自律神経症状の考え方

自律神経の状態が良くないという悩み、訴えは多いです。カイロプラクティックという人の身体を手でケアする仕事をしていると良くわかることがあります。

不眠や冷え、不眠、体調不良で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

自律神経自体が単体でおかしくなるわけではない

カイロプラクティックに自律神経の状態を改善させる目的でいらっしゃる相談者がおられます。
よく耳にする自律神経症状というと不眠、多汗や冷え、震え、下痢、のぼせ、多食などでしょうか。

一般的に考えると、つまり西洋医学的に部分的な疾患として捉えると、自律神経の不具合が種々の症状を招くということになりますが、実際は症状は結果であって自律神経がそれを介しているという考え方が現実的だと私は思います。

免疫学の大家である故・阿保徹先生が仰るように、状況に適応した状態が病気や症状ということです。

「冷え」を例にして考えてみましょう

うつ向く少女
いろいろなことはセットになっている

例えば慢性的な「冷え」があってどうしようもないという女性がいるとしましょう。勿論本人は自律神経が不具合を起こしていて冷えていると考えています。

生活習慣をお伺いすると「湯船に浸からない」「運動習慣が無い」「夏はエアコンをつけっぱなし」など基本的に冷え続けるようなライフスタイルをとっている事は珍しくありません。

ある状況、環境、生活スタイルに人体が適応した状態が「症状」や「病気」

このようなライフスタイルの場合「冷え」を感じるのは当然ですよね?実際に冷えている訳ですから。そしてそのような生活習慣が身についているのです。結果として一般的に「自律神経症状」と言われるような症状に悩まされるケースが多いのではないでしょうか。

これを自律神経症の不調と一言で言えるでしょうか?このような状態の方の背骨をバキッとやると冷えが治るのでしょうか?何か薬を飲むと治るのでしょうか?

勿論そのようなことも改善を目指す一つの方法ですが、根本的なライフスタイルを改善していく手立てをとるのが本筋であろうと私は思います。

細かいことは問診をしていき、一つ一つ生活習慣を確認する必要がありますが、何か慢性的に症状がある方は意外とご自身では気づいていない悪しき生活習慣を続けていらっしゃる場合が少なくありません。

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例えば不眠を統合的に考える

2015年 ブラジルでの研究
閉経後の女性の睡眠の質が下がる、閉経後に無呼吸低呼吸指数(AHI)が高く、SaO2(血中酸素濃度)が低いということでした。
調整された分析では、閉経後の初期段階の女性と後期段階の女性の間に差は見られませんでした。
この結果は、閉経自体が年齢に関係なく、特に無呼吸指数と血中酸素濃度と客観的な睡眠パターンに重要な影響を及ぼしていることを示しています。

Hachul H, Frange C, Bezerra AG, Hirotsu C, Pires GN, Andersen ML, Bittencourt L, Tufik S. The effect of menopause on objective sleep parameters: data from an epidemiologic study in São Paulo, Brazil. Maturitas. 2015 Feb;80(2):170-8. doi: 10.1016/j.maturitas.2014.11.002. Epub 2014 Nov 13. PMID: 25481384.

自律神経系とホルモンの関係は直接的に影響しますが、たとえばこの研究では睡眠の質が落ちるのは閉経後に呼吸の悪化が出てくることが原因だと言っています。

そうするとホルモン療法か?となりますが、ご存じの通り長期利用は癌のリスクを高めます。

女性の睡眠障害の統合的アプローチ

不眠症の研究では、2000年に非薬理学的方法、つまり薬でコントロールしない方法が一番安全でしかも治療成績が良いことが言われています。

Perlis ML, Youngstedt SD. The diagnosis of primary insomnia and treatment alternatives. Compr Ther. 2000 Winter;26(4):298-306. doi: 10.1007/s12019-000-0033-6. PMID: 11126102.
そのまんま
そのまんま

これは2021年現在、実際に日本で不眠に苦しんでいる人にとって理解できないかもしれませんが、睡眠障害の第一選択はもう薬ではないのです。

2012年の研究ではマッサージは更年期女性の睡眠の質改善に効果的
マッサージ療法後の睡眠パターンと生活の質の改善を示しています。これらの発見は、閉経後の症状、特に不眠症の治療に対するマッサージ療法の有効性を示している。

Hachul H, Oliveira DS, Bittencourt LR, Andersen ML, Tufik S. The beneficial effects of massage therapy for insomnia in postmenopausal women. Sleep Sci. 2014 Jun;7(2):114-6. doi: 10.1016/j.slsci.2014.09.005. Epub 2014 Sep 16. PMID: 26483913; PMCID: PMC4521661.

研究となると対象を決める必要があるので、「閉経後の女性」ということになりますが、マッサージを受けたことがある人は年齢問わず睡眠の質があがることは知っています。

これは自律神経が調子が悪かったのではなく、筋肉が緊張していたのをほぐしたということです。

2017年の論文です。ブラジルでは統合医療の形で、女性の不眠をケアする施設があり、フラワーエッセンス、姿勢再教育、筋膜リリース、キネシオ療法、手技療法、カイロプティック、針、ヨガ、マインドフルネスなどで女性の不眠をケアし良い結果を得ている。

Frange C, Banzoli CV, Colombo AE, Siegler M, Coelho G, Bezerra AG, Csermak M, Naufel MF, Cesar-Netto C, Andersen ML, Girão MJBC, Tufik S, Hachul H. Women’s Sleep Disorders: Integrative Care. Sleep Sci. 2017 Oct-Dec;10(4):174-180. doi: 10.5935/1984-0063.20170030. PMID: 29410750; PMCID: PMC5760052.

