自律神経症状の問題が広がっている場合
1.投薬の問題

自律神経症状と言われる問題を向精神薬や睡眠導入剤などに中長期的に頼ると問題が2次的、3次的なものとなっている為、複雑化していきます。
相談者にはその時の問題が意識化されている為、例えば3次的な症状が取れたとしても2次的な症状が再認識されて「良くならないじゃないか」という段階が訪れることが多いです。
腹を据えて根本解決を目指す方の場合は2次的な問題をクリアした時に、もともとあった1次的な問題に再直面するわけで、この時点でも「あれ、またもとあった症状に戻っている」というような感想を抱きがちです。
突き詰めていくと幼少期に逃げていた問題や事柄と向き合う必要に迫られることもあります。
複雑化、長期化している方で健康的な方向へ向かいたい方には生活習慣の改善が必須な訳ですが、
例えば今回のような冷えのような例ですと「湯船には浸かれません、熱くて嫌いです」や「運動をしたことがありません」「時間がありません」など出来ない理由を正当化することも珍しくありません。
相談者は特異体質なのか?
「他の方はそのように生活して身体を温めているのに、どうして貴方だけはそのようにしなくて大丈夫なのですか?」と尋ねるように心がけています。
もっと簡単に、もっと楽に治りませんか?という事なのでしょうが機械ではありません。冷えてる部分を切り取って交換できるのならそうしてください。
特に40代、50代以降はそれまでの生活習慣が良くないと、体力が衰えてくる分だけ顕著に症状が現れます。ただ平均寿命まで生きると仮定すると半分の時間が人生に残されていますから今から生活習慣を改善していっても全く遅くないと思います。
具体的に自律神経のバランスを調べる方法
さて自律神経的な症状を生活習慣から解説してきましたが、客観的に自律神経の状態を判断する方法があります。
効果感神経優位、副交感神経優位と言いますが、どうやって判断するのでしょうか?
我々カイロプラクティック臨床家は瞳孔の様子、発汗状態や血圧、筋肉の緊張状態、喋り方などから交感神経が優位になってるな、生活習慣や睡眠時間からちょっと副交感神経が働き過ぎじゃないか?と推察するのですが、実際のところは推察の粋を超えません。
自律神経のバランスを外部から計測する機械もあるようですが、具体的にどのような仕組みで、何を指標にしているかは私にはわかりません。
一番いい方法は血液検査をすることです。欧米ではカイロプラクターが血液検査をすることが可能なのですが、日本では不可能なので話の解るお医者様にお願いするといいでしょう。
自律神経のバランスを知る為に白血球分画を調べる
その中で白血球分画というものを調べると、自律神経の状態が判ります。福田・阿保理論といって免疫の革命を起こした両先生が発見されました。
この理論によれば
白血球中のリンパ球(Lymphocytes)と顆粒球(Granulocyte)の割合
が
LYM%35~41 対 GRA%54~60ですと免疫系が一番活発に働いていてバランスが良い状態ということです
この割合が例えば 25% 対 70% のように顆粒球の割合が増えると交感神経優位の状態です。風邪をひいてるときも顆粒球が一気に増えるようです。

逆に 53% 対 43 % のようにリンパ球の割合が多いと副交感神経が優位になっている状態です。
実際には天候や、一日の中の時間帯、体調によって変化し続けているものなので、一部を切り取った情報にはなるのですが大いに参考にしたい
このような状態ですとアレルギーなどが起こりやすい、つまりは免疫系が過剰に反応してしまう状態と言えるようです。

このように血液検査をすることで「自律神経のバランス」が判る時代です。病気になりづらい状態をなるべく維持するために、モニタリングしていくこともいいのではないかと提案しています。
カイロプラクティックによる手あては自然治癒力を高めるという前提です。治癒力を高める選択の一つとしてカイロプラクティックがあると言ってもいいでしょう。
アメリカのカイロプラクターは血液検査が可能だと聞きます。私もできる事なら相談者の状態をチェックする為に血液検査を毎日の臨床で行ってみたいものです。