自然治癒力

「「治す」のではなく、「治ろうとする力を引き出す」。 カイロプラクティックでは、からだが本来持っている“自然治癒力”を大切にしています。このページでは、自然治癒力とは何か、そしてその力をどうすればもっと活かせるのかを、カイロの視点からやさしくお伝えします。

自然治癒力を高めることは、病気の予防や体調管理にとても役立ちます。「疲れが取れない」「不調が続いている」と感じる方に向けて、身体が本来持つ回復力についてわかりやすく解説しています。

「自然治癒力を高めると病気が治る」——そんな言い方を耳にすることがありますが、実際には病気になりづらくなったり、日々の体調が底上げされたりと、健康的な状態を維持しやすくなります。

体調が優れない方、慢性的な不調にお悩みの方の参考になれば幸いです。
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目次

エビデンス(AIで抽出)

まず医学文献としてカイロプラクティックが自然治癒力について言及できることを、AIで抽出してみました。

カイロプラクティックの理論では、身体には本来の自己治癒力が備わっているとされています。歴史的には生気論的・超自然的な概念に根ざしていましたが、現代の視点では、生物学的メカニズム、コンテクスト(文脈的)要因、およびエビデンスに基づく患者中心の研究モデルを通じて、こうした結果を説明しようとするアプローチが強まっています。

歴史的および哲学的基盤

カイロプラクティックは、D.D.パーマーによって「薬を用いない治療の科学」として創設され、生物系は自己治癒、自己調整、自己組織化を行うという信念に基づいています。歴史的に、この哲学は生気論(生命は未知の、あるいは「超自然的な」生命力によって支配されているという信念)と深く結びついていました。初期の施術者たちは、亜脱臼した椎骨がこれらの「神経の振動」を阻害し、アジャストメント(調整)がその阻害を取り除くことで、身体の固有の治癒力が機能するようになると仮説を立てました。

この初期の枠組みは、現代の科学的理解が欠如している中で、健康と病気を合理化するために、神聖な物語、特殊な言語、儀式を用いるなど、宗教システムと類似した機能を持つことがありました。「イネイト・インテリジェンス(先天的知能)」といった概念は、身体の自然な回復プロセスを説明するための隠喩的ツールとして使われました。しかし、批判派は、こうした生気論的基盤は検証不可能な仮説のままであり、それが歴史的にこの職業の文化的権威やメインストリームの医療への統合を妨げてきたと主張しています。

現代の科学的視点

現代の科学的視点 21世紀において、カイロプラクティックの専門職は、ドグマ(教条主義)からエビデンスに基づく実践への移行を迫られています。自然治癒という概念は存続しているものの、現代の研究では、超自然的な力ではなく、生物学的および文脈的な現実に基づいてこうした観察を説明しようと試みています。例えば、動物モデルを用いた研究では、カイロプラクティックの介入が※ニューロトロフィンを調節することで神経可塑性を媒介する可能性が示唆されています。さらに、一部の臨床報告では、カイロプラクティックのアジャストメントがバイオメカニクスや栄養吸収を改善し、変性した椎間板などの組織の再生を促進する可能性が提案されています。 
※ニューロトロフィン(Neurotrophin)とは、脳や神経システムのなかで神経細胞(ニューロン)の生存、発育、機能の維持、そして再生をサポートするタンパク質の一種です。

分かりやすく言うと、神経細胞にとっての「栄養剤」や「肥料」のような役割を持つ物質です。

重要な現代的転換として、「文脈的支援回復(CARe:Contextually Aided Recovery)」モデルがあげられます。この理論は、カイロプラクティックケアの際に観察される臨床的改善は、単に亜脱臼の機械的除去だけでなく、医療従事者と患者の関係や施術者の権威に固有の強力な文脈的要因に由来する可能性があるとしています。この視点は、生気論的な「亜脱臼が原因である」というドグマから脱却し、臨床結果とより広範な科学的エビデンスを統合するモデルを支持するものです。

患者ケアへの統合

現代のカイロプラクティックの実践では、伝統的な原則と現代の科学的要件のバランスを取る、患者中心のパラダイムがますます採用されています。このアプローチには、全体論(ホリズム)、自然主義、合理主義が組み込まれており、患者を統合された全体として捉え、健康増進のパートナーとして関与させます。

このパラダイムの適用には、いくつかの主要な特徴があります。

  1. ホリスティックな管理:カイロプラクティックは、身体全体のバランスを改善し、筋緊張を和らげ、血行を促進するために用いられ、痛みに伴うストレスを軽減することでメンタル面での健康上のメリットをもたらします。
  2. エビデンスに基づく研究:実際の臨床現場において患者中心の治療の有効性を評価するため、量的研究と質的研究の両方を含む研究方法の多元化を求める声が高まっています。
  3. 保守的なアプローチ:カイロプラクティックケアは、首や背中の痛みなどの慢性疾患を管理するための、非薬物療法による保存的アプローチとして位置づけられています。

プラグマティック(実用的)でエビデンス志向の枠組みへと移行することで、この専門職は、自己治癒という歴史的哲学と、現代医療の厳格な要求との調和を目指しています。

私が考える自然治癒力

カイロプラクターは昔から自然治癒力を語っています。それは上記のエビデンスにもあるように、創始者であるD.Dパーマーが「イネイトインテリジェンス、ユニバーサルインテリジェンスが病気を治す」と説明したからです。実際のところどうなのか?

