オーガニック食品が普通栽培の食品に比べて健康に有益なわけではないことは、充分な根拠を持って発表が繰り返されています。
当院カイロプラクティック院として品川区二葉で開業しておりますが、この辺りのエリアですとさほどオーガニックに拘った方は少ないとは思います。
東京ですと一定数、オーガニック食品の需要があるので、チラホラお店も見かけますが物価高でさほど需要はないのかもしれません。
残留農薬の負の影響 有機野菜の正の影響
印象的だったのは、有機農業を国をあげて行っているデンマークの研究で、有機野菜を使った食生活は病気の発症率を下げないという論文でした。
とはいえ細かく見ていくとどうか?というのがこのページに書かれていることです。
このblog記事を書いてから5年以上経過しているので、あらためて調べてみると、話は
「従来型の農業=農薬や成長ホルモンをつかう+プラスティック・パッケージの影響」という枠組みを問う問題に発展しています。
SDG’Sの枠組みにも影響すると思いますので、これらのことが背景にあるのを知っていると、なぜ騒いでいるのか理解するのに救けになるかもしれません。
そして残留農薬が与える負の影響と、有機野菜の栄養価が与える正の影響を分けて論じます。

農業の安全性論点
以下のことが「農業」の安全性への焦点として話あわれている。(健康的かどうかではない)
- 生産システムによって明確に引き起こされていない病気の発生などの、特徴的な食品安全イベント(植物生産および動物の屠殺と加工に関する衛生規制など)または汚染された飼料の不正な導入飼料市場
- BSE危機、または現在世界中のすべての農業状況で禁止されているDDTの歴史的使用の継続的な影響、歴史的な出来事および歴史的な暴露源
- 食品包装からの汚染物質
- 食品添加物などの食品加工の側面
- 主に貯蔵中の水分と温度によって支配される収穫後の貯蔵と処理の結果としてのマイコトキシンの存在
- 動物生産における成長ホルモンの使用。EUでは許可されていませんが、他のいくつかの国では許可している。
2026年日本でたまに耳にするのは、2.3.6.あたりでしょうか。衛生面ではなんだかんだで日本は優秀だと思います。時より食中毒のニュースを目にしますが。
有機野菜と健康の関連
小児では、いくつかの研究は、有機食品の嗜好を含むライフスタイルを有する家族におけるアレルギーおよび/またはアトピー性疾患の有病率は低い。
有機野菜=中流階級以上
ここがポイントです。有機野菜の良い情報は、この部分と切手は切れない関係になっていることを最後まで覚えておいてください。

