もう10年前になります。リンクエラーをたどってリライトしているこの記事。
当時原発事故が問題となっていました。
医療被曝を理解してもらうために書いたこのページ。自分で読み返してみると、当時の雰囲気を思い出します。
原発事故による放射線量とX線の比較
島第一原発付近の方(半径30Km)の危険性は、管総理が示したとおりです。
2011年3月16日午後1時のNHKの放送で、新宿での午前11時の観測結果が0.89マイクロシーベルト/毎時となっているらしい。
放射線照射量の1番少ない、健康診断などで行う胸部X線撮影時の被曝線量は少なく見て 0.1ミリシーベルト/枚らしいので、新宿では112時間くらいいると約1枚の胸部X線写真を撮影することになる。
さて、我々のようなカイロプラクティックという保存療法の立場としてはX線撮影は極力行わない方が、被曝量を抑える意味で得策だと考えている。(このことは海外では当然ではあるけれども・・・)
※2023年の記事では、今後会社で行う健康診断で胸部エックス線のルーティーンをやめる方向で検討しているようです。
具体値
ぎっくり腰などで腰部X線撮影を1枚だけ撮影すると、胸部X線撮影を150回行うのと同等の放射線被曝量となるそうです。(だいたい15ミリシーベルト)超最新の装置でも約1/4の被曝量です。(それでも3.75ミリシーベルト)。
2020年になると、低用量被ばくの機械があるそうですが、どれくらいなんでしょう?少なくとも古い機械を使っている医院での被爆は覚悟したほうが良いです。胸部X線で0.06ミリシーベルトとありますので、10年前の半分くらまで下がってきているようです。https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h27kisoshiryo/attach_c/201606mat1-02-2.pdf (環境省による被ばく量説明より)
もしもすべり症など4方向からの腰部X線撮影となりますと600回胸部X線撮影を行うのと同じ被曝量となります。最新機器なら300回。
ちなみに部位や撮影機械にもよりますが、CTは部分撮影で胸部X線の100~500倍 つまり約10~50ミリシーベルトの被曝量があるとされています。(全身を撮影するCTはもっと多くの被曝をします)。最新鋭で2.4~12.9ミリシーベルトだそうです。
これは2011年3月時点では福島原発の正門付近で観測した最大値、1時間で8ミリシーベルトを浴びることになりますから、1時間正門付近に滞在するのと1回CTを撮影するのと同じ(もしくはそれ以上)被曝量となります。
そこまでして受ける価値があるかは、状況によるでしょう。
ちなみに1年間に生活していて普通に浴びる自然放射線の量は約2.4ミリシーベルトだそうです。
CTは勿論必要な検査ですが、今はMRIがありますので、なるべくMRIをお勧めします。
またぎっくり腰 急性腰痛の時も レントゲン撮影はほぼ必要ありません。日本の医療機関で行われている検査としてレントゲン撮影がどれくらい被曝量があるのか参考にしてみてください。
CT検査の危険性
かねてから論争のあるCT(コンピュータ・トモグラフィー)の危険性について科学雑誌サイエンスで指摘があったようです。
Science 25 February 2011
講義ではMRIなども含む意味でCTというが、この場合はX線を使用したコンピュータ解析立体画像のこと。
米国でも使用が増え続けているCT検査は、Berrington de Gonzalezらの研究で2007年に行われた7千万 件のスキャンにより29000の新たながんの発生につながるという論文をArchives of Internal Medicineに発表したようです。
検査とは言え放射線を肉体に浴びせるわけですから、そのリスクについても知っておいたほうがいいかも。
知らない方が幸せなことは世の中には多いですが・・・
このCTの機械、日本には他の先進国の10倍以上設置されているそうです。さすが経済大国日本ですね。
上記のような危険性を考慮する研究はされていないようですし、知らない方も多いとおもいます。
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