日本の場合は病院で受けられるところは、まだ少ないでしょうが民間サービスでいろいろと安価に提供されています。薬を飲み続けている方は、副作用があることは知っていると思いますので、これらの情報を参考に行動を変えていきましょう。

どんな場合の自律神経症状に脊椎マニピュレーションの効果が高いか

自律神経症状を主訴としてカイロプラクティックによる手あてをする場合、効果がある場合があるのも事実ですが、生活習慣が不健康過ぎる場合は、効果が無い時も勿論あります。

単に筋骨格系が張っていて交感神経系優位の状態が数週間続ている結果、不眠傾向であったり、寝つきが悪い、イライラしやすいという症状はカイロプラクティックによる背骨の矯正は効果的です。

「冷え」でも実際に冷えていないのだけれど冷えを感じている「冷え感」の場合もカイロプラクティックによる背骨、骨盤の矯正は効果的であると言えます。

いわゆる自律神経症状が出て短期的なものなら効果が早期に現れますし、長期となると症状自体が生活習慣になっていますから、ライフスタイルの改善が必要となります。

(そういう意味では不眠傾向がある時に迂闊に睡眠薬を使用すると後々の代償は計り知れないと私は思います)

さていわゆる自律神経症状が長期化している場合、上記の例ですと「湯船に浸かり」「有酸素運動をして」「夜はエアコンを切って」という具合に生活習慣を少しずつ改めていくことが非常に大切になってきます。

自律神経症状の問題が広がっている場合

投薬の問題

お薬の山

自律神経症状と言われる問題を向精神薬や睡眠導入剤などに頼ると問題が2次的、3次的なものとなっている為、複雑化を逃れえません。

相談者にはその時の問題が意識化されている為、例えば3次的な症状が取れたとしても2次的な症状が再認識されて「良くならないじゃないか」という段階が訪れます。服用期間や投薬の数にもよります。

腹を据えて根本解決を目指す方の場合は2次的な問題をクリアした時に、もともとあった1次的な問題に再直面するわけで、この時点でも「あれ、またもとあった症状に戻っている」というような感想を抱きがちです。

突き詰めていくと幼少期に逃げていた問題や事柄と向き合う必要に迫られることもあります。

複雑化、長期化している方で健康的な方向へ向かいたい方には生活習慣の改善が必須な訳ですが、

例えば今回のような冷えのような例ですと「湯船には浸かれません、熱くて嫌いです」や「運動をしたことがありません」「時間がありません」など出来ない理由を正当化することも珍しくありません。

相談者は特異体質なのか?

「他の方はそのように生活して身体を温めているのに、どうして貴方だけはそのようにしなくて大丈夫なのですか?」と尋ねるように心がけています。

もっと簡単に、もっと楽に治りませんか?という事なのでしょうが機械ではありません。冷えてる部分を切り取って交換できるのならそうしてください。

特に40代、50代以降はそれまでの生活習慣が良くないと、体力が衰えてくる分だけ顕著に症状が現れます。ただ平均寿命まで生きると仮定すると半分の時間が人生に残されていますから今から生活習慣を改善していっても全く遅くないと思います。

具体的に自律神経のバランスを調べる方法

さて自律神経的な症状を生活習慣から解説してきましたが、客観的に自律神経の状態を判断する方法があります。

効果感神経優位、副交感神経優位と言いますが、どうやって判断するのでしょうか?

我々カイロプラクティック臨床家は瞳孔の様子、発汗状態や血圧、筋肉の緊張状態、喋り方などから交感神経が優位になってるな、生活習慣や睡眠時間からちょっと副交感神経が働き過ぎじゃないか?と推察するのですが、実際のところは推察の粋を超えません。

自律神経のバランスを外部から計測する機械もあるようですが、具体的にどのような仕組みで、何を指標にしているかは私にはわかりません。

一番いい方法は血液検査をすることです。欧米ではカイロプラクターが血液検査をすることが可能なのですが、日本では不可能なので話の解るお医者様にお願いするといいでしょう。

自律神経のバランスを知る為に白血球分画を調べる

その中で白血球分画というものを調べると、自律神経の状態が判ります。福田・阿保理論といって免疫の革命を起こした両先生が発見されました。

この理論によれば

白血球中のリンパ球(Lymphocytes)と顆粒球(Granulocyte)の割合


LYM%35~41 対 GRA%54~60 

ですと免疫系が一番活発に働いていてバランスが良い状態ということです

この割合が例えば 25% 対 70% のように顆粒球の割合が増えると交感神経優位の状態です。風邪をひいてるときも顆粒球が一気に増えるようです。

私の8月の検査結果です。若干副交感神経が優位かもしれませんが、ほぼほぼOKの割合です。

逆に 53% 対 43 % のようにリンパ球の割合が多いと副交感神経が優位になっている状態です。

実際には天候や、一日の中の時間帯、体調によって変化し続けているものなので、一部を切り取った情報にはなるのですが大いに参考にしたい

このような状態ですとアレルギーなどが起こりやすい、つまりは免疫系が過剰に反応してしまう状態と言えるようです。

血液検査9月
9月の検査の日は風邪気味であったため、顆粒球が多くなっています。交感神経が優位過ぎる時もこのような状態が予測されます。

このように血液検査をすることで「自律神経のバランス」が判る時代です。病気になりづらい状態をなるべく維持するために、モニタリングしていくこともいいのではないかと提案しています。

カイロプラクティックによる手あては自然治癒力を高めるという前提です。治癒力を高める選択の一つとしてカイロプラクティックがあると言ってもいいでしょう。

アメリカのカイロプラクターは血液検査が可能だと聞きます。私もできる事なら相談者の状態をチェックする為に血液検査を毎日の臨床で行ってみたいものです。

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