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伊藤孝英
カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長
RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアをしています。鬱・不安などの気分障害で過度な薬物療法に疑問をお持ちの方もお気軽にお問い合わせください。
そのまんまサンシャイン公式ホームページ
筋骨格系の症状はもとより代替医療のセカンドオピニオンもお気軽に聞きにきてください。https://chirosonomanma.com

    慢性痛は労働生産性、日常生活動作、経済的負担、医療資源使用と関連

    身体のどこかが日常的に痛い、いわゆる慢性痛が、労働生産性の低下、経済的にも損失をもたらすことが明確になってきました。

    「身体の痛みを我慢すれば済む」という話ではなく、あらゆることに負担がのしかかってくるようです。

    腰を押さえる人形

    2015年の研究ですが、これは社会的にも重要なことなのでブログに上げておきます。

    目次

    慢性疼痛は健康状態だけでなく経済的損失にも関与

    日本人の10~20%は慢性疼痛を有しており、慢性疼痛は健康状態の悪化と関連することが知られている。

    大阪大学大学院 医学系研究科医療経済産業政策学寄附講座 教授の田倉智之氏らは、日本人において慢性疼痛が及ぼす経済的影響について調査した。

    結果、慢性疼痛は健康状態のみならず労働生産性日常生活活動障害医療資源の使用および経済的負担と有意に関連していることを明らかにした。

    「治療率の向上と集学的なアプローチが生活の質を改善し経済的負担を減らす可能性がある」と報告。

    (Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2015年5月12日号の掲載報告)

    カイロプラクティックそのまんまサンシャインでは、まさにこの研究の指摘しているコンセプトで臨床にあたっています。

    最初は痛みのケアで来院なさるのですが、メンテナンスケアに移行される方には特に健康的な方向へ人生が向かうように、対応していきます。

    来院者がよりよい価値観を身に着け、発展的な方向に向かうことができれば私自身も嬉しいものです。

    大きく考えれば国民全体の負担に繋がっていく

    調査は、日本で行われた成人の横断的健康調査National Health and Wellness Survey(NHWS)のデータ(3万例)を使用して行われた。

    SF-12v2を用いて健康状態を、仕事の生産性および活動障害に関する質問票(WPAI)を用いて間接費用を評価するとともに、回帰分析を用いて直接費用(医療費)への影響も検討した。

    どうみても痛みを抱えていな方が、さまざまな尺度でグッドな結果です。詳しく見てみましょう。

    ・慢性疼痛ありが785例、なしが2万9,215例であった。
    ・慢性疼痛のタイプは、腰痛(72.10%)および肩痛・肩こり(54.90%)が多かった。
    ・慢性疼痛あり群は、なし群と比較して患者背景や既往歴を調整後も、健康状態が有意に低い

    (例)痛みあり群 VS 痛みなし群
    精神的側面のQOLサマリースコア(44.26 vs. 51.14
    身体的側面のQOLサマリースコア(44.23 vs. 47.48
    長期病欠4.74 vs. 2.74%
    疾病就業30.19 vs. 15.19%
    全労働障害31.70 vs. 16.82%
    間接費用148万8,385 vs. 80万4,634円
    日常生活活動障害33.45 vs. 17.25%
    医師受診回数9.31 vs. 4.08回
    救急外来利用回数0.19 vs. 0.08回
    入院回数0.71 vs. 0.34回

    が有意に高かった(すべてp<0.05)。

    慢性疼痛あり群の約60%は未治療であった。

    直近1週間における疼痛重症度(0~11で評価)の平均スコアは5.26で、女性、高齢者、低所得、ならびに複数タイプの疼痛を有することが、重症度の高さと有意に関連しており(すべてp<0.05)、定期的な運動が疼痛重症度の低さと関連していた(p<0.05)。

    Takura T, Ushida T, Kanchiku T, Ebata N, Fujii K, DiBonaventura Md, Taguchi T. The societal burden of chronic pain in Japan: an internet survey. J Orthop Sci. 2015 Jul;20(4):750-60. doi: 10.1007/s00776-015-0730-8. Epub 2015 May 12. PMID: 25963609.

    この点を踏まえて、慢性疼痛をしっかりケアしく必要があります。個人ののちのちのひいては社会の経済的損失に直結する問題だといえます。

    私のように保険費適応のカイロプラクティックという方法でケアしていくと、保険でできないことだけどエビデンスはあるという形になる事も多いです。この場合、患者さんの費用負担は最初の内は大きく感じられるかもしれません。

    しかし上記の研究を見ればわかるように、何とかして慢性疼痛を抑えることが、その後の人生に大きく差がでます。特にメンテナンスケアを続けている方と、そうでない方の差は、人生の展開において大きく違うように見受けられます。

    慢性腰痛患者の医療費は年間2倍と試算

    疑問がある女性の顔
    え?慢性腰痛があるとそんなにお金を使うの?

    慢性的な腰痛のある患者は、非慢性腰痛の人と比べると、約2倍の医療費が必要になるとの研究結果がでたようです。

    英国・ロンドン大学経済社会科学部のHong J氏らが、英国総合実践研究データベース(GPRD)を使用し、慢性腰痛症の治療に関連する、12ヵ月分の医療費を比較分析し報告した。Spine誌オンライン版2012年10月2日号に掲載。

    研究対象期間(2007年1月1日~2009年12月31日)

    この研究では診断記録と鎮痛薬の処方記録のあった患者を慢性腰痛症患者(6万4,167例)と定義

    対照群は慢性腰痛患者と年齢、性、同じGP診療所(General Practice=かかりつけ医の診療所)に属する患者同士をペアにして1対1で一致させて非慢性腰痛症患者(5万2,986例)と定義。

    • 慢性腰痛患者の医療費は年間2倍と試算
    • 慢性腰痛症患者の総医療費は1,074ポンドであり、対照群(非慢性腰痛症患者)の516ポンドの倍額であった
    • 慢性腰痛症患者の医療費の内訳で最も多くを占めていたのはGPの診察58.8%であり、続いて2次的ケアへの紹介が22.3%、残りが疼痛緩和の薬物療法にかかるものであり、これらがコストの格差をもたらしていた。
    • 感度解析では、収入からのコストで考えると、2群間のさらに大きなコストの格差が認められた(1,052ポンド対304ポンド)。3倍以上医療費が膨らむ
    基本的に医療費は年間2倍
    医療費
    慢性痛がない人
    収入からのコストで考えると3倍
    慢性痛がない人

    痛いのを我慢すればそれだけで済むという話ではなくなってきます。いろいろな原因があって慢性疼痛になっているのですが、それらの原因を責めても始まりません。

    それらの困難を克服していくことに人間の成長があり大切なポイントです。

    慢性疼痛になるのは、子供の時のトラウマや貧困、教育格差など生い立ちに関連していることも多く、その方の責任ではありません。ですから自分を責めないで一つ一つやれることをやっていきましょう。そこから得られる体験は貴重な財産になります。

    カイロプラクティックの臨床の中に、認知行動療法を取り入れて患者さん対応をしています。痛みがコントロールできるようになってくるころには、何かしらの運動、有酸素運動なども含めて行ってもらうことが多いです。

    私自身も来院者から学び、ともに成長していくことができるのがカイロプラクティックだと思っています。

    メンテナンスケアで良い状態を維持し、運動を増やしていくことで様々な変化が少しずつ訪れます。社会全体が痛みの少ない、建設的な方向へ向かうことを願っています。

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