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伊藤孝英
院長
ロイヤルメルボルン工科大学健康科学部カイロプラクティック学科日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛から生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジ。鬱や不安障害にも着目したマルチモデルでヒューマンケアしています。
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座ると出る左腕痺れと首の痛み

座っている時に出やすい腕の痺れへのカイロプラクティック症例を通じ、どう考えどう対処すべきかを考えるページです。

参考になる部分があれば幸いです。

目次

何度か頚椎ヘルニアの診断で10年以上続く症状

30代男性営業職

先ずは、ざっと当院に足を運ぶ前にどんな状況であったかを見ていきましょう。

男性

この症状は年に数回あり、もう10年近くこのような症状が出たり出なかったりしている。
今回は1ヶ月前から、腕を前に出したときに出る左腕の痛みがある。
腕の痺れは特に座っている時に出てくる病院ではこれまで何度か頚椎ヘルニアの診断をうけています。

そのまんま

そうですか。では詳しく教えてください。
具体的に左腕のどのあたりですか?

問診や検査をまどろっこしく感じる方もおられますが(特に症状がキツイ時は)とても大切です。なるべく時間をかけて問診したほうが結果的に良いのです。

男性

左肘周辺、左薬指、小指の手の甲側にうっすらとして痺れ感があります。
あと首の左側の付け根に鈍い痛みがあります(手の平で指す)

そのまんま

なるほど、二の腕辺りはそれほどでもないのですね。
今回のような悪化は初めてですか?

男性

いえ、5年ほど前にも腕までの症状がありました。その時はほぼ眠れませんでした。
今回は痛みが酷い時は眠れないですが、その時ほどではありません。

あ、あと左肩甲骨の内側も痛いです…

男性

問診表にも書きましたが、大学時代に頚椎椎間板ヘルニアと診断を受けていて、すごく気にしています。それが原因なんですかね?

そのまんま

西洋医療では先ず画像診断ありきで物事が進められるため、すこしでも頚椎椎間板に異常がみつかれば、原因が「椎間板ヘルニア」という具合で話が進められます。
当院ではヘルニアはさほど気にしなくて良いことを根拠を基に主張しています。

検査と施術

カイロプラクティックでは基本的な整形外科的検査や神経学的な検査は行います。

カイロ(ギリシャ語で手)という意味なので触診による検査が大きな意味を持っています。

複数の検査で症状を誘発

  1. 肩甲挙筋、斜角筋群から腕の痺れが誘発されるため、トリガーポイントと判断してカイロケア
  2. トリガーポイントを除去しても日常的な腕の症状が残ったので再検査。
  3. 脊柱起立筋の機能低下が根本原因と判断(座り姿勢が悪い=姿勢性の痺れ)
  4. 姿勢指導と柔軟性が低下した筋肉の柔軟トレーニングと体幹筋の強化
  5. 頚椎ヘルニアに関する、認知的再教育
  6. 日々行って頂いているストレッチに+αで行うストレッチの適宜追加(アクティブケアを増やして良い状態を維持できるようにしていきます)

この方のように年単位で症状をお持ちの方は、複合的な要因が絡みあっています。西洋医学と違うところはカイロプラクティックは全体的に診ていくところです。

患者さんの、ご感想は「新鮮な気づき」

男性

痺れの原因が姿勢にあるとは思いませんでした。
論理的に説明してくれたので、解かり易かったです。

腕の痺れにも姿勢筋再教育

腕に痺れがある方に、最初から「姿勢」が原因です、と言えるカイロプラクターになりたいものですが私はまだまだです。

5回目の来院の時、トリガーポイントを完全に除去しても、日常的な腕の痺れ症状が改善しない為、再検査をおこないました。
肩回りの筋肉が症状の直接的な原因ではあるが、さらに細かく問診、検査をしていくと姿勢筋の機能低下が根本的な問題であると判断しました。

カイロプラクティックは、効果が見込めない時や、本症例のように一時的に良くても再発する場合は都度、再検査や他の医療機関の受診も含めて検討していきます。

統計的にみると姿勢が悪い人が症状を有する確率が高いワケではありませんが、症状がある方が姿勢を正すと症状が消えるケースは少なくありません。

本人のやる気が一番大切

このケースのように、長年ある症状には2次的、3次的な問題が隠れていることも珍しくありません。

筋骨格系の症状は3カ月以上あると慢性症状になります。この場合は複数のアプローチを行うことが推奨されています。

痺れに関しては、2021年現在、カイロプラクティック臨床ガイドラインではプロトコルが明記されていないのですが、当院では筋膜リリースの要領で対応しています。

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