オランダからの2700人の母親と赤ちゃんのコホートでは、妊娠中および乳児期の有機乳製品の独占的消費は、2歳時で湿疹のリスクの36%の減少と関連。
このコホートでは、有機食品の好みは母乳中の【反芻動物の脂肪酸の含有量】が高いことと関連しており、それは2歳までの親が報告した湿疹のオッズ比が低いことと関連。
女性ドクター母が飲んでる牛乳類の持っていた脂肪酸の含有量が多い。短鎖、中鎖脂肪酸=単純に有機野菜を消費している方は、牛乳類をよく飲むのかもしれないね。
28,000人の母親とその子孫を対象としたMOBA出生コホート研究では、妊娠中に有機野菜を頻繁に摂取したと報告した女性は、子癇前症※のリスクの低下(約0.8倍)を示しました。
全体的な有機食品の消費量、または他の5つの食品グループ、および子癇前症については、有意な関連はない。
有機野菜は体重増加リスク下げる
有機食品の消費量に応じた体重の経時変化を調査した最初の研究はNutriNet-Santé研究の62,000人が対象の研究。
経時的なBMIの増加は有機野菜低消費者と比較して有機食品の高消費者の間で低かった(-0.16倍)。
肥満のリスクの31%の減少が、低消費者と比較して有機食品の高消費者の間で観察された。
動物実験では「作物生産システムが細胞の生命、免疫システム、および全体的な成長と発達の特定の側面に影響を与える」ことを示している。
ただし、これらの調査結果が人間の健康に直接関連するかどうかは不明。
大事なポイントは、有機野菜はどの国でも、一般的な野菜より高額です。そのため、日常的に有機野菜を消費できる家族は中流階級以上になります。
繰り返しますが時間的余裕も金銭的な余裕もあり、それらが無い下流階級の方より運動、レジャーを行う時間的、金銭的余裕があることを意味するので、それらの活動の健康影響が大きいということを先ず念頭に置いてください。
有機野菜はビタミン、ポリフェノール多いがメリットはない
系統的レビューは、作物中の主要栄養素、ビタミン、ミネラルの濃度が、生産システムによってまったく影響を受けないか、わずかに影響を受けるだけであると伝える。
つまり有機野菜は栄養価が高いわけではない。
公表されたメタアナリシスは、有機食品中のフェノール化合物(ポリフェノール類)の含有量が適度に高いことを示していますが、人間の健康に関して言うと従来の植物製品と比較して有機野菜のプラス効果の充分な根拠はない。
農薬の影響
農薬に関しては、ヨーロッパでは先行して減らす取り組みが行われているようですが、厳密にはスウェーデンでの研究が唯一。
仮にスウェーデンでしっかり有機野菜が作られていても、近隣諸国から飛んでくる農薬が混入してしまうので、実際の生活で農薬が人体にどれだけ取り込まれるものなのかは、人間の尿検査で行われている。
ここいらあたりは、日本では考えられない取り組みです。
最近YouTube広告でモンサントの農薬が日本で大量に消費されている云々というフレーズをよくよく耳にします。そして体内に取り込んだ農薬、それが代謝されてできる物質のほうが毒性が高いかもしれない、とあります。
日本ではまだまだこの辺りは議論になっていないので、どのような立ち位置で考えているのか、何を考慮すべきなのかも概念化できていません。
飛んでくる農薬は島国なので少ないとしても、諸外国との議題の差として認識しておくと良いかも。
妊婦の有機リン
「妊娠中の母親の有機リン系殺虫剤への曝露レベル」に関連する子供の認知障害がありました。
この一連の研究は、実験動物モデルにおける多くの農薬の既知の神経毒性と、発達初期の人間の脳の実質的な脆弱性を考えると適切に考えられる。
人間の研究のほとんどは米国で実施されており、出生前の有機リン酸エステル曝露に関連して、子供の脳機能を評価することに焦点を当てている。
カリフォルニアの農民を対象とした縦断的出生コホート研究(CHAMACOSコホート)では、妊娠中の母体の尿中有機リン酸代謝物濃度は、新生児の異常反射、2歳での精神発達障害、注意の問題と関連していた。
3年半、5年、7年での知的発達の低下。
これに従いニューヨークの出生コホート研究では、妊娠中の有機リン酸塩の母体尿中濃度に関連して、12か月と24か月および6〜9歳で認知発達障害が報告されました。
(知的発達障害が具体的にどれくらいあったかの記述がないので、具体的にどれくらいかは分かりません)
人間の脳の成長と機能的発達は小児期も続くため、出生後の期間も神経毒性曝露に対して脆弱であると考えられています。(発達障害も少し関係しているのかな?)
尿中にピレスロイド(家庭でよく使われる殺虫成分)の濃度が検出可能な子供は、検出限界未満の子供と比較して、ADHDを発症する可能性が2倍になります。(ここいら辺りも、人口1万人に対してどれくらいかは、わかりかねます、すみません)
残念ながら、農薬曝露と人間の健康への影響を関連付ける疫学的証拠は、規制当局が実施するリスク評価で、考慮に入れるのに十分な信頼性があると見なされることはめったにない。
たとえば、クロルピリホス(有機リン系殺虫剤の一つで、農薬として長く使われてきた化学物質、日本でもある)に関する疫学研究からの結論は、出生前のクロルピリホス曝露と神経発達への悪影響との関連がありそうですが、他の神経毒性物質を除外することはできず、動物研究は1000倍高い曝露でのみ悪影響を示します。