率直な意見を現役のカイロプラクターが解説します。

私が学んだRMIT大学健康科学部のカイロプラクティックは、米国ナショナル大学系の考え方をする、メディコプラクター(メディカルの勉強もするカイロプラクター教育)です。カイロプラクティックの臨床をして20年になりますが、結果的に行っているケアは上記の「患者ケアへの統合」になっています。

つまり背骨の矯正をすることで、快適な動きになったり、QOLが上がる、体内の生化学物質の変化があるものの、病気の予防や回復には不十分です。このことはシステマティックレビューにおいても言及されていますから、他の要素も取り入れて自然治癒力が高いといえる状態を目指しています。

では実際に私がカイロプラクティック臨床上、何を行っているのか?それは施術をしている際、WHOなどが推奨する運動や厚労省が推奨している食事摂取バランスの確認など、高い質のエビデンスがある生活習慣を構築していく為のプランや促しです。

そのような会話してながら標準的なカイロプラクティック・ケアをしています。それらのライフスタイルに近づけていくことは、エビデンスで4大疾患の発症リスクを下げることが証明されているからです。

基本の「き」

よく言われることですが、以下3つを満たすことが現代日本社会の生活では、難しく感じている方が多いです。

  • 適度な運動
  • 充分な睡眠
  • バランスの良い食事

私は患者さんの価値観、生活と照らし合わせて、いろいろなことを認知行動療法でトライしています。

基本的にはこの3点を中心にケアをしつつ、生物心理社会モデルでケアしていますから、心理的側面、社会的な側面で不具合がないかをお伺いしています。

「患者ケアへの統合」にもあるように、カイロプラクティック・ケアは筋緊張を緩和し、血流が良くなることでメンタル面にも良いです。痛みが減ることは「適度な運動」へのハードルが下がるとともに、充分な睡眠に向かいやすくなります。

バランスのとれた食事は、身体の再構築の材料ですし、機能的にエネルギーを運ぶサイクルでも重要です。また良質な睡眠をとるためにも必要な要素です。この点においても「私」が食べるわけではないので、患者さんの日々の意識、継続が鍵になります。

この状態は、痛みがコントロール可能になった後のウェルネスケア期に上記が満たされてくる事が多いように感じます。

当然のことですが、これらの条件が整っていれば感冒などの感染性疾患にかかりづらい状態、つまりは自然免疫が高い状態だと言えますし、癌や糖尿病、心血管障害、脳血管障害、精神疾患といった5大疾患のリスクを下げることができる、つまりは自然治癒力が高い状態です。

鍵は「快」の感覚

上記の条件を生真面目にトライできれば問題ないのですが、長く続ける秘訣はそれぞれの「心地よさ」を体験してしまうことだと、私は考えています。ざっと例をあげますと

  • 適度な運動は例えばランニングハイを1度経験してしまう
  • 睡眠の優先順位を上げて、心行くまで眠るようにする
  • バランス良く採った食事の後の高揚感、快適さを体験してみる

というような事です。

数値化できない

ただし分かりづらいのが「今あなたの自然治癒力は何%発揮されているか?」と数値で見えない部分です。現代医学では自然治癒力が高い状態を直接的に計測する方法はありません。血液検査から、交感神経と副交感神経のバランスを白血球分画(リンパ球・好中球の比率)で検査することはできますが、日常的ではありません。

アメリカのカイロプラクターは血液検査をできるそうですが、そうだったとしてもその場で各種血液情報を分析できる訳ではないでしょうから、即時性はないです。

その他の血液から自然治癒力が高い状態を推察できる指標としてCRP(C反応性蛋白)=体内で炎症が起きているかを示します。値が正常であれば、余計な炎症にエネルギーを奪われていない(回復にリソースを回せる状態)という判断材料になります。

栄養状態の指標(アルブミンなど)=身体を修復・再構築するための「材料」が血液中に十分に足りているかを見ることで、身体が本来の修復機能を発揮できる環境にあるかを推測できます。

その他、自律神経や疲労の度合いを見る検査として自律神経機能検査(心拍変動など)睡眠や休息によってしっかりとリカバリー(副交感神経優位)できているか、常に緊張状態(交感神経優位)で自然治癒力がすり減っていないかを測定できます。

現場(カイロプラクティック)での見立て

血液検査上の数値も大切ですが、臨床の現場ではそれ以上に、「肌艶」「呼吸の深さ」「皮膚の質感」「背骨や骨盤の可動性、緊張度」「睡眠の質」といった、日々の生体反応のトータルバランスから、身体がしっかりリカバリーできているか(=自然治癒力が十分に発揮されている状態か)を読み取っています。

その時々で最善の状態を

自然治癒力が高い状態を維持するには日頃の生活態度が一番大切なのは言うまでもありません。脊椎マニピュレーション後に約1か月間は、炎症メディエーターが下がるという研究論文もでてきていますが、長期的にそれが、疾患を予防するとまではいえないのが現状です。

背骨骨盤にアジャストしても、その夜お酒、夜更かし、タバコなどで遊んでいるうちは自然治癒力は高まらないのは言うまでもありません。

癌が治るのは嘘

某カイロプラクターが「背骨の調整で癌が治る」と謳っているようですが、そんなことはありません。あるとすれば「もともと良性の腫瘍でだったのだろう」ということでしょう。

痛みが改善する理由

カイロプラクティックで腰痛や首痛が改善するのは当たり前のことで、関節や筋肉が動きやすくなるからです。また上記のように各種炎症メディエーターが下がる、期待によるプラシーボ効果、カイロプラクターの丁寧な説明、など複合的に痛みが改善していると考えられています。

腹部場合も内臓(平滑筋)の硬さ、可動性の無さが胃腸の調子の低下の一つの原因でもあります。

参考文献

1]P. E. Maltese, S. Michelini, M. Baronio, and M. Bertelli, “Molecular foundations of chiropractic therapy.,” vol. 90, pp. 93–102, Sept. 2019, doi: 10.23750/ABM.V90I10-S.8768.

など

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