェトリー活動障害スケールでは優位に改善したかのようにみえるが、設定した改善ポイントは満たしておらず、改善しなかった人も多いようです。

    「背中の動作能力(functional performance)」を客観的に評価するスケールとproloスケールには差がないらしい。

    背中の動作能力は 患者が実際に動作を行う“パフォーマンステスト”で構成される。

    構成(5つの動作テスト)

    1. Sock test(靴下を履く動作)
    2. Pick-up test(床から物を拾う)
    3. Roll-up test(仰向け→座位への起き上がり)
    4. Lift test(物を持ち上げる)
    5. Stair-climb test(階段昇降)

    Proloスケール(Prolo Functional–Economic Rating Scale)とは 何を測る?

    「機能(Functional)」と「経済的活動(Economic)」の2軸で、生活レベルを評価するスケール。

    腰痛手術のアウトカム評価として古くから使われている。

    構成(2つのサブスケール)

    1. Functional(機能)スケール:1〜5点
      • 1:重度の障害
      • 5:正常に近い活動
    2. Economic(経済活動)スケール:1〜5点
      • 1:働けない
      • 5:制限なく働ける 

    以上のことから、手術の潜在的なリスクやリハビリグループのかなりの割合が経験する大きな改善も、全体的な意思決定に組み込まれる必要があります。

    BMJ 2011; 342 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.d2786 (Published 19 May 2011)Cite this as: BMJ 2011;342:d2786

    21世紀になっても、手術の前に集学的なリハビリテーションを勧める内容の論文は、出され続けています。当院でも慢性腰痛の初診の方には、枠組みを説明してリハビリテーションの入り口をご紹介しています。

    とても骨の折れる作業ですから、多くの方は真面目にリハビリテーションを行いません。本当に困っている方は、真面目に取り組んでくれます。良かれと思って提供していても、そこまで需要が無いのかもしれません。

    それでも真面目に取り組む方の症例は少しずつ集まっていますので、その知見を活かして対応しています。

    では慢性化した腰痛、首痛はどんな治療が必要?

    さて一般的なカイロプラクティックの臨床で行われている内容が関わる研究をご紹介します。なぜカイロプラクティックが未法制下の中で日本で生き残っているのかを知るのに有用です。

    1992年慢性腰痛、首痛に対する臨床比較対照試験

    • 医師による標準的治療群(レントゲンと安静など)
    • 偽薬による疑似治療群
    • 脊椎マニピュレーション群(背骨骨盤の矯正)
    • 物理療法群(エクササイズ、マッサージと温熱療法、電気療法、超音波、短波ジアテルミーなど)

    一年後の結果は

    これらを1年間にわたり追跡調査した研究です。
    無作為による臨床比較対照試験の結果ですから信憑性も高いです。

    最も成績が悪かったのは
    ①医師の標準的な治療群(レントゲンを撮って安静にして様子をみる)
    ②シャムトリートメント群です。(見せかけの治療)

    比較的効果があったのは③と④
    ③の脊椎矯正は研究のために筋操作は最小限にしてあります。12ヶ月後になると脊椎操作の治療は、12ヵ月の後の物理療法よりわずかによいことが分かっています。

    カイロ治療は基本的に③と④を組み合わせて行います。さらに運動療法もあるとより効果的でしょうね。

    忘れていけないストレスの存在

    腕組みする女性
    腰痛にストレス?関係あるの?

    カイロプラクターとして腰痛をみさせて頂く立場から初診時での心理・社会的な要因への配慮は欠かしません。最初にご紹介した研究での⑤になります。

    当院では簡易質問をしたり、Bs-Popに記入してもらい抱えていらっしゃる問題が浮かび上がる事も少なくはありません。ただ覚悟してきている方以外は、初診から深刻な問題を話す方は居ません。

    腰が凝り固まって、ほぐして欲しい方への質問はほどほどにして施術しますが、思っているよりも大切な質問です。また身体んのケアを繰り返ししていく中で、話してくださるケースもあります。

    【こんな研究もあります】
    臨床医は心理学的問題と不適切な信念や態度に対して警戒を怠ってはならないが、その一方でプライマリケアの段階で心理・社会的因子(イエローフラッグ)を検出するための最善のスクリーニング方法と戦略を明らかにする必要がある。

    心理・社会的問題は、腰痛の慢性化および長期障害への移行において重要な因子であるという一般的な合意があります。しかし肝心の心理・社会的問題を抱えている患者を正確かつ効率的に同定できる手法や解決策はいまだに出現していません。

    極めてシンプルな腰痛管理 答えは出ている!

    腰痛管理は過去に何回も腰痛を経験したことのある人ほど、難しく考えがちです。こじらせてしまっているのです。毎月腰痛になる人もいれば、半年ごとに腰痛になる方もおります。腰痛の経験が頻回になればなるほど、画像診断の数が増え、腰が故障していることを伝えられる確立があがっていきます。しかしそれは今まで見た来たように、腰痛の回復、慢性化予防とは全く関係ありあません。

    実は今までとは、まったっく逆の発想をすることが腰痛をなくすことも、明らかなのです。

    以下のような事をすればよい。

     ■最も有効な腰痛管理は
    1)危険信号の検出(ストレスや職場、学校での環境など)
    2)重篤な疾患ではないことの保証(早期手術を要することの除外)
    3)有効なセルフケアの助言
    4)可能な限り日常生活や仕事を継続
    5)心理社会的因子の発見と対応
    6)不必要な画像検査と医療化の回避

    Back Pain, Incapacity for Work And Social Security Benefits: An International Literature Review And Analysis ペーパーバック – 2002/10/1

    Cochrane Collaborationの総監修を務めるAlf Nachemson博士はこう言っています。

    「腰痛をどのように治療したらよいかは分かっているのです。一番難しいのはそれを実行することなのです」

    世界各国の腰痛診療ガイドラインは同じ内容を伝えているのです。しかしこの理想像を医学界、業界に受け入れさせるには、苛立たしいほど時間がかかることも判明しています。

    日本だけでなく、世界の問題でもあります。でも腰痛なんて全く怖くありません。

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