日本の医療機関で下肢の痺れや腰痛で行われることがあるという「腰部硬膜外ステロイド注射」。
カイロプラクティック臨床をしていて、腰痛が酷い患者さんから何回かお話を伺ったことがあります。
この硬膜外ステロイド注射は、どうやら椎体骨折のリスクが有意に上がっていくようなので、何回か注入している腰痛患者さんは今後のためにも参考にしてみてください。
ステロイドが骨の形成の邪魔をする
米国・ヘンリーフォードウェストブルームフィールド病院のShlomo Mandel氏らの研究。
腰部硬膜外ステロイド注射が椎体骨折の増加と関連
Mandel S, Schilling J, Peterson E, Rao DS, Sanders W. A retrospective analysis of vertebral body fractures following epidural steroid injections. J Bone Joint Surg Am. 2013 Jun 5;95(11):961-4. doi: 10.2106/JBJS.L.00844. PMID: 23780532.
対象となった患者さんは、ヘンリーフォード ウェストブルームフィールド病院における椎間板障害などの症例5万345例(うち1回以上の腰部硬膜外ステロイド注射を受けていた患者は3,415例)
【分析した結果】
・生存時間分析の結果、注射回数の増加は骨折リスクの増加と関連していた。
・注射が1回増えるごとに、骨折リスクは1.21倍増加

ステロイドが骨形成を阻害することは以前から示唆されていたようで、今回のこの研究も、骨形成阻害仮説を裏付けるものだとしています。
カイロプラクティック臨床をしていると、ステロイド注射が癖になっている患者さんに出会います。
ステロイド注射を打っている部位は、触った時に独特の感触がします。ざらついた硬さというか、すこし辛そうな状態になっています。お仕事柄仕方ない場合もありますが、なるべくステロイド注射の回数は増やさないほうが、自然体でいるには良いと思います。
短期的には効果が望める硬膜外ステロイド注射
硬膜外ステロイド注射は、腰痛には6週間以内の短期的な効果は期待できるものの、長期的な緩和の証拠は限られている。頸部および腰部の経椎間孔硬膜外ステロイド注射のエビデンスは、神経根の痛み(手足の痛みがある時)の管理における長期的な改善については中程度信頼できる。
Abdi S, Datta S, Trescot AM, Schultz DM, Adlaka R, Atluri SL, Smith HS, Manchikanti L. Epidural steroids in the management of chronic spinal pain: a systematic review. Pain Physician. 2007 Jan;10(1):185-212. PMID: 17256030.

ある程度短期的な痛みのコントロールは期待してもいい硬膜外ステロイド注射ですが、ぎっくり腰の時の効き目は「1.5か月以上効果は期待しない」ようにしましょう。
どちらかというと、腕や脚に痺れや痛みがある方への注入は、長期的にみると有りかもしれませんね。いずれにせよ、速攻性がなくても、効果が思ったより少ないこともあるかもしれませんので、期待しすぎないのが良いだろうと思います。
カイロプラクターは機能回復を手助けする仕事なので、単純に痛みをとる考え方とは違います。自然治癒力を高めるとか、整えるという言葉になりますが、機能改善をしていく中で、何故痛みが出たのか?出るのか?を理解し、強化や柔軟性、協調運動を回復させていきます。
特に繰り返して腰痛になっている方、痺れが出ている方は、もし硬膜外ステロイド注射で前回症状簡単にコントロールが用意にできたからといって、何度も硬膜外ステロイド注射に頼ろうとする姿勢は長期的な椎体骨折リスクを考えると疑問です。