先述の細かい部分を見ていくと、当然影響はあるけれど、現実生活で人間に単品でどれくらい影響があるとは言えない。
カドミウム 穀物にやや多い
有機作物と比較して、従来のカドミウム含有量の有意な30%の上昇を示しています。サブグループ分析では、この違いは穀物に限定されています。
有害金属に差はない
鉛、水銀、ヒ素などの有害金属、有機作物および従来の作物における濃度の差異は、報告されていない。
真菌毒素は有機野菜の汚染がすくない
作物中の真菌毒素に関して、あるメタアナリシスは、特定のフザリウム種によって生産されたデオキシニバレノール(DON)による従来の穀物作物と比較して、有機野菜の汚染が少ないと報告
動物性食品との関連
しっかり規制がかかっているのは、おそらくデンマークくらいで評価できない。
脂肪酸はまちまち
有機食品と従来の動物性食品の組成の違いに関する既存の研究の焦点の多くは脂肪酸組成にあり、人間の健康にとって重要であるため、オメガ-3FAに大きな関心あつまる。
研究の不均一性があるものの、粗飼料であるグラスとレッドクローバーは、総FAの30%から50%のオメガ3 FAを含みますが、濃縮飼料の穀物、大豆、トウモロコシ、パーム核ケーキはすべて、総FAの10%未満のオメガ3FAを含む。
家畜はエロンガーゼとデサチュラーゼ酵素の助けを借りて、食事のα-リノレン酸のごく一部を長鎖オメガ-3脂肪酸に変えます。
有機牛乳では
有機(オーガニック)牛乳は、通常の牛乳よりも総オメガ3脂肪酸の割合が約50%以上高い」という、最近のメタ分析で得られた“決定的(conclusive)な”結果がある。これは牧草で育てているから。
ただ「50%高い」と聞くと量がすごく増えたように感じるけれど、実際には:有機牛乳ではそれが 1.5〜3%程度になるというイメージ。牛乳の脂肪全体に占めるオメガ3は もともと1〜2%程度。
牛の胃(ルーメン)で自然に作られる“天然のトランス脂肪酸”が、有機牛乳の方が多く含まれている。これは牛の胃で牧草が発酵すると作られるらしい。マーガリンとは別ものです。
「飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸(MUFA)・オメガ6系多価不飽和脂肪酸(n‑6 PUFA)は、有機牛乳と通常の牛乳でほとんど差がない」。
卵、よくわからない
有機卵と従来の卵のFA組成を比較した研究はごくわずかであり、系統的レビューは利用できません。
有機卵のオメガ3含有量が高いことはもっともらしいですが、文書化されていない。
有機肉だと欧州人PUFA2.5~4%up
有機肉に含まれる総PUFA(多価不飽和脂肪酸, 高度不飽和脂肪酸)とオメガ3系PUFAは、通常の肉よりもそれぞれ23%、47%多いことが研究で示されている。
ヨーロッパでは、乳製品と肉が人々のPUFA(特にオメガ3)の摂取源としてどれくらい貢献しているか」**を示し、さらに **「有機乳製品に切り替えた場合のオメガ3摂取量への影響は、まだ厳密には評価されていない
ここに示した摂取量と組成のデータから、有機製品を選択すると、平均的な食事中のオメガ3 PUFA摂取量が2.5〜8%(乳製品)増加し、だいたいだけど2.5〜4%(肉)増加すると推定。



有機飼料で育てて、放牧して育てた肉は相当高価でしょうが、参考までに…
今の日本では、一般の家庭では食べ続けるのは難しいですが、将来的に若者が農業の形として取り組むと新しい価値観が生まれます。
微量元素とビタミン
従来のミルクにはヨウ素が74%、セレンが21%多く含まれており、有機ミルクには鉄が20%、トコフェロール(ビタミンE)が13%多く含まれていることが示されている。
通常飼育では ヨウ素を含む飼料添加物 が使われることが多い。セレンも 飼料添加物として補われる ことがある。そのため、乳中のヨウ素・セレン濃度が高くなりやすい。
特にヨーロッパでは、従来ミルクのヨウ素含有量が高いことがよく知られている。
抗生物質耐性菌
家畜への抗生物質利用は問題で、スウェーデンとデンマークが真面目に取り組んでいる。
治療的使用は許可されていますが、昔より薬からの離脱期間が長くなっています。
またEU全体のルールとして、12か月間に3回以上、抗生物質利用された動物、または生産ライフサイクルが1年未満の場合は、2回以上抗生物質利用された動物の製品は、オーガニックとして販売できません。
有機畜産物は、豚肉や鶏肉に耐性菌を宿す可能性が低いことがわかっています。ただし別の方法でMRSAが豚に宿ってしまうことが分かっている。
畜産部門全体の有機生産への移行は、それ自体では抗生物質耐性問題の解決策の一部にすぎません。人間での使用など、動物生産以外の要因は影響を受けないためです。(広く生態系全体の視野で考察されているのが分かります)
ディスカッション
有機食品を好む消費者は、果物、野菜、全粒穀物、豆類の消費量が多く、肉の消費量が少ないなど、全体的に健康的な食事パターンを持っていることも観察されています。
有機食品を定期的に食べる消費者は、食事パターンの結果として、従来の方法で生産された食品を消費する人々と比較して、これらの病気のリスクが低いと予想されます。これらの食事パターンは、平均的な食事よりも環境的に持続可能であるようにも見えます。
示唆に富む証拠は、有機食品の摂取がアレルギー性疾患や、太りすぎや、肥満のリスクを軽減する可能性があることを示していますが、有機食品の消費者は全体的に健康的なライフスタイルを持っている傾向があるため、交絡が残る可能性があります。(冒頭に書いた通りです)
動物実験は、有機または従来の生産からの同じように構成された飼料を比較すると、成長と発達が飼料の種類によって影響を受けることを示唆しています。
これらの有機農業に関する研究は、従来の農業にも応用しうる内容なので、有益です。
ここまで書いてある文章は読んだことがなかったので、とても勉強になりました。2026年は物価高で、普通の食品でさえ買うのをためらうシーンが出てきている方が多いと思います。
将来に繋がる情報として掲載し、みんなでより良い食品を得られる日が来るのを望みます。